【ひとめ惚れ大賞】巨大なパラダイムシフトが起きている今、デザイナーの仕事とは『アイデア特別編集 good design company 1998-2018』水野学インタビュー

ビジネス

2019/3/8


    『アイデア特別編集 good design company 1998-2018』

    水野学 アイデア編集部:編
    デザイン:LABORATORIES(加藤賢策、岸田紘之)
    編集:西まどか、坂部ひとみ
    編集協力:good design company、デザインノート編集部、原田優輝、永岡綾、木村早苗、重藤貴志、杉瀬由希
    誠文堂新光社 2800円(税別)

good design companyは2018年で20周年を迎え、そのタイミングに開催した展覧会にあわせて、この本を作って頂きました。

ぼくが会社を興した1998年はインターネットの普及期でもあって、様々なパラダイムシフトが起きはじめた時代でした。あの頃からはじまった変化は、大航海時代やルネサンスに匹敵する、きわめて大きいものだと思います。さらにこの数年はSNSによってこれまで発信してこなかった人たちも表に出てくるようになり、かなりのスピードで多様化が進んでいると感じます。マイノリティのマジョリティ化、といいましょうか。渦中にいると事の大きさは感じにくいのですけどね。

そんな時代において、デザイナーの仕事にもそれまでと同じじゃいけない。大きな変化を求められていると思ったんです。ただモノをデザインするだけではなく、デザインの向こう側にあるものを見据えるというか。あれこれ模索してぼくが到達したのは〈ブランディングデザイン〉でした。最近は一般的な言葉になりましたが、当時検索したら2〜3件しか出てこなかったので、広めてしまったと言えるかも……(笑)。

経営学の本などでよく「経営にはヒト、モノ、カネが必要」と書いてありますが、ここにデザインの視点が絶対に必要なんです。今、そういったブランディングや経営にコミットできるデザイナーが決定的に不足している。デザインの意味が大きく変わったこの時代にこの本を出版するのは多少の意味があると思います。後に続く人たちに役立つ資料になるから。20年間に携わらせて頂いた仕事はかなりのボリュームなので、スタッフの皆さんはさぞかし大変だったことと思いますが、巧みにまとめてくださり感謝しています。これからの時代をつくる人たちにとって、なんらかのヒントになってくれることを祈ります。

|| お話を訊いた人 ||

水野学さん クリエイティブディレクター/クリエイティブコンサルタント。good design company代表、1996年、多摩美術大学デザイン学科グラフィックデザイン専攻卒業。熊本県「くまモン」、中川政七商店、茅乃舎、東京ミッドタウンなど、多岐にわたる領域のブランディングに携わる。

取材・文/田中裕 写真/首藤幹夫