「女性はふわっとした関係でいようとする」 ゆうこす×はあちゅうがBARで語る! 男と女の友情、初対面の人や彼との“距離の縮め方”

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更新日:2017/12/1

(左)はあちゅうさん、(右)ゆうこすさん

 『通りすがりのあなた』(講談社)などの著者で知られる元祖SNS女王、はあちゅうさん。 「モテるために生きてる」と言い切り、“モテクリエイター”として起業も果たした元アイドルのゆうこすさん。女性から圧倒的な支持を集める2人が、注目の映画や恋愛、独自のコミュニケーション術を語る。

●好きな男性と近づきたくて映画をたくさん観た

はあちゅうさん(以下、はあちゅう 映画はもともと大好きで、大学生のときは年間300本観ていた時期もありました。今はNetfixやHulu、Amazon Primeのどれかで2日で1本のペースで観ているかな。ゆうこすちゃんは?

ゆうこすさん(以下、ゆうこす  実はそんなに映画を観る方ではなかったんですよね。高校時代から暇さえあればずっとSNSに夢中でしたから。でも最近、男性との会話を盛り上げるため、話題の映画を観るようになって。そうしてSNSに感想を吐き出していたら、周りの人がどんどんオススメを教えてくれるようになったんです。

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はあちゅう 今の時代、SNSでの口コミは大きいですよね。『ラ・ラ・ランド』や『君の名は。』『シン・ゴジラ』『この世界の片隅に』は、まさに口コミで観に行きました。SNSでの賛否両論を読むと「私はどう感じるかな?」という興味が湧いてくるんです。映画選びは失敗したくないし、観るからには楽しい2時間を過ごしたい。事前にレビューも隈なく読んでから映画館に行きます。

ゆうこす ネタバレ怖くないですか? 昔、松田翔太さんと前田敦子さんの『イニシエーション・ラブ』を観るつもりで、ネットを見ていたら衝撃の結末がわかってしまった。あれがトラウマで(笑)……。

はあちゅう ネタバレもウェルカムです。サスペンスなら、誰が死ぬとか、事前にわかった上で観に行きたいタイプかも。この年末年始は、見逃してしまった映画をたくさん観たいです。『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』『ムーンライト』『湯を沸かすほどの熱い愛』……。あと菅田将暉さんと竹内涼真さん出演の『帝一の國』は必ず観なきゃ。

ゆうこす 年末年始の映画といえば、私が主演した『なっちゃんはまだ新宿』という映画が12月9日に公開されるんですよ。

はあちゅう ゆうこすちゃんが主演した映画? それは観たい!

ゆうこす 出演したきっかけは、監督さんから「どうしても出て欲しいんです。あなたしかいないんです」という、長文のラブレターをもらって。演技未経験で不安の私に「ゆうこすちゃんは、そのままでいてください」と。なるほど、と思ってそのまま撮影を終えたんですけど、後日イベントで、監督が「ゆうこすちゃんには“世界で一番嫌いな女”を演じてもらいました」とおっしゃっていて(笑)。その辺りを意識しながら観て欲しいです。

はあちゅう (笑)。映画館にも久しぶりに行きたいですね。私、アメリカ人と3年間お付き合いしていたことがあるんですけど、海外の映画館では、みんな必ず何かを食べながら観るんです。そして暇だと1日2本とか観る。普段の会話にも映画からの引用が出てきたりして映画がもはや“文化”になっていると感じました。週末に映画デートすることが多かったですね。

ゆうこす 映画デートといえば、18歳で東京に出てきて初めて好きになった男の子が、映画好きな人でした。彼に近づくため、片っ端から映画を観て勉強しようと思い、新宿のバルト9にほぼ毎日通っていましたね。そしたらある日映画館でバッタリ会って……。もう、運命を感じました。そのまま付き合うことになりました!

はあちゅう ゆうこすちゃんらしい、かわいいエピソードですね。そうそう、忘れられない映画デートでもう一つ。映画館でデート相手が買ってくれたキャラメルポップコーンを最後まで食べきれなかったんです。普通は劇場で捨てますよね。でももったいないからと、わざわざ持ち帰り用の袋を用意してもらっていて。親切心は嬉しいけど……ポップコーンのテイクアウトは初めての経験でした(笑)。

●男の友情と女の友情。その違いは?

