【ダ・ヴィンチ2018年5月号】Cover ModelのA.B.C-Zが選んだ本は?

Cover Model 紹介

2018/4/12

【ダ・ヴィンチ2018年5月号】Cover ModelのA.B.C-Zが選んだ本は?

Cover Model A.B.C-Z

前回の戸塚祥太卒業記念の特集(2016年4月号)から、はや2年。
A.B.C-Zはこの期間をどう過ごし、どんな成長を遂げたのか? 
今回撮影用に選んだ本のテイストは、
各メンバーとも2年前とはかなり変わっていた。
それぞれにセレクトの理由を訊いた。


それぞれのメンバーが選んだ本とは?

橋本良亮


花道のように、自分だけの武器を見つけたい

SLUM DUNK 完全版

『SLUM DUNK 完全版』(全24巻)
井上雄彦 集英社ジャンプCデラックス 各933円(税別)

湘北高校に入学した赤髪リーゼントの不良・桜木花道。一目惚れした同級生の赤木春子に長身を買われてバスケ部に。ルールも知らない、喧嘩っぱやい、およそチーム競技には向いていない花道だが、宿敵・流川との出会いをきっかけにバスケの面白さに目覚めていく。

「1カ月くらい前に人生で初めて『SLUM DUNK』を読んだんですよ。とっつーが流川と花道のハイタッチシーンが好きで、ライブ中もよく俺に仕掛けてくるんだけど、正直、どういう意味があるのかも知らなかった。ところがあるとき、深夜にたまたまアニメを観て。三井の『安西先生、バスケがしたいです』のシーンだったんですけど、なんだこれ、めちゃくちゃ面白いなって、途中なのにハマって最終回まで一気見。マンガも全巻、一気読み。とっつーもそりゃハイタッチするわ、あんなに泣けるんだから!って今さら共感しました(笑)。とにかく男のかっこよさが、さまざまな形で描かれていて。流川もいいけど、ゴリみたいにチームを背負える男になりたいなと思いました」(橋本)
 

河合郁人


尊敬する人たちを見習って、あきらめないための努力を

かくかくしかじか

『かくかくしかじか』(全5巻)
東村アキコ 集英社愛蔵版コミックス 各743円(税別) 

「美大在学中にマンガ家デビュー」の夢を抱き、日高絵画教室の扉を叩いた高3のアキコ。講師であり画家の日高による竹刀をふりまわすスパルタ指導で、天才の自負がこっぱみじんにくだける。情熱的で常識はずれな恩師の「描け!」に導かれて、美大進学をめざすが……。

「去年、東村さんからA.B.C-Zのみんなへ、ってもらった本なんですけど、俺がずっと独り占めしてたんです。最近ようやく読めたので、次にお会いしたときは堂々とお話しできます(笑)。東村さんが恩師との思い出を綴った物語。時々、現在の東村さんが振り返って『ねえ先生』って語りかけるじゃないですか。この手法に俺は弱くて、絶対に泣かされるんだろうなっていう予感に引っ張られながら読みました。実際、ラストの先生の『描け』って言葉には大号泣。絵画教室のあまりのきつさに、東村さんが仮病をつかって帰ろうとしたシーンも好きだったな。家に『迎えにきて』って電話したふりをして教室を出るんだけど、先生、全速力で追いかけてくるんですよ。『嘘ついたな、今、お前の母ちゃんから電話あったぞ』って。そしたら、普通は仮病も見抜くでしょ。でも、先生はちっとも疑わなかった。それでわかったんです。先生が罵声に近いものを生徒に浴びせたりするのは、人間として相手を信頼しているからなんだ、って。男として、大人として、かっこいいと思いました」(河合)
 

塚田僚一


もがきながらも必死に行動して、
答えを出そうとする姿に刺激を受けた



『太陽の季節』

石原慎太郎 新潮文庫 550円(税別)

