お金の話をしない夫婦は損をしている! 夏休みはお金の話をするベストタイミング

暮らし

更新日:2018/7/12

■ゼロ地点からでも「貯蓄が増えていく」下地をつくることは可能!

 では、夫婦でお金の話をするときに、具体的にはどんなことについて話をすればいいのだろう? 風呂内さんが特別にダ・ヴィンチニュースの読者に向けて答えてくれた。

――お金を貯めるには、まず夫婦で話すことが一番大事だとわかりました。でも、そのスタート地点に立てていない夫婦は多いのですね?

風呂内亜矢さん(以下、風呂内):特に新婚の人は難しいみたいです。夫婦の片方がもともと住んでいた家に同居するようになったのに、先に住んでいた人がずーっとそのまま家賃を払っていた、なんていう事例もいくつか知っています。ただ、夫婦間で話してみると「ごめん、毎月払わせちゃってたね」と気づいて解決することが普通です。結婚して一緒に暮らすというタイミングで1度話し合えるといいですね。話をしないまま時間だけがすぎて、後々で切り出すタイミングを失った、という方も多くいらっしゃいますから。

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 ほかに、バリバリ働いてきた50代以上の夫が、専業主婦の妻に家計を任せっきりで実情を把握できていないというケースも時折ありますよ。でも、「やりくりする」ってとてもエネルギーが必要なことなんです。それなのに、そのことをわかっていない…と妻の怒りを呼ぶことも。できるだけ早いうちから、家計をやりくりする大切さを夫婦2人で分かち合っておくといいでしょう。

――お金の話をすることの大切さはわかりました。でも、具体的には最初にどんなことを話したらいいですか?

風呂内:これから生きていくのに、どのくらいお金がかかるのか。つまり貯蓄の必要額を決めたほうがいいです。それまで貯める習慣がなかった家庭にとって、毎月手取りから決まった割合の貯蓄を積み重ねるのはハードルが高いかもしれません。それなら、毎月必ず使う金額を計算して、収入との差額だけでも絶対に貯めるようにしましょう。それなら必ずできるはずですよね? たとえ5000円でもすぐスタートすることが肝心です。

■キャッシュレス決済やポイントカード活用で貯蓄を増やすことも可能。その方法は?

――今の時点で収入と支出が「赤字」の夫婦は…。何か一発逆転できるようなうまい話はありませんか…?

風呂内:そうですね…。ボーナス時にショッピングや余暇用途には使わず、赤字の補填に使って、「お金のサイクルを正常に戻す」というのを1度試していただくと、あとはうまく回るようになると思います。ボーナス時期に陥りやすいのは、欲しかったものを分割払いなどでポンと買うけれども、翌月には収支が赤字になってしまうパターン。言葉で言うのは簡単ですが、「お金が貯まってから→買う」という流れにしていく必要があります。

――なるほど! 普通の流れですが、そうすれば貯蓄できる体制も整えられますね。その上で、お金を増やしていく方法として「キャッシュレス化」と「ポイントカード活用」の話題を風呂内さんは挙げていらっしゃいますが…?

風呂内:クレジットカードやモバイル決済などを利用して「キャッシュレス化」すると、現金払いよりボーナスポイントを獲得しやすい。これが1つ目のメリットです。公共料金などの支払いにも使えますので、「年会費無料、還元率1%以上」のカードなら、それだけで年間何万円か得することになりますよ。

 普段のお買い物であまり意識しないけれど貯まっているポイント(Tポイント、Ponta、楽天ポイントなど)が、自分の場合はどの系列なのかを見定めてから、同じポイントが貯まるクレジットカードを選ぶという流れもおすすめです。

――ポイントの場合は、投資と違って元手がマイナスになることがないから、初心者でも安心してお金を増やすシステムを構築できますね。ただ、クレジットカードは「無駄にお金を使ってしまいそう」というマイナスイメージもあって…。

風呂内:フフ、使ってしまいがちですよね(笑)。そんなときは、「現金で買わないものは、カードでも買わない」と決めておくことが大事です。今はクレジットカード以外の支払い選択肢も増えているので、家賃や保険など毎月決まった引き落としをクレジットカードで、不定期なショッピング、たとえば“気持ちが揺れるような買い物”は、クレカよりもお金の流れがよく見えるプリペイドで、と決めておけば、使いすぎは抑えられると思いますよ。クレジットカードの枚数を絞って、お金の管理を見えやすくするというのもポイントです。

■スマホ決済についても、夫婦で話し合っておくことが必要?

――LINE Payなどのスマホを使ったモバイル決済も増えています。便利なのはいいのですが、夫婦で気をつける注意点はありますか?

風呂内:モバイル決済の場合は、QRコード決済とタッチ決済のどちらを使うのか、賢く選択するといいでしょう。スマホを定期的に買い替えて新モデルを使っている人はタッチ決済、1台のスマホを長く使う人はQRコード決済がやりやすいですね。でも、夫婦で何を話すかということだけじゃなくて、“定期的に”話し合うことも大切なんです。

――定期的に、とは、どのくらい…?

風呂内:月に1度とか、四半期に1度できればベストですが、それが難しい方は年に1度でも充分ですよ。昨年と今年の貯蓄残高を比較して「1年間で見ると黒字だったね」などの会話ができるといいと思います。励みにもなりますよね。

――そう思うと、夏はボーナスという収入の節目や、家族旅行や帰省といった大きな支出もあるので、これをきっかけに話をするのも良さそうですね?

風呂内:その通りです。お金の話は、時間が取れるお休みのタイミングでバーっと仕組みや大枠を作ってしまうのがおすすめなんです。お金との付き合い方は人それぞれありますが、毎日あれこれいろんな苦労をするような節約はいっそのことやめてしまって、「2人のルールづくりやシステム構築」にエネルギーを注ぐことが1度できれば、あとは楽になります。まとめて時間を取れる、まとめてお金が入ってくるという夏休みの時期は大チャンスですね。

取材・文=吉田有希

■風呂内亜矢さんの新刊『ほったらかしでもなぜか貯まる!』(主婦の友社)の内容は【こちらの記事】でも紹介しています