2期放送直前ファネッフー!『ハイスコアガールⅡ』天﨑滉平(ハルオ役)×安元洋貴(ガイルさん役)特別対談!

マンガ・アニメ

2019/10/12

10月4日(金)25:05より、TOKYO MXほかにてアニメ『ハイスコアガール』ROUND 13~15 TV初放送
10月25日(金)25:05より毎週金曜、TOKYO MXほかにてROUND16~放送

 TVアニメ『ハイスコアガール』が帰ってきた! ファネッフー! ということで(?)、ROUND14放送直後にお届けするのは、ゲームにまっすぐでピュアで鈍感で、しかしこの上なく愛すべき存在である主人公・ハルオ役の天﨑滉平と、劇中のハルオのように青春時代にゲーセンに通っていたというガイルさん役・安元洋貴の対談インタビューだ。ハルオが立ち止まってしまいそうなとき、ふと現れて前に進むきっかけを与えくれるガイルさん。彼らを演じるふたりは、『ハイスコアガール』に描かれているものに、何を見ているのか? 作品との出会いから推しキャラクター、ふたりが思う「ガイルさん論」まで、幅広いテーマで語り合ってもらった。

「わかってくれるヤツ、いるよな!?」っていう押切さんの叫びに、みんなが反応した感じ(安元)

――およそ1年ぶりにTVアニメとして放送される『ハイスコアガール』ですが、2期の収録にはどのような思いで臨んでいますか。

天﨑滉平:1期でやり切ることはできたんですけども、やっぱり『続きがやりたいなあ』という気持ちがあって。2期のお話をいただいたときは、物語の最後までキャラクターを演じられることはなかなかないので、「ハルオを演じ切ることができれば」と思って、気合いを入れて臨みました。

安元洋貴:1期のTV放送の終わり方が、あえてこの言葉を使いますが、とても中途半端で……(笑)。

――(笑)。

安元:作り手の方々が、ちゃんと2期でやり切るプランを作ってくださっていたので、安心しつつ、僕は原作を読んでいるもