“エロ語呂”を使って難関私大の日本史対策に!?【著者インタビュー】

ライフスタイル

2017/9/20

『エロ語呂日本史年号』(江口五郎/パブリブ)

 暗記が苦手だ。漢字を覚えるのも、英単語を覚えるのも大嫌い。だが、なぜかアニメやゲームに出てくるキャラクターの名前は覚えることができたし、とあるゲームであれば151匹のモンスターを覚えるのも容易だった。人は興味がないものは全く覚えることができない。しかし、興味があるものに関しては抜群の記憶力が発揮される。こんな経験があるのは私だけではないはずだ。

 そんな、特に男子中高生が四六時中考えてやまない“エロ”をテーマにした参考書が発売された。『エロ語呂日本史年号』(江口五郎/パブリブ)である。本書は、高校レベルの日本史年号・用語を“エロ語呂”で覚えることができるというスグレモノ。それだけでなく、日本私大の最高峰・早慶上智レベルにも対応しているというから驚きだ。

 今回は『エロ語呂日本史年号』の著者である江口五郎氏に取材を敢行。エロ語呂が誕生したきっかけやエロ語呂がどのように生み出されるのか、といった制作秘話を聞いた。

◎くだらないエロ語呂をたくさん作ったら、早慶上智対応に!?

――エロ語呂を作ろうと思ったきっかけは?

江口:言葉の共通点を見つけて、それを融合させるような言葉遊びがもともと好きだったんです。大学生のときには、暗い言葉でしりとりするっていうのにハマってました。例えば「見殺し」→「死亡診断書」とか、みんなの気分が憂鬱になるような感じで(笑)。そんな遊びの一環で語呂を作ろうと考えたんです。でも、ただ語呂を作るだけでは面白くない。だから、何か制限を設けて語呂を作ろうと思いつきました。そこで“エロ”に絞ったのはやはり私がスケベだからですね(笑)。

――記念すべき第一号となるエロ語呂は?

江口:最初に思い浮かんだのは「ネブカドネザル。ねぇ、僕と寝ざるを得ないでしょ」というもの。世界史に出てくる昔の王様ですね。もともと大学受験のときには世界史選択だったんですけど、ネブカドネザルって覚えにくいじゃないですか。でも、この語呂なら思い出すヒントになるはず、と調子に乗ってエロ語呂をブログにアップするようになったんです。アクセス数なんて一桁のブログでしたけど、ある日出版社の方から「エロ語呂を本にしないか?」というオファーがありまして。いや、ホントよくブログ見つけたよなぁ、って思いますよ。

――なるほど。ところで「エロ語呂」は早慶上智対応ということですが、ブログを始めたときから、ハイレベルな受験生を意識して作られたんですか?

江口:いえいえ! ホントたまたまです。くだらないエロ語呂をたくさん作りたいという気持ちで作っていたら、難関私大の範囲もカバーできるほどマニアックになってしまいました(笑)。あと、どうせやるんだったら、パロディとしてレベルが高いものを作りたい。それで本物の参考書に迫れば迫るほど面白いかなって考えたんです。バカバカしいんだけれども、本物の参考書のように十分使えることを目指していたら、早慶上智に対応することができたということもありますね。

――その実用性の高さもあって、7年前に発売された『エロ語呂世界史年号』が大人気になったということですね。

江口:まさか! ですよね(笑)。実際にエロ語呂を使って「難関私大に合格できた」「センター試験で満点近く取ることができた」「京都大学合格へ大いに役立ちました」なんてファンレターをもらっちゃいました。とあるサイトでエロ語呂が真面目に紹介されたことも。「パロディで作ったのになぁ」って。なんかちょっと可笑しかったですね。

――そして、満を持して日本史バージョンが発売となったわけですね!

江口:もともと日本史は作りたかったんですけど、世界史を出版した段階で燃え尽きちゃって7年もかかっちゃいました。毎日毎日エロ語呂を考えていたら、頭おかしくなっちゃいましたよ(笑)。

◎エロ語呂が作りにくい歴史上の人物は?

――エロ語呂はどうやって作るんですか?

江口:主に自宅でパソコンに向かって作っています。まず1つの年号から語呂を何個も作るんです。それから年号の語呂と人物・出来事の語呂を組み合わせて、しっくりくるもので、完成品を作ります。行き詰まると、ふらっとファミレスに行って、ボーっと人間観察。そうすると脳に刺激が与えられるのか、結構はかどるんですよ。ファミレス、あなどれないっすね。あとは寝る瞬間とか何気ない瞬間にも、ふと思いついたりするのでメモは欠かせません。

――つまりエロ語呂のために、いつもエロいことを考えてるんですね(笑)。ちなみに1つ作るのにどれくらい時間がかかるんですか?

江口:短いものだと数分、長いものだと3日くらい。人名がたくさん出てくるものや、語呂にしにくい人名はどうしても時間がかかります。例えば、19人登場した1467年応仁の乱、山本権兵衛や西園寺公望なんかは語呂にしにくく、だいぶ苦戦しました。

――逆に全然エロくない語呂ができることはない?

江口:たくさんありますよ。普通の語呂だと制限がないから出てくるんですけどエロ縛りをしていると…。内容もやたら「叔父と姪の近親相姦」みたいなストーリーが多くなっちゃうんですよね(笑)。もし、発見してしまったら「パロディ」として笑い飛ばしてください。

――笑い飛ばしましょう(笑)。最後に次回作の構想などあれば教えてください!

江口:今はまた燃え尽き症候群なんですよね(笑)。周りからは「英単語でやってみたら?」って言われることもあります。個人的には精神医学や資格試験とか。エロ語呂と相性がよかったらチャレンジしてみたいですね。

 大学入試を控えた受験生はもちろん、ちょっと日本史を学び直してみようかな…という人も、きっと楽しんで勉強できること間違いなしだ!

文=冴島友貴