デリケートゾーンのかゆみやおりものの異常…原因は性交経験がなくても起こる「カンジダ膣炎」かも

健康・美容

更新日:2020/4/26

 女性特有のからだの不調やトラブルで悩んでいませんか。「お医者さんに行くほどではない…」「デリケートなことなので人には聞きにくい…」そんな体の悩みを、All Aboutガイドであり、ポートサイド女性総合クリニック・ビバリータ院長の清水なほみ先生に聞きました。自分のからだと向き合い、健やかに過ごす手助けとなってくれることでしょう。

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 カンジダ膣炎は、おりものの異常や外陰部のかゆみの原因として最も多いものです。「膣カンジダ」「膣カンジダ症」と呼ばれることもあります。カンジダという真菌(カビ)が外陰部や膣内で増えることによって炎症を引き起こした状態です。よく性感染症と間違われたりすることもありますが、性交経験がない若い方がかかることもあります。カンジダそのものは皮膚の表面などにいてもおかしくない雑菌の一種で、膣の構造上紛れ込んでしまうことは珍しくありません。弱い菌なので、カンジダが皮膚や膣内に付着しただけでは症状を引き起こすことはなく、洗い流されたり膣内の「自浄作用」によって排出されるので問題になることはありません。

 カンジダが炎症を引き起こすのは、何らかの原因で皮膚表面や膣内の免疫力が落ちて、カンジダの増殖を抑えきれなくなり、カンジダが増えすぎてしまった時です。膣内でカンジダが増えると「カンジダ膣炎」になりますし、皮膚表面で悪さをすると「カンジダ外陰炎」になります。両者は同時に起きることがほとんどなので、通常は皮膚に対する治療と膣内の症状に対する治療を同時に行います。

カンジダ膣炎の症状・・・
ぽそぽそした塊状のおりものが増える、おりものが白~薄緑色になる、膣内の腫れぼったい感じやかゆみ・灼熱感などが出る

カンジダ外陰炎の症状・・・
外陰部の強いかゆみ、ひどくなると灼熱感やひりひりする感じが出る

 カンジダは、体内の免疫力が落ちた時に増殖しますが、カンジダが増えやすくなるのは次のような時です。これらがすべて、カンジダ膣炎・外陰炎の原因となります。

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*何らかの体調不良で十分な栄養・睡眠がとれない時
*極端に冷えた時
*過労で十分な栄養・睡眠がとれない時
*ステロイド剤を使った時(飲み薬・塗り薬どちらでも)
*外陰部が蒸れた時
*タンポンを入れたままにしたりナプキンを長時間つけたままにした時
*抗生剤を服用した時
*糖尿病のコントロールが悪い時

 カンジダ膣炎・外陰炎を予防するためには、上記のような状態にならないようにすることです。十分な栄養・睡眠をとって、体を適度に温め、免疫力を落とす病気になったり薬を使用することを極力避けること。タンポンやナプキンはこまめに変えて、蒸れやすいガードルなどは常用しないこと、などが自分でできるカンジダ予防です。

 カンジダの治療は、膣剤を入れる・軟膏を塗る・抗真菌薬を飲む、といった方法があります。以前は膣剤だけで治療していましたが、飲み薬が新たに認可されたので、膣剤がうまく入れられない人や、何度もカンジダを繰り返す場合などには、飲み薬を使う場合もあります。ひどくなると皮膚の炎症が強くなり、治療に時間がかかってしまう場合もあるので、症状が3日以上続く場合は早めに婦人科を受診することをおすすめします。また、以前カンジダにかかって、再発を繰り返している場合は、市販薬で治療することもできます。

 カンジダ膣炎は性行為の経験がなくても起きることがある、ポピュラーな感染症です。気になる症状がある場合は、早めに婦人科で診断を受けて、適切な治療を受けるようにしましょう。

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