ミムラ「所有欲のあまりない私が『この絵は欲しい!』と思った理由」

あの人と本の話 and more

2011/9/6

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、映画『天国からのエール』で、地元の若者に夢を与えるため懸命に生きた仲宗根陽という人物の妻役を演じたミムラさん。一途な生き方をする人にとても惹かれるという彼女が、最近特に注目している画家について話してくれた。

ミムラさんは子どもの頃から絵を描くのが好きだった。

「誰かに絵を描いて見せて、喜んでもらうとう無性にうれしかったんです」

そんな経験もあり、今でも美術には高い関心を持っているが、最近知った画家・田中一村の場合は、絵画だけでなく、自分の絵を追い求めた生き方そのものにも心惹かれたという。

「私はあまり所有欲がないのですけど、一村の絵は自分の部屋にも飾りたいぐらい、好きなんです。一村は時期ごとに作風が全く異なる。きっと、その時々の自分を信じて絵を描いていたんでしょうね。存命中は評価されませんでしたが、それでも『心のままに描く楽しさ』を優先した人だったように思えます。そんな人の絵だから、これほど惹かれるのでしょう」

(取材・文=門賀美央子/写真=鈴木慶子)

ヘアメイク=小森真樹 スタイリング=小倉由香(Commune Ltd.,) 衣装協力=ワンピース7万2450円(リチャード チャイ ラブ/ラタンセブン TEL03-3770-7177)、ネックレス2万7300円(WOUTERS&HENDRIX アッシュ・ペー・フランス TEL03-5778-2022)、ブレス3万7800円(DANIELA DE MARCHI/アッシュ・ペー・フランス TEL03-5778-2022)ベルト/スタイリスト私物

ミムラ

みむら●1984年、埼玉県生まれ。2003年にテレビドラマ『ビギナー』で女優デビュー。テレビドラマやCM出演で活躍するほか、映画も『海猫』『着信アリ2』『この胸いっぱいの愛を』『サイドカーに犬』『落語娘』など話題作に多数出演。今年は大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』やBS朝日の連続ドラマ『家族法廷』などでも活躍。著書に『ミムラの絵本散歩』『ミムラの絵本日和』。

紙『田中一村作品集[新版]』

田中一村 中野惇夫、大矢鞆音/解説 NHK出版/編 NHK出版 2940円

奄美大島の豊かな自然を、伝統的な花鳥画に収まらない大胆な構図で描き上げ、独自の画風を生み出した田中一村。しかし、その生涯は不遇で、没後に再評価を受けるまでは無名の存在だった。この画集では、奄美時代の絵はもちろん、彼のルーツである南画や日本画のほか、一村の発見者となった新聞記者のエッセイ、作品リスト、年譜などを収録。一冊で一村の全体像をつかめる構成になっている。

※ミムラさんの本にまつわる詳しいエピソードはダ・ヴィンチ10月号の巻頭記事『あの人と本の話』を要チェック!

映画『天国からのエール』

原案/『僕らの歌は弁当屋で生まれた・YELL』(リンダパブリッシャーズ) 監督/熊澤誓人 出演/阿部寛、ミムラ、桜庭ななみ、矢野聖人、森崎ウィン、野村周平 配給/アスミック・エース 10月1日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー 
●バンドの練習場所に困る高校生たちのために、弁当屋を営む大城陽が自腹で建設した音楽スタジオ。夢を追いかけることの大切さを子どもたちに伝えようと献身的に活動する彼を、多くの若者が慕い、プロデビューを目指すバンドも出てきた。そんな矢先、病魔が陽を襲い……。沖縄の小さな弁当屋で生まれた、奇跡の実話を映画化。

(c)2011『天国からのエール』製作委員会