長澤まさみ「動ける30代になりたい。活発で快活な人に」

あの人と本の話 and more

2018/1/6

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回、登場してくれたのは、映画『嘘を愛する女』で高橋一生さんと大人のラブストーリーに挑んだ長澤まさみさん。愛する人の名前も職業もすべてが嘘だったと知った時、どうするのか。一作ごとに進化する現在進行形の女優の今に迫った。

長澤まさみさん
長澤まさみ
ながさわ・まさみ●1987年静岡県生まれ。第5回『東宝シンデレラ』オーディションにてグランプリを受賞。2000年、『クロスファイア』で映画デビュー。04年、映画『世界の中心で、愛をさけぶ』で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞など数々の賞を受賞。近年の出演作に、映画『モテキ』『海街diary』『銀魂』『追憶』『散歩する侵略者』など。18年6月1日公開の『50回目のファーストキス』、19年公開の『マスカレード・ホテル』にも出演。また、18年フジテレビ4月期月9ドラマ『コンフィデンスマンJP』にて主演を務める。
ヘアメイク:高村三花子 スタイリング:上杉美雪様(3rd) 衣装協力:ドレス 3万8000円(税別)(ルシェルブルール/シェルブルー カスタマーサービス)

「“大人になったね”って言われるのがすごく苦手なんです。いったい私の何を知ってるんですか?みたいな気持ちになってしまうから(笑)。 そういう自分のくだらない感情が嫌で、そんな話になると、すっと逃げてしまいます」

 この人がいつまでも瑞々しいのは、こんな気持ちを持ち続けているせいかもしれない。

「仕事していくうえでは、監督や共演する俳優さんのことをあまり知りたくないんです。もちろん信頼感はあったほうがいいけど、やっぱりちょっとはずかしくなっちゃうので、知らないくらいのほうがいい」

 人見知りで緊張しやすい。実は、料理が大好きで「今年ハマったのは餃子です。いろんなレシピを見つけてはつくってました」と、聞けば聞くほど意外な素顔がのぞく。今年30歳になった。

「中学の同級生とは今も仲がいいんです。結婚してる人は半分くらい。みんな、全然焦ってないから、呑気なもんです、私も。人から言われて、あ、そういう歳なんだと。動ける30代になりたいですね。活発で快活な人に。そういうイメージで見られることもあるんですが、実は、わりとボーッとしてるタイプなので、もうちょっと明るいとか面白いとか言われるようになりたいですね」

 映画『嘘を愛する人』で演じた由加利は、大手食品メーカーの第一線で働くキャリアウーマン。同棲中の恋人・桔平(高橋一生)にとことん尽くされる、なんともうらやましい役でもある。

「由加利は、仕事のうえではキャリアがあって、プライドもある。監督から〝嫌な女を演じてくれ”と言われたのは、それが鼻につくという意味なのかなと。でも、いろんなものと戦っている人という側面もあると思います。ごく当たり前のことをきちんとやっている人は、それだけでカッコイイです」

 強い女の由加利にとって、桔平は心を許せるオアシス的な存在。桔平が由加利の口に指をつっこんで「イーッ」とやるシーンは、監督の演出ですか、アドリブですか?

「あれは一生さんからじゃないですかね。一生さんって突発的な行動をも愛するみたいな博愛主義っぽいところがあるから(笑)」

 そこまで心を許した相手の名前も職業もすべて嘘だとわかったら、どうするのか。映画はここから急展開する。

「それでも信じるのか、やっぱり疑ってしまうのか。私なら両方ですね。人間的に未熟なので、右往左往しちゃうと思います、自分の感情に。でも、その人との関係に揺るがないものがあるんだったら、過去はあまり気にしないかもしれない。過去があるから、今のその人が居るのだと思うから。しかも相手を思っての嘘だとしたら、きっと向き合える気がします」

 そこに「愛」はあったのか。それは不可能な愛の証明のようだ。彼女がたどりついた真実にきっと泣いてしまう。

(取材・文:瀧 晴巳 写真:下林彩子)

 

映画『嘘を愛する女』

映画『嘘を愛する女』

監督:中江和仁 出演:長澤まさみ、高橋一生、DAIGO、川栄李奈、黒木 瞳、吉田鋼太郎 配給:東宝 1月20日(土)より全国公開 
●由加利(長澤まさみ)は、研究医で面倒見のよい恋人・桔平(高橋一生)と同棲5年目。仕事は順調、結婚を考え始めた矢先、桔平がくも膜下出血で倒れ、彼の所持していた運転免許証、医師免許証がすべて偽造されたもので職業はおろか名前すらも嘘だったことを知らされる。彼は一体何者なのか――。
(c)2018「嘘を愛する女」製作委員会