『お互い40代婚』たかぎなおこさん、ひとりぐらし歴17年からの結婚・出産・子育てとは?【インタビュー】

マンガ

更新日:2021/1/26

 『ひとりぐらしも5年め』などでおなじみのマンガ家、たかぎなおこさん。実はこの2年の間に結婚をして1児の母に! その怒とう? の2年間を描いたのが新刊『お互い40代婚』(KADOKAWA刊)です。結婚&出産を経た現在の心境をたかぎさんに語っていただきました!

『お互い40代婚』(たかぎなおこ/KADOKAWA)

結婚してよかったこと、変わったことは?

――ひとりぐらし歴が長くて、結婚に不安はなかったですか?

たかぎ 確かにひとりぐらし歴17年くらいだったので不安はありましたけど、いざ一緒に暮らしてみると、夜型の生活が朝型になったり、ごはんも規則正しく1日3回食べるようになったりで、かなり生活が整いました。夜寝るのって体にいいんだって実感したり(笑)。

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 あとは意外と旦那さんが家事をしてくれる人だったのも助かりました。今でも家事・育児をきっちり分担しているわけではないのですが、何となくうまく分担できています。

結婚後のふたりぐらしは、穏やかで楽しい毎日。

――旦那さんはどんな人ですか?

たかぎ 性格は、私のマンガに出てくる感じそのままで、体形はもうちょっと筋肉質かもです(笑)。怒りの沸点が低いというか、のんびりした性格なので、私がちょっとイラッとすることはあっても、ケンカにはならないです。

――出会いはどこで?

たかぎ 新刊にも出てきますが、出会いはほんとに偶然で。通っているシェアオフィスの近くで出会ったんです。

 実は旦那さんに出会う前にも、1人で家に籠っている生活を変えようと思って、別のシェアオフィスに1年半ほど通ってみたりしましたが、出会いはありませんでした。

 でも、その後、今のシェアオフィスに来ない?と声をかけてもらったら、その近所で旦那さんに出会ったので、最初の行動が結果的に出会いにつながったんだと思います。

仕事場を変えたことが、出会いのきっかけに!

――結婚したい人は、とりあえず婚活をするって大事ですか?

たかぎ そうですね。私も婚活ってほどじゃないですけど、今の生活を変えたいと一歩踏み出してみてよかったとは思っています。マンガ家という職業柄、下手すると一日中誰とも話さないという日もありますし。自分から外に行かないと出会うものにも出会えないので、とりあえず行動することは大事かなと思いました。

仕事場でのカニパーティーで、ますます彼のよさを確信。

女40歳! 勇気を振り絞って勝負に出たが……?

結婚してすぐに妊活スタート?

――子どもについてはどう考えていましたか?

たかぎ 年齢も年齢なので、産むなら早いほうがいいし、旦那さんとつきあう前から、子どもがいる生活ってどんなものかな?と漠然と考えてはいました。

 だから、旦那さんとつきあい始めてすぐに「子どもを産む」ということは意識しました。でもまだ相手が欲しいかどうかも分からないし……。結婚すらしていないのに、いいだすのもどうかと思ったり……。でも女性としてのリミットもあるし、とつきあっているときは、わりともんもんとしていました。それがあの発言と行動につながるんですが(笑)。けど思い切って切り出したのはよかったと思います(*詳細は新刊にて)。

 あとは旦那さんがお父さんになったらどんなふうになるのか見てみたい、という気持ちもありました。今は予想以上に娘にメロメロなお父さんです。

――結婚して7カ月でめでたく妊娠されました。

たかぎ 結婚前に、念のためにブライダルチェックに行ったら、多少妊娠しにくいかもということで……。そのまま定期的に病院に通ってホルモン注射とかを打ってもらったりはしていました。

 なかなか効果が出なくても1年は通おうと決めたんですが、8カ月で無事妊娠できました。

やはり40歳を過ぎての妊娠はハードルが高いのか?

――妊娠したことで周囲の反応はどうでしたか?

たかぎ もちろん旦那さんは大喜びでしたし、実家の両親、特に母はものすごく盛り上がっていました(笑)。もともと私に関しては結婚もしないだろうと諦めかけていたので、それはもう(笑)。

 もうすぐ子どもが1歳になるのですが、その盛り上がりは今も続いていて。実家の母は、携帯でメールとかをする人ではなかったのですが、一生懸命やり方を覚えて、今では毎日、孫の様子について、メールのやり取りをしています。

妊活のう余曲折を経て、めでたく妊娠!

妊娠中は、とにかく無事に早く出てきてほしいの一念

――どんな妊娠生活でしたか?

たかぎ とにかく長かったです。妊娠が分かったのが5月で、出産予定日が2月で、ずいぶん長いな~って思いました。

 無事に産めるかどうかすごく不安だったので、初期はとにかく早く安定期に入らないかな、後期になってからは早くもう産んでもいい時期にならないかな、ってそればかり考えていました。

 最終的には予定日を6日過ぎての出産でしたが、最後は早く陣痛が来るようにと、散歩ばかりしていました。

予定日を3日過ぎて陣痛スタート。いよいよ出産!

――無事にご出産できてよかったですね!

たかぎ 産後は「お母さんになった!」という喜びよりも、自分の傷口は痛いし、赤ちゃんのお世話でやることはいっぱいだし、余裕がなかったですね。

 子どもが2~3カ月くらいになってちょっと笑ってくれるようになったときに、これまでのやり方は間違ってなかったし、なんか今、意思の疎通ができた!みたいな喜びが湧いてきました。

――子育てについて、旦那さんと話したりしますか?

たかぎ 具体的な話はあまりしませんけど、子どものパパとママとしていつまでも仲よしな夫婦でいたいなとは思っています。

 今、「ひとりぐらし」シリーズを描いていた頃には考えられないような生活を送っていますが、日常生活って変わっていくもんだな、自分はこんなタイプだって思い込まないほうがいいなって思っています。

 私はわりとネガティブな妄想がスタート地点で、それを打ち消すために行動を起こすタイプ。結婚と出産も20〜30年後にしなかったことを後悔するくらいなら、今ちょっと行動してみよう!という思いがスタートでした。もちろん勇気も必要でしたが、結果よかったと思っています。

(取材・文/長谷川 華)

別冊レタスクラブに掲載された『お互い40代婚』はこちら!
http://www.comic-essay.com/episode/read/1894
http://www.comic-essay.com/episode/read/1895

たかぎなおこ
マンガ家。イラストレーター。
三重県出身。
『150cmライフ。』でデビュー後、
ひとりぐらしや、旅、マラソンなど
自身の周りのことをコミックエッセイにした書籍で人気。
http://hokusoem.com/