ゆうこす 『探偵はBARにいる3』は、笑えるし泣けるし、とにかくテンポが良くてあっという間でした。探偵役の大泉洋さんには、「水曜どうでしょう」のコミカルなイメージを持っていたんですが、この作品ではシリアスな大泉さんも見ることができて新鮮でした。

はあちゅう 過去作を観てなくても十分映画の世界に入り込めましたね。予測不能な展開にずっとハラハラドキドキして、最後は良い意味で裏切られました。そして、キーパーソンとなるヒロインを演じた北川景子さんが素敵でしたね。北川さんは『セブンティーン』のモデル時代から憧れの人。女性らしさとかっこよさを兼ね備えているところに、男性にも女性にも人気の理由がある。いつかお会いしたい女性のひとりです。

ゆうこす クールビューティなのに、探偵との観覧車デートで見せる笑顔とか、街中で自然と腕を組む感じとか、チャーミングな一面もあって、同性から見ても魅力的だなと思います。

はあちゅう ですよね。そんな彼女の魅力に探偵が翻弄されてしまうのもわかる。そして探偵と、松田龍平さん演じる高田とのコンビも、近くにいそうと思わせるリアリティがありました。クールで飄々とした高田と感情豊かな探偵。まさに陰と陽のイメージで、どちらも男性として魅力的です。

ゆうこす 私がタイプなのは高田かな。人に興味がない感じなのに、親友である探偵のピンチには、ちょっと遅れるけど必ず駆けつけるところがカッコいい! はあちゅうさんは? 

はあちゅう 彼氏にするなら高田で、結婚するなら探偵かも。探偵みたいに、思っていることがすぐに顔に出る人の方が一緒にいて安心できますよね。ただし、スマホを持っていないのは良くない(笑)。まずはLINEを使いこなして欲しいです。

ゆうこす 確かに! 彼女からしたら、自分と一緒にいない時に何をやっているのか不安になっちゃう。劇中でも、探偵と連絡を取りたい人は、相棒の高田に電話するんですよね。

はあちゅう そんないつも一緒の2人の絆は、清濁併せ持つというか、良い面だけでなく悪い面もお互いわかり合って補完し合うような強さを感じます。

ゆうこす “男の友情”って、例えばケンカしたら、その分、絆が強くなっていきますよね。でも女性の場合、いったん仲違いするとギクシャクしません? 1枚壁ができちゃう。

はあちゅう わかる!

ゆうこす 関係を築いていく上でのピンチを乗り越えるのが男性。女性はどこかフワッとした関係でいようとするというか。

はあちゅう 女性との違いでいうと、探偵と高田は、理由なくだらっとつるむ長年連れ添った夫婦のよう。それって、女性にはあまりない傾向ですよね。女性の方が日々忙しいのかもしれません。私自身は、喋っていて集中力切れたら「じゃぁ解散!」って言える関係性を周りと築きたい。仕事が一番だったり、優先順位がはっきりしている人の方が付き合いやすいです。

ゆうこす あと、探偵には “大人の色気”を感じました。そもそも私、年上の人が好きだから。探偵とは腐れ縁の若頭役、松重豊さんの渋みにもグッときます。

はあちゅう なるほど。私は裏社会のボスの用心棒を演じた若手俳優、志尊淳さんが色っぽかった。素性もよくわからなくて、ただひたすら強い。ああいうミステリアスな雰囲気にグッときます。年上好きのゆうこすちゃんとは見るポイントが違いますね。ゆうこすちゃんは男性のどんなところに色気を感じますか?

ゆうこす 寝起きとか、無防備な一面を見せられたときに母性本能くすぐられちゃいます。

はあちゅう 無防備ってことは、自分に気を許してくれているという証拠。これは嬉しいですよね。私も、普段は見せない弱っている顔を見た時に色気を感じます。うわべではチャラついているのに、実は深く考えていることが分かったときとか。見た目どうこうではなく、人間としての深みが色気につながるんだと思う。そして最後は「この人と一晩過ごしてみたいと思うか」。これに尽きますね。

ゆうこす 考えてみたら、私、男性全員に色気を感じているかも。というのも、私はぶりっ子なので、いつも真正面から相手の目を見て話すようにしているんです。だから横顔がそもそも新鮮で。助手席から運転中の顔を見ただけですぐドキッとしちゃう。ゆうこすを口説きたいときは、横顔が見えるバーに連れて行った方がいいかもしれません(笑)。

●初対面の人との会話では「とにかく否定しない」

はあちゅう バーでのデートって、正面ではなく隣に座るからドキドキしますよね。相手との距離もグッと近くなるし。そもそもバーを知っているというだけで大人な感じがして、ポイント高いです。