若き戦後世代の肉体と性を真正面から描いた表題作は、最年少で芥川賞を受賞したデビュー作。自殺未遂を繰り返す級友を通し、人生とは何かという乾いた問いを投げる「灰色の教室」、死に隣接する苦痛から見えてくるものを活写した「処刑の部屋」ほか、挑戦し挑発する5 編。

「戦後昭和の大スター、石原裕次郎さんには以前から興味があったんです。今年の1月にテレビで観たドキュメンタリーをきっかけに、映画『太陽の季節』を観て、この原作を読みました。ジャニーさんから石原慎太郎さんとは親交があったとも聞いていて。芥川賞を受賞した『太陽の季節』は、刊行当時、社会に衝撃を与えたと言われ、読んだ人の感想も賛否両論だったそうですね。収録された5編には、たしかに既成概念や倫理に対する主人公たちの反抗心が満ちているんですが、その根本には、もがきながら必死に答えを出そうとしているピュアな人間の姿が見えて、そこは共感できるなと思ったんです。いいことも悪いことも理屈で考えるのではなく行動を起こしていく彼らの本能的な躍動感には刺激を受けました」(塚田)
 

五関晃一


名言に触れると、自分の引き出しが増えていく

名言力

『名言力 人生を変えるためのすごい言葉』

大山くまお ソフトバンク クリエイティブSB新書 760円(税別)

名言は触れるだけでなく、咀嚼して自分に生かしてこそ意味があるという実感をもとに著者が選んだ名言集。仕事、人間関係、恋愛、人生。カテゴリーごとに効く言葉を、スティーブ・ジョブズから山本五十六、瀬戸内寂聴や『巨人の星』など、古今東西からピックアップ。

「知り合いの放送作家さんに『五関くんは言葉を気にしたほうがいいよ』とこの本を渡されたんです。中心で仕切るタイプじゃないからこそ、ときどき発する一言にはちゃんと意味をもたせなきゃいけないって考えることはあったから、勉強しなさいと言ってくださったのかなと。読んでみたら、すごく面白かったですね。たとえば、高田純次さんの『世の中ってオレより頭のいい人のほうが多いんだ』っていう言葉。今まで誰かに頼るのは逃げることのような気がしていたけど、各分野のプロフェッショナルに委ねてよいものが作れるなら、それが一番いいと思えるようになって。すべてを自分だけの力でやる必要はないし、それは決して恥ずかしいことじゃないんだなと。一見当たり前の内容なんですが、そんな頃に触れたから、この〝名言〞はめちゃくちゃ沁みました」(五関)
 

戸塚祥太


「世界でいちばんタフな32歳」になろうかな



『海辺のカフカ』(上・下)

村上春樹 新潮文庫 上710円、下750円(各税別)

15 歳の誕生日、カフカ少年は家を出て、四国の図書館に向かう。一方、猫と交流ができる老人・ナカタさんも、ある重要な役割を負い、西へと向かっていた。「ナカタさんと、“風まかせ”みたいなホシノ青年とのロードムービー的なやりとりも好きでした」(戸塚)。

「村上春樹さんは『ノルウェイの森』から始めて、初期の『風の歌を聴け』などの〈鼠三部作〉を読み、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』がすごく好きになって……去年は『騎士団長殺し』を読んだし、ほとんどの作品を読んでいます。でも『海辺のカフカ』は買ったまま読むタイミングを逃していたんです。最近読んだらすごく面白くて。今の自分の力になってくれる言葉がたくさんありました。『君はこう考えなくちゃならない。これは戦争なんだとね』っていうセリフが響いてしまって……理不尽で不条理だけど、どうしてもやらなくちゃいけないことっていっぱいあって、それは、意志や自我があるからつらくなるんだよなって思ったり。じゃあ、そのために僕が「兵士」のようになれるかというと、なかなか難しいんですが……」(戸塚)

取材・文:門倉紫麻、河村道子、立花もも