「米内佑希」声優インタビュー&ミニグラビア【声優図鑑】

アニメ

公開日:2019/1/25

米内佑希

編集部が注目する声優に、仕事に向き合う気持ちからプライベートまでをじっくり伺い、撮り下ろしのミニグラビアを交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。
第210回となる今回は、2016年にテレビアニメ『チア男子!!』の坂東晴希役で初主演を務め、『謎新聞ミライタイムズ』のトキオ役、『あんさんぶるスターズ!』の仁兎なずな役などを演じている米内佑希さんです。

――81プロデュースに所属する前は、東京メディアアカデミーに通っていましたね。声優を目指したのはいつ頃から?

米内:初めて意識したのは高校3年の時です。声優の専門学校に行こうとしている同級生を見て、試しに自分も体験入学をしたらインスピレーションを受けて。でも今思えば、中学生の時に芸能事務所のオーディションで合格させていただいたことがあって、地元の秋田から通うのは無理でしたけど、人前で何かをすることに興味があったのかも。

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――声優というより芸能界に興味があったと。

米内:もともとは、芸能事務所を受ける前にテレビ番組でモノマネを見て、興味を持っていたんですよ。そのモノマネっていうのが山寺宏一さんで。

――ああ、なるほど。

米内:専門学校は、週5〜6日のバイトで学費を稼ぎながら頑張っていました。毎朝6時に起きて、23時までバイトして、24時か25時には寝るっていう規則正しい生活を送ってましたね。

――どんなバイトを?

米内:飲食店のバイトです。最初は富山湾の海の幸を出すお店。一人暮らししているとまかないってありがたいじゃないですか。生の魚は苦手だったのに、新鮮な魚が美味しくて食べられるようになりました。その後は新しくできたビストロに。お店の常連だった隣のスナックのママさんから「うちも手伝ってよ」と言われて、スナックで働いたこともあるんですよ。最初に勤めていたお店の女将さんとスナックのママには、今でも毎年、母の日にお花を持っていくようにしています。お2人のおかげで東京に居場所ができて…。そうじゃなかったら、あの2年間でつぶれてただろうな(笑)。

――そのおかげで、声優の勉強にも精力的に取り組めたというか。

米内:そうですね。かなり真面目ちゃんだったと思うので、サボりたいと思ってもサボれずに(笑)。

――何事にも全力で打ち込むタイプ。今も変わらずですか?

米内:基本は変わらないです。特にお仕事に関しては、できるだけ妥協したくないですし。人前でステージに立つのであればキャラクターに寄り添いたいと思いますし。

――声優を目指していた頃の具体的な目標は?

米内:初めて経験するお芝居が本当に楽しくて、どういう声優になりたいというより、とにかくもっとうまくなりたかったです。何でもできるようになりたいって思ってました。高い声はよく出る方だからしっかり使いたいし、低い声も出ないわけではないから、最低限は出せるようになれていたらのちのち何かあった時に使えるだろう、とか。モノマネもいい勉強になるんですよ。人がしていることを自分がやったら、自分だけでは見つけられなかった引き出しが増えていくから。

――それは、今でいうと、実力のある先輩たちの背中を見て学ぶ感じ?

米内:そうですね。収録って待っている時間のほうが長いですし、人を観察するのも好きなので。先輩とか他の方のお芝居を、自分だったらどうするかって考えながら見るんですけど、そんなに簡単ではないんですよ。だから、そこで一つ課題ができる。その繰り返しで身につくものは大きいと思っていて。

――声優の仕事を通して人に楽しんでもらうことも好きですか?

米内:振り返ってみると、そうですね。幼稚園で「人のことはいいから自分のことを気にしなさい」って言われたくらい、誰かに何かをして喜んでもらった時の嬉しさは、その頃から知っていたのかも。小学校の頃には放送委員会に入って、そこで人前で喋ることの楽しさを覚えたというか。

――すごくいろんなことを考えていらっしゃるので頭脳派かと思いきや、スポーツも万能ですね。

米内:小学校の頃は野球、バスケットボール、水泳をやってました。今でも友だちとフットサルをしたり、野球をしたり。この前はテニスも。体を動かすのは好きですね。自分でいうのはなんですが、なんとなくはできるんですよ。勉強も運動も。でもその先はやる気がないと伸びない。飽き性なんですよね。そういう意味で、声優という仕事をここまで続けられているのは自分の気性に合ってるんだなって思います。

――なんでもできちゃう。となると、米内さんの弱点はあまりなさそうですね!?

米内:いえいえ、全部中途半端なんで、それが弱点です。器用貧乏になりやすいって言われたこともありますけど貧乏にはなりたくないんで、器用をたくさん増やして“器用贅沢”になりたいです(笑)。

――プライベートの時間で楽しみにしていることは?

米内:食べることは好きです。美味しいものが好きなので。震災があってからは生産者さんのことを考えるようになって、野菜でもお肉でもありがたいなって思うようになりました。外に食べに行くなら、高いものを食べてイエーイというより、安くても美味しいものを食べてほっこり、というタイプ。僕の味覚にあう食べ物はどこにあるかなって、いつも探し歩いてます。

――おひとりでも食べ歩きを?

