無料アプリから人気に火がついたシュールな脱力系コミック

新刊著者インタビュー

更新日:2012/11/1


(c)IPPO MORIYAMA

無料アプリで注目を集めて
書籍化されるパターンが広まるきっかけになれば

 神出鬼没のめめたんには、刑事の世界以外でも会うことができる。『歴史魂』という雑誌の連載では「タイムパトロールめめたろう侍」として、『月刊ボディビルディング』では「筋肉児童マッスルめめたん」として活躍中。今後の展開も楽しみだ。

「めめたんはどんな世界にも合うと思うので、学園ものとかマスコミものとか、いろいろやってみたいですね。書籍ではじめてめめたんを知った読者が、アプリにも来てもらえると嬉しいです。無料アプリでまずはプロモーションして注目してもらって、書籍を出すという流れも、あまり前例がないと思うので、真似する人がどんどん増えて活性化してくれるといいんですけど。ネットの場合、読者の感想がダイレクトに返ってくるだけに厳しく評価されることもあるので、それが怖い人には向いていないかもしれません。アプリ内広告表示回数が月200〜300万回くらいになると、それなりの収益が見込めるので、そこをひとつの目標にするといいと思います」 

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 森山さんは無料アプリの広告収益を生活の糧にしているため、誰に縛られることもなく自由に創作している。クリエイターにとってはひとつの理想のスタイルだろう。そこに辿り着くまでが難しいのだが、漫画家を目指す人にとって新しい成功モデルとなったのは間違いない。

取材・文=樺山美夏 写真=下林彩子

紙『こども刑事 めめたん』

森山一保 / 角川書店 / 987円

おしゃぶりくわえた世界一キュートなこども刑事めめたんが、大人顔負けの才能とキャラクターで大活躍。ラジオ体操と食べることと変装が大好きな神出鬼没のめめたんに、仲間もライバルも犯人までもが振り回されっぱなし。触りたくなるような丸みあるロンパース姿で、20〜30代の女性たちの心をわしづかみにした無料アプリ人気4コマ漫画初の書籍化。描き下ろし作品多数収録。