「元吉有希子」声優インタビュー&ミニグラビア【声優図鑑】

アニメ

公開日:2018/9/28

元吉有希子

 編集部が注目する声優に、仕事に向き合う気持ちからプライベートまでをじっくり伺い、撮り下ろしのミニグラビアを交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第200回となる今回は、女性声優7人組によるボーカルユニット・Kleissis(クレイ・シス)のメンバーとして活動する元吉有希子さんです。

――Kleissisは8月22日に1stシングル『Kleissis Chaos』をリリースし、これからの活動にも期待が高まっています。参加が決まったときの感想は?

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元吉:驚きました。それに、選んでいただいたっていう光栄な気持ちと、すでにアイドルや声優として活躍されている方の中で「私にできるかな」っていう不安と、いろんな気持ちがごちゃ混ぜになっていました。でも何より、頑張らなきゃっていう気持ちが大きかったです。

――400人のオーディションの中から選ばれたそうですね。最初に、このユニットに参加したいと思った理由は?

元吉:Kleissisだけの世界観や音楽を届けられるコンテンツにしたい、というコンセプトを聞いて、その熱い想いに共感しましたし、私は小さな頃から音楽や歌に特別な想いを抱いてきたので、私にもできることがあるかもしれない、と感じていました。選んでいただいたからには、これまで培ってきた技術を生かすことができたら、と思っています。

――担当キャラクターは橘ミオ。7人の中でどんな立ち位置になりそう?

元吉:ミオは7人の一番年上っていうこともあって、みんなを温かく見守って、包み込んであげられるようなキャラクターだと感じています。なかなか難しいことだと思いますけど、私もメンバーにとってそんな存在になっていきたいと思っています。

――Kleissisの楽曲の魅力とは?

元吉:歌詞に書かれているような、深い世界観のあるメッセージだと思います。その世界観を一人一人が一度飲み込んでから爆発させて表現しているのが『Kleissis Chaos』。それぞれ個性的なのに決してぶつかり合うことなく、一つの楽曲として成り立っていることに感動しました。これがKleissisの大きな可能性なのかな、と。これからもっと、一つの枠にとらわれない、幅広い音楽をお届けできたらなと思います!

――ボーカルユニットというだけあって、歌声の力強さを感じずにはいられない楽曲ですね。

元吉:そうだと思います。声って人間にとって大きな魅力の一つで、声を歌に乗せることによって深い魅力が生まれると思うんです。キャラクターの可愛らしさや楽曲の良さはもちろん、聴いてくださる方の心を揺さぶるような歌声をお届けできればと思います。

――7人が紡ぎ出す歌声、これからも楽しみにしています! 元吉さんはアミューズメントメディア総合学院を卒業して、2017年から声優活動をスタートさせています。声優になりたいと思ったきっかけは?

元吉:中学生の時に、友だちから漫画を借りたのをきっかけにアニメを見るようになって。一度面白いと思ったものはできるだけ深く知りたいほうで、その頃に放送されていた深夜アニメをほぼ全部録画して週末にまとめて見る…っていう生活をいきなり始めたんですね(笑)。声優さんが別の作品にも出ていたり、男の子を演じていた方がすごく大人っぽい女性や幼い女の子を同時に演じていたりして。「お芝居ってこんなにいろんなことができるんだと」思ったら、すぐに憧れに変わりました。

――その中でも印象深いアニメ作品は?

元吉:アニメに入り込むきっかけになったのは『涼宮ハルヒの憂鬱』ですね。ハルヒ役の平野綾さんのお芝居がすごく好きで、見た目も素敵で、歌声も力強くて…すごいなと感じました。

――専門学校に入る前に、東京藝術大学卒業という経歴をお持ちですね。

元吉:じつは、大学に入る前は、声優になることを諦めようと思っていたんです。でも、大学に通っている時も、「本当は何がしたいんだろうなあ」と考えていて。やっぱり声優になることをあきらめきれずに、声優の門を叩きました。ですが、進学して得たものはものすごく大きかったと思っています。

――音楽学部楽理科ってどんなことを学ぶところ?

元吉:世界中の音楽を、歴史や理論などを通して研究する学科です。一つのことを深く掘り下げて研究したことが、今の私を形作るすごく大きな要素になりました。たくさんの音楽に触れると、当然だと思っていたことが別の方向から見れば常識ではなかったりして、一つの物事をいろんな角度から俯瞰で見る方法とか、その大切さを知ることができたんですよね。役者としても、いろんな登場人物の立場から台本を読む考え方とか、色々な面につながっているのかなと思います。声は音なので、音楽とのつながりも大きいですし。

――小さい時はどんな風に音楽に触れていましたか?

元吉:4歳の頃からバイオリンを習ってました。お母さんがバイオリンを演奏しているのを聴いて、私もやってみたいって言ったそうです。バイオリニストを目指していた時期もあったんですよ。

――プライベートでも音楽を聴くのは好き?

元吉:そうですね。海外アーティストをよく聴いていて、一番好きなのはMUSEとレディオヘッド。最近はBECKとか、崎山蒼志くんにもはまってます。Kleissisのレコーディングの時に、ディレクターさんと音楽談義をするのが恒例になりつつありますね(笑)。

――楽しそうです(笑)。ロック系が好きなんですか。

元吉:高校生の時に本当にいろんな音楽を聴いて…あの頃はすごい熱意だったなあ(笑)。いろんな音楽を聴いていると、私の知らない音楽がたくさんあって、私が今まで見てきたものなんて本当にわずかなことなんだな〜って。それもあって、大学で音楽を学びたいな、と思ったんです。

――それで進学を決めたのですね。他に、プライベートでハマっていることは?

元吉:ガンプラです! 昨年、『ガンプラビルダーズTV』っていう配信番組に半年間ほど出させていただいてから、趣味で続けていて。まだまだ勉強中ですが、ツイッターでもちょこちょこあげています。一番好きなのは、菊池成孔さんが音楽を手がけている『機動戦士ガンダム サンダーボルト』で、フルアーマーガンダムが好きです。(笑)

――まったく違うジャンルに見えて、じつは音楽つながりなんですね(笑)。では、これからどんな声優になっていきたいですか?

元吉:みなさんの「日常の声」になることが一番の目標です。ジャンルでいうと、ナレーターさんですね。毎朝、名前は知らないけど同じ人の声が聴こえてきて朝が始まるとか、毎週日曜に家族で見ている番組で必ずその人の声が聞こえてくるとか、みなさんの日常に寄り添えるような存在になりたいです。私は、どちらかというと職人気質だと思っていて...。声優として、声の職人として、自分の技術をしっかり磨いていきたいです。

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

元吉:普段考えていることを言葉にできる機会はなかなかないので、お話しできて嬉しかったです。元吉って意外とこんなこと考えてるんだ…っていう一面を、少しでも感じてもらえたら嬉しいなあと思います。これから、みなさんの日常に寄り添えるような声を、Kleissisとしては心を震わせられるような歌を、魂を磨きながら表現して、お届けしていきたい。そんな気持ちです。ここでお伝えしたことを、みなさんに肌で感じていただけるように頑張ります。よろしくお願いします。

【声優図鑑】元吉有希子さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

元吉有希子

元吉有希子(もとよし ゆきこ) 青二プロダクション所属

元吉有希子(もとよし ゆきこ) Twitter

◆撮影協力

取材・文=吉田有希、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト