芸人や著名人が通う、世界中の珍奇植物を集めた日本一のセレクトショップ。三代目店主が語る「姿を変える多肉植物」とは?

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公開日:2017/11/24


日本一のサボテン・多肉植物のセレクトショップ
鶴仙園 三代目 靍岡 秀明さんインタビュー

 見ているだけで圧倒される、珍奇(ビザール)な植物。砂漠や荒野で生きるために摩訶不思議な形状に進化した彼らを、猛獣使いのように操るのは、サボテン・多肉植物の専門店、鶴仙園の三代目、靍岡秀明さん。いま話題の多肉植物の専門家として、TVをはじめ、さまざまなメディアに登場する売れっ子だ。「昨日アフリカから帰ったばかりですよ」という多忙さにもかかわらず、インタビューに応じてくれた。

■アフリカから「砂漠のバラ」を抱えて帰国?


 手に持っているのは、コーデックスの仲間、パキポディウムやアロエの仲間などを石に植え込み、原生地の原野に生える姿を再現。コーデックスの仲間には「砂漠のバラ」とも呼ばれ、艶やかなピンクの花を咲かせるアデニウム・オベサムなどがある。

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「ポートエリザベスから海岸線に沿って北上し、ナミビア付近まで行きました。砂漠と岩ばっかりで、ほんとうに過酷なところですよ。昼は25度を超えるのに夜は7度とか。こんなところだからこそ、生き残るために驚くような進化をしたんだろうと思いますね」

■「石」に見えるのに「脱皮」? 葉に「窓」がある植物とは?


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 靍岡さんが持っているピカピカ光る左の植物は「ハオルチア」。光る透明な「窓」から光を集めているそうだ。右の茶色い石みたいなものは「リトープス」といい、これも砂漠に生える植物。下ふたつの写真は靍岡さんがアフリカで見た、それぞれの現生地の様子だ。

「ハオルチアは、土や岩の間から「窓」をのぞかせて光合成をしているんですよ。リトープスは周囲の石にまぎれて、カメレオンのように『擬態』していますね。リトープスは1年に1回、脱皮します。写真の外側にある灰色の部分が脱ぎ捨てた皮。まるで昆虫みたいですよね」

■三代目店主が教える裏技、「ティッシュペーパーで遮光ネット」
プチプラで効果抜群!

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 おもしろそうだなあと思って、店頭の多肉植物を購入しようとしたところ、靍岡さんが「いいことを教えましょう」と実演してくれたのが上の写真。「購入した植物を家に持ち帰ったら、新しい環境に慣らすときにティッシュと霧吹きを使うといいですよ。とくに『ちょっと光が強いかな?』と思うときにおすすめ。ティッシュは2枚重なっているので、1枚に分けます。多肉植物の上に1枚にしたティッシュをかけて、シュッと水を霧吹きでかけます。これでOK。乾いても風で飛びません。数日このままにしておくと、自然に新しい環境に慣れてくれますよ」

■芸人や著名人もお忍びで来店。マニアもうなるラインナップ


 鶴仙園は、東京豊島区駒込の本店と西武池袋本店にある西武池袋店を展開中。品揃えの豊富さとアクセスの良さで、多くの芸能人も訪れる。「テレビでよく見る芸人さんもたくさん来てくれています。『アメトーーク』で『多肉植物芸人』とかをやったら、知っている人ばっかりになっちゃうかも。みなさん多肉植物が大好きで、いいおつきあいをさせていただいてます。うちは確かな植物をていねいに売るのがモットー。育ててみてわからないことがあったら、いつでも聞きに来てください」