男女別、わが子が勉強好きになる「7つの方法」とは? 心理学者・諸富祥彦先生に聞きました!

出産・子育て

公開日:2018/4/14

 この4月から、お子さんが幼稚園・保育園に入園されたご家庭も多いのではないでしょうか?

 いざ、入園してみたら、お友達は「ひらがな」がスラスラ読めている! 自分の名前が書けている! なんて、あせってしまったりしませんか? 実際は、まだあせる必要はないと思いますが、少しずつ勉強する習慣を身につけさせたいですよね。

 鉛筆を持って、紙に向かう「勉強習慣」は、5歳までに身につけておくとよいといわれています。けれど、なかなか集中してくれなかったり、すぐに飽きて投げ出してしまったり、なんてこともあるでしょう。

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 そこで、子どもが飽きずに、勉強習慣を身につけられるコツを、業界初「男女別の幼児ドリル」の監修をされた心理学者の諸富祥彦先生に伺ってみました。

ご自宅でドリルをやってみましょう

 学習習慣を身につけるには、自宅でできる「ドリル」が効果的です。ドリルとは、おもに学習内容を習得するための反復練習です。「ひらがな」や「かず」「ちえ」など、さまざまなドリルがありますが途中で投げ出してしまう、なかなか身につかないというお悩みもたくさんあるでしょう。

 大切なのは、お子さんにぴったりのドリルを選ぶこと。そして、もうひとつ大事なのは、お子さんへの接し方です。じつは、この接し方、男の子と女の子では、コツが少し違います。男女差も交えて、学習習慣を身につけるためのコツを7つご紹介しましょう。

①ドリルは、年齢にあったものよりも、お子さんができるものを選ぶ

 ドリル学習をするときに、一番大事なことは、「正解する」ことよりも「最後までできたという達成感」です。1ページやり終え、ご褒美シールを貼る、その一連の作業ごとに子どもは「達成感」を味わいます。「自分は最後までやり遂げることができるんだ」という自信を子供の頃からたくさん感じさせてあげましょう。問題を間違えてしまったり、途中で飽きてしまう場合は、問題が少し難しいのかもしれません。実年齢より低いものや、ページ数の少ないものを選ぶのもオススメです。また、お子さんが好きなものがたくさん出てくるものが、より集中力をアップさせます。

男の子と女の子が好きなものがわかる記事はこちら

 

②「勉強」という言葉をポジティブに使う

「早く、勉強しなさい!」「勉強ができないと将来、困るのよ!」

 そんな声がけが、子どもを「勉強嫌い」にさせてしまいます。「勉強」という言葉を使うときは、「勉強したの? えらいねー」「よくお勉強したわねー」とほめるときに、使ってみてください。

 

③ドリルは女の子向けにできている!?

 ドリル学習に必要なことは、「コツコツできる集中力」です。これは、どちらかというと女の子のほうが得意です。男の子は、興味のあることにはトコトン集中しますが、同時に新しい興味の対象がやってくるとすぐに飽きてしまう傾向があります。無理にやらせようとせず、男の子が楽しいと思うものを、楽しいと思える時間だけやらせてあげてください。逆に、楽しんでおこなっているときは止めずに、やりたいだけやらせてあげてください。すぐに飽きてしまうときは、2日くらい空けてから「また、ドリルのお勉強やってみる?」と声をかけてあげるといいでしょう。

新幹線や、ロケット、など好きなものが登場すると男の子は集中力アップ!

 

④女の子には、よりハッピーに接してあげる

 女の子の脳の特性に「人の顔をよく見る」というものがあります。女の子は、お父さん、お母さんの顔をよく見ています。そして、親御さんが悲しそうな顔をすると悲しくなり逆に幸せそうだと、自分も幸せを感じます。たとえば、問題を間違えてしまったとき、親御さんががっかりした顔をしてしまうと女の子は責任を感じてしまいます。また、期待が大きければ大きいほど、その期待にこたえようとがんばりすぎてしまうことがあるので要注意です。親御さんが、様子をしっかりとうかがって無理をしていないか、見てあげてください。

女の子は、「これで、合ってる??」と大人の顔を見ながら、進んだりします。

 

⑤男の子はスリルを好み、女の子は共感を好む

 男の子は、スリルを好みます。たとえば、迷路の問題を解いているとき、「間違った方向に進むと、爆弾が爆発しちゃうよ!」「落とし穴に落ちちゃうよ!」など、ちょっとドキドキするようなストーリーがあると男の子の冒険心をくすぐり、楽しみだします。

 女の子は、そのスリルがプレッシャーになってしまう場合があります。女の子には「一緒にゴールまでめざそう」「ゴールにお友達が待っているよ」というような、「一緒に何かをする」という気持ちにさせてあげるとよいでしょう。

男の子と女の子のワクワクのツボをおさえましょう。

 

⑥男の子、女の子に効く、魔法のワード

 男の子は「速い!」「すごい!」「かっこいい!」などの言葉でやる気がアップします。女の子は「かわいい」「一緒」「愛してる」です。

「もう解いちゃったの? 速いわね!」
「最後までできたなんて、かっこいい!」
「このかわいいページをがんばろう」
「一緒にやってみようか?」

など、効果的に取り入れてみてください。きっと、お子さんはハッピーな気持ちになるでしょう。

「一緒にやってみよう!」で、女の子はがんばります。

 

⑦ご褒美シールを効果的に使おう

 子どもはシールが好きですね。既存のドリルの多くにはシールがついています。1ページ終えるごとに、「がんばったね」「よくできました」と言ってシールを貼らせてあげましょう。先にシールを貼りたがる場合は、親御さんがシールの台紙だけ切り取って保管し、達成したら渡すようにしましょう。シールは、ご褒美です。お子さんに好きな絵柄を、選ばせてあげましょう。

 幼児のうちは、勉強の内容は、多少間違っていても問題ありません。とにかく最後まで、楽しんでできること、達成感を味わえるものにぜひ、チャレンジしてみてください!

大切なのは、達成感!

 

男の子と女の子の「脳」と「心」に合わせたドリル

「脳科学」「心理学」の知見を元に男の子が好むもの、女の子が好むものを多く取り入れたドリル。問題も、男の子の冒険心をくすぐるような言葉遣い、女の子がワクワクするような言葉遣いで構成しています。

 

諸富祥彦(もろとみよしひこ)
心理学監修 諸富祥彦
明治大学文学部教授。教育学博士。教育カウンセラー。1963年、福岡県出身。筑波大学大学院博士課程修了後、千葉大学教育学部助教授等を経て、現職に。「すべての子どもはこの世に生まれてきた意味がある」というメッセージをベースに、20年以上、さまざまな子育ての悩みを抱える親御さんに、具体的なアドバイスをし続けている。『男の子の育て方』『女の子の育て方』(ともにWAVE出版)など著書多数。
http://morotomi.net/