米内:ひとりでも、たまに。でも、誰かと一緒に行くことが多いです。ひとりなら、家で食べたいものを作れますからね。

――料理は飲食店でのバイト経験が生かされそうですね。

米内:バイトはホール担当だったんですよ、接客が好きだったので。

――接客が好き?

米内:はい。トークが好きなので、お客さんとの距離を縮めながら、お店のオススメだけでなく自分のオススメも伝えるようにしていて。結果、ミステリーショッパーの評価が高かったので、お店の人には重宝された気がします(笑)。自然に一言足すっていうのが良かったのかも。

――となると、料理は独学で?

米内:厨房を覗きに行って、「その料理、作ってみたいんですけどどうやって作るんですか?」と板さんと話すことはよくありました。母親に聞くこともありますし。今の時期は鍋が美味しいので、白菜と豚肉のミルフィーユ鍋をよく作ります。キノコ類、豆腐、ネギも加えてヘルシーに。炭水化物を食べなくてもお腹いっぱいになります。じつは今、1月のステージに向けて体を絞っているんですよ。

――1月のステージというと、「あんさんぶるスターズ!」の。

米内:そうです。仁兎なずなのいるRa*bitsが初めてステージに立つので、なずな役として見た目もシュッとしていたほうがいいと思って。自分だけではなかなかやる気が出ないので、パーソナルトレーナーさんにお願いしています。週2回のトレーニングで、2ヶ月で8キロ減らすのが目標。とびっきり可愛い歌とダンスを披露したいと思うので……ステージで何が飛び出すのかお楽しみに。

――当日が楽しみですね! ビジュアルを寄せると演じる上でも意識の違いが?

米内:中身が伴うには、外側から寄せていくのが助けになることもありますね。今日も朗読劇のイベントに向けてすっごく久々に髪の毛を暗くしてるんですけど。

――なるほど。ダイエットをしている人に、米内さんから美味しくてカロリーの少ない料理をオススメするとしたら?

米内:どういうダイエットをするかですけど、やっぱり糖質を制限すると痩せます。糖質って依存性があるみたいで、一度食べ始めるとどんどん食べたくなっちゃう。でも、やめたくないのであれば、ある程度食べて最低限の筋肉をつけることだと思います。代謝が増えると痩せやすい体になるので。どう筋肉をつけるかというと運動ですよね。僕も始めるまでは億劫でしたけど、体が変わってくると面白くなってきました。

運動して、食べるならお肉! 鶏胸肉やササミはカロリーが少ないので、蒸し鶏にして食べるといいですよ。皮を剥いで半分くらいに切ったら、塩胡椒をまぶし、ビニール袋に入れて沸騰したお湯に入れたら、火を止めてお湯が冷めるまで待つ。食べる直前に1分くらいチンすれば、できあがり。低温で蒸すからフワッと柔らかくて、簡単ヘルシーおいしい! これ、何にでも合うんですよ、サラダしてもいいし、好みに合わせて梅とかマヨネーズを合わせてもいいですし。

――まさに3拍子そろった料理、ありがとうございます! 米内さんといえば、謎解きが好きなことでも知られています。

米内:『謎新聞ミライタイムズ』のトキオ役を演じてからですね。クイズ番組に出たいなって思うくらい好きですけど、そこまで勉強はしていないので。知識というより、ひらめきで解ける問題なら負けない自信があります。周りにも猛者はたくさんいますけど(笑)。

――謎を解くコツは?

米内:パターンがあるので、それを見つければ解ける謎もあります。謎って勉強と同じだと思うんですよ。基礎問題をマスターすれば60点は取れる。僕、高校が中高一貫校で、英会話部の部長として放課後に1〜2時間、英検受験の対策で中学生を教えていたことがあって。声優にならなかったら先生になるつもりだったんですよ。

――そうなんですか?

米内:教育系の大学に行くつもりで。今でもいつかは声優の講師をやりたいっていう目標があって、どうやって教えようかと授業内容を練っている最中です。

――声優業のほうは?

米内:もちろん続けたいです。現役でやっている人の話のほうが説得力があると思うし、教わるほうも意欲が湧くと思うので。

――いずれは、先生としても活躍する声優に。これからの活動が楽しみです。

米内:まだ若輩者ですが、まずは役者に認められる役者として、この人とお芝居したいって思われる役者になって、ゆくゆくは芝居を続けながら後輩をしっかり見てあげられる先輩になりたい。作品を通じて知ってもらうことが声優だと思っているので、いろんな作品に顔を出して、キャラクターを愛してもらった上で、米内はいい芝居をするねって思ってもらえたら。初心を忘れず、1つずつこなしていくことで認めてくれる人が少しずつ増えたらいいなと思います。

【声優図鑑】米内佑希さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

米内佑希

米内佑希(よない ゆうき) 81プロデュース所属

米内佑希(よない ゆうき) Twitter

◆撮影協力

取材・文=吉田有希、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト