(小籔千豊)イマドキの男女関係に喝っ!! 小籔千豊さんが三島由紀夫を薦める理由

あの人と本の話 and more

更新日:2013/12/19

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、映画『FLY!~平凡なキセキ~』主演の小籔千豊さん。映画では非モテ男子の純情を演じきった小籔さん。振られることを恐れて告白できない小心さはよしとしないものの、それとは真反対のあまりに現金な昨今の男女関係には常々眉をひそめているそうだ。そんな小籔さんが惹かれた三島由紀夫の小説とは?

三島由紀夫の恋愛小説は
『潮騒』や『午後の曳航』などいくつか読みましたが、
一番好きなのは『永すぎた春』でした。

主人公の郁雄と百子は僕にとって
理想のカップルなんです。
そんな完璧な二人でも、
結婚を前にしてごたついてしまう。
それやのに、二人には到底およぶべくもない
イマドキの若者はどないや、
と思ってしまうんですよ。

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男は彼女に対する思いが希薄やし、
女もお金や地位で男を選ぼうとする。
それではあきません。
とにかく、これを読んで目を覚ませと思います。
郁雄と百子ですら幸せになれるかどうか危うかったのに、
僕らはもっとしっかりせんと幸せになられへんぞ、と。

僕としては、この本をみんなに薦めて、
現代の恋愛事情には警鐘を鳴らしまくろうと思っています。

(取材・文=門賀美央子 写真=下林彩子)

小籔千豊

こやぶ・かずとよ●1973年、大阪府出身。お笑い芸人、俳優。NSC大阪校第12期生としてお笑いコンビ「ビリジアン」で活躍後、01年に吉本新喜劇に入団、06年には座長に就任。山田洋次監督の映画に多数出演するなど、俳優としての評価も高い。茫洋とした容姿から発せられる鋭い舌鋒で高い人気を誇る。現在のレギュラー番組は『テレビで基礎英語』(NHK)、『バカソウル』(テレビ東京系列)、『BAZOOKA!!!』(BSスカパー!)など。

 

紙『八番筋カウンシル』

津村記久子/朝日新聞出版/1470円

小説家を目指し会社を辞めたタケヤス、家業を継ごうと考え始めたヨシズミ、家族から独立したいホカリの3人。彼らが子ども時代を過ごした八番筋商店街の近くに巨大モール建設の噂が流れ、商店街青年団の面々はそれぞれの思惑を抱え奔走する。それに巻き込まれる3人だが、転校していった同級生の訪れをきっかけに、子どもの頃の苦い思い出が蘇り……。人生の岐路を迎えた男女の生き方を描く文芸作品。

※小籔千豊さんの本にまつわる詳しいエピソードは
ダ・ヴィンチ4月号の巻頭記事『あの人と本の話』を要チェック!

 

映画『FLY!~平凡なキセキ~』

監督/近藤真広 出演/小籔千豊、相武紗季、温水洋一ほか 配給/よしもとクリエイティブ・エージェンシー 3月10日(土)よりシネマート新宿、シネマート六本木、シネマート心斎橋、コロナシネマワールドほかにて全国公開 ●工員として変化のない毎日を送る満男は、職場の同僚でシングルマザーの高崎ななみに恋しているが、高嶺の花である彼女にどうしても告白できない。そんなある日、ひょんなことから地球に不時着した宇宙人シカタを匿い始める満男。彼にも想い人がいることがわかって、二人の間に友情が芽生えていく。クスクス笑えてしんみりできる、大阪らしいヒューマン・ドラマ。
©朝日放送/吉本興業