デリケートゾーンのにおい、洗い方大丈夫? 正しいケアの仕方をレクチャー

健康・美容

2018/11/24

 子どものころに「バイキンが入るから触っちゃダメ!」と言われて以来、デリケートゾーンは未知の領域と思っている人も少なくないのではないでしょうか。自分のからだのことなのに、正しいケアを学ばないまま、なんとなく自己流ケア、または放置していませんか?

 ハーブなどの「自然ぐすり」を使い、自然治癒力を高めることをすすめている、植物療法士の南上夕佳さん。妊娠を望む女性、妊娠中の女性のからだのケアを提案する立場から「デリケートゾーンはもっとも大切な場所なのに、ケア方法を知らない女性が多すぎます」と話します。著書『自然ぐすり生活』(ワニブックス)中でも紹介しているデリケートゾーンのケアについて、大人の女性が今さら聞けない疑問に答えていただきました。

Q1.「清潔にしなきゃ」と思い、お風呂でからだを洗うとき、一緒にデリケートゾーンも念入りに洗っています。洗い方は合っていますか?

南上夕佳さん(以下、南上):デリケートゾーンは専用のソープで洗うことをおすすめしています。お肌が弱いということもありますが、膣には本来、雑菌やウイルスをやっつけるための「自浄作用」が備わっていて、その免疫システムを守るために専用のソープで洗うことが大切です。

 健康な膣の中はおよそ3.8~4.5の弱酸性のpH(ペーハー)が保たれていますが、アルカリ性のボディーソープや石鹸を使って洗ってしまうと、膣のpHがどんどん中性に傾いてしまうんです。そうすると、膣の中で雑菌やウイルスと戦うデーデルライン桿菌が死滅してしまい免疫が落ちて、ちょっとした疲れや寝不足で膣がかゆくなったり、膀胱炎になったりすることも。その点、専用のソープはpHが調整されているので安心。デリケートゾーンが清潔なら雑菌が繁殖しにくくなるので、おりものが減り、においも気にならなくなりますよ。

デリケートゾーン専用のソープやジェル、クリームは、生理中に使ってもOK。「左のシートは、トイレのティッシュの代わりに使うウェットシートのようなもの。保湿もしつつ、においもおさえてくれるので、ふだんはもちろん、生理中に使うと特にさっぱりして気持ちがいいですよ」

Q2.具体的にどのようにデリケートゾーンを洗えばよいのでしょうか?

南上:専用のソープをたっぷりと泡立てて、タオルやスポンジではなく自分の手指を使って。部位がわからない人は、股の下に小さな鏡を置いて自分の目で確認しながら、大陰唇や小陰唇、ヒダの間もひとつひとつ広げて触って洗います。毛が生えている手前から膣の入り口、会陰、お尻の穴にかけて、ゆっくりと手で優しく触って。

「アカは溜まっていないかな?」「こんな形になっているんだなぁ」「最近肌がモチモチしてきたかな?」など、触って、目で見て、洗ってください。膣は実際に鏡で見るとギョっとされる方も多いですが、まずは向き合って、知って、実際に触ってみることが大切ですね。お風呂から上がったら、デリケートゾーン専用のジェルやクリームを塗って保湿を。デイリーケアはこれで完了です。

 デリケートゾーンの大切さをお伝えしてきましたが、実は膣のケアも重要です。顔の皮膚と一緒で、放っておくと加齢とともに乾燥してしまうんですよ。

Q3.膣のケアはどのようにしたらよいのでしょうか?

 膣のケアにはオイルを使った膣マッサージがおすすめです。マッサージ効果で膣内の血流がよくなることで、子宮や卵巣も温まり活性化しやすくなります。さらに、体全体の血行もよくなるので、顔色が明るくなったり、化粧ののりも変わったりしてくるんです。また、膣内の粘液が正常に出てくることで、性交痛の軽減にもつながりますよ。

 マッサージに使うオイルは、必ず天然の植物性オイルを使用しましょう。合成の石油系オイルは避けるようにしてください。タイミングはお風呂上りの体が温まっているときがおすすめです。オイルを塗布した指をゆっくりと膣内に入れて優しく触ります。座ってリラックスしながら行うのがおすすめ。

「種子油オイルといって、スイートアーモンドや、特にアプリコットは、粘膜との親和性がよく、吸収が早いので、デリケートゾーンと相性がいいです」

Q4.デリケートゾーンのにおいが気になります。どうやってケアすればいいか教えてください。

南上:においの原因は雑菌が繁殖すること。とても不衛生な状態なので、放っておくと、かゆみや膣炎、膀胱炎などの不調につながっていくことも考えられるため、早めに対処を。どうしてもにおいやすい場所ではあるので、完全に無臭にするのは難しいのですが、毛の処理をしたり、通気性のいい素材のショーツに替えたりするだけでも雑菌の繁殖を軽減できます。きちんとケアをすると、ふだんも、生理中のにおいもだいぶ変わってきますよ。雑菌が減れば、おりものも減っていきます。

Q5.妊娠中の場合、デリケートゾーンのケアの仕方を変えた方がいいですか?

南上:妊娠中はおりものが出やすいので、むしろ、いつも通り専用のソープで洗って、きちんと保湿をしてあげると、清潔が保たれていいと思います。膣内マッサージは控えましょう。その代わり、妊娠32週目を迎えたら、会陰部分のマッサージをすると、会陰切開(※)をせずに済んだり、切開をしても治りが早くなったりするので、おすすめしています。

※出産時、膣口の裂傷を防ぐ目的であらかじめ会陰を切開し、膣口を広げておくこと。

Q6.会陰マッサージの仕方を教えてください。

南上:マッサージで、膣口を広げてあげるイメージです。毎日、膣の入り口の縁とそのまわりの会陰部分を、オイルで優しくマッサージしてあげましょう。たっぷりのオイルを使うのがコツです。お風呂の中で手がふやけると、梅干しみたいにシワシワになるじゃないですか? あれが起こるくらい、ヒタヒタにオイルを使うのが理想的。

 お腹が大きくなってきて、自分で触るのが難しくなってきたら、コットンパックでも大丈夫です。コットンをオイルでヒタヒタに湿らせて、ナプキンの上にコットンを置いて、ショーツをはいて一晩寝ます。起きた時には、デリケートゾーンがふかふかになっていますよ。オーガニックコットンのナプキンなら、直接ナプキンにオイルを垂らしてもOKです。

 オイルは陣痛と陣痛の間にも塗ってくださいね。直前まで塗ったことで、切らなくて済んだ人を何人も知っています。

■忙しい現代女性こそ、意識してからだのケアに目を向けて

南上:現代の日本女性は本当に忙しくて、家族や仕事を優先して自分のことを後回しにしがちですよね。今回はデリケートゾーンのケアについてご紹介しましたが、本書では「自然ぐすり」を使ったちょっとした不調のケアや美容へのアプローチについてもご紹介しています。ハーブティーやアロマなど気軽に取り入れられるものもあるので、そこからはじめて、自分のからだの調子に耳を傾け、きちんとケアしてあげることで、自分が女性である喜びや、自分が満たされていくという感覚を知っていただければうれしく思います。

取材・文=箕浦 梢