ゆうこす バーに連れて行ってもらうなら、暗い場所でも華やかで、かつデコルテがキレイに見えるようなファッションでおめかししたいです。首元にラメもつけちゃおうかな。こうして横に並んでいると、はあちゅうさんのデコルテや襟足が綺麗で……。だからポニーテールもいいかも。お酒がそんなに強くないし、種類も知らないので、お相手の男性にオススメのカクテルを教えて欲しいです。

はあちゅう そうやって会話が盛り上がるのがバーのデートの醍醐味かもしれませんね。私にとっても、お酒は趣味嗜好で飲むものではなく、相手と仲良くなるため、同じテンションになるために飲むもの。私がお酒を飲むのは「あなたのことをもっと知りたいんです」という気持ちの表れでもあります。

ゆうこす 『探偵はBARにいる3』でも、探偵とマリはお酒を飲んで距離を縮めますもんね。2人が初めて会った日に探偵が何気なく発した言葉が、マリに影響を与えるシーンがありますが、はあちゅうさんはそういう経験ありますか?

はあちゅう 初対面の人に言われてドキッとしたのは「知性があるね」というひと言。「かわいいね」「綺麗だね」はお世辞言わせちゃったな~と思うんですけど、「品がある」「知性がある」みたいに、違う角度から褒めていただくのは嬉しい。大事にしたい言葉です。逆に初対面の人との会話で心がけているのは「否定しない」こと。悩みを聞いて、それはちょっと違うかなと思っても、すぐに結論は言わない。「つらかったね」とワンクッション置いて、相手を受け入れるところから始めます。

ゆうこす 私はSNSでは「モテるために生きてるぶりっ子」をテーマにしています。でも初対面の人と話すと「イメージと違う」「もっと面倒くさい人だと思ってた」と言われることが多くて。そのうち「ゆうこすちゃんって人と話すの上手だよね」「みんなの話をまとめるのがうまいよね」と言ってもらうのが嬉しくて。最近では、MCのお仕事をいただく機会も増えました。引きこもり時代、カメラに向かって話していた時期を思うと、つくづく人と話して良かったなと……って、話題が暗い!(笑)

はあちゅう そもそも、ゆうこすちゃんは人と話すの緊張するタイプ?

ゆうこす 緊張します! 約束して会うときには、事前に相手のことをネットで調べます。

はあちゅう 私も沈黙が怖いので、誰かと会ったらライターみたいに自分からガンガン質問しちゃいます。これまでの人生から始まり、今日1日何をしていたのか、そして好きな食べ物やバッグの中身などの細かいところに至るまで“どうやってこの人ができたのか”を聞いちゃいますね。

ゆうこす バッグの中身まで! それはもう、探偵並みの調査ですね(笑)。

はあちゅう ですね。相手がたとえ嫌いなタイプの人でも、良い一面を探そうといろんな角度から質問していきます。そうしていくうちに、苦手だなと思う部分も、自分の学びになると思うから。

ゆうこす 私も人と話すときには少しでもポジティブな気分になりたいから、相手の嫌なところより素敵な一面を見つけたいなと思っています。探偵力を見習わなくちゃ、ですね。

取材・文=平井万里子 写真=花村謙太朗
撮影協力=Bitter BEER BAR(東京都新宿区津久戸町1-14 2F)

はあちゅう
ブロガー、作家。1986年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。在学中にブログを使って、「クリスマスまでに彼氏をつくる」「世界一周をタダでする」などのプロジェクトを行い、女子大生カリスマブロガーと呼ばれる。電通、トレンダーズを経てフリーに。著書に『さきっちょ&はあちゅう 恋の悪あが記』『わたしは、なぜタダで70日間世界一周できたのか?』『疲れた日は頑張って生きた日 うつ姫のつぶやき日記』『半径5メートルの野望』『言葉を使いこなして人生を変える』『通りすがりのあなた』などがある。

ゆうこす(菅本裕子/すがもと・ゆうこ)
1994年5月20日生まれ。「モテるために生きてる!」、「モテクリエイター」と宣言。タレント、モデルとしても活躍し、20代女性を中心にInstagramで紹介した商品が完売するなど、カリスマ的人気を誇る。また、YouTubeチャンネル「ゆうこすモテちゃんねる」は同世代の女子を中心に絶大な影響力を持つ。Instagram、Twitter、LINE@、YouTubeなどのSNSのフォロワー76万人。近著に『SNSで夢を叶える ニートだった私の人生を変えた発信力の育て方』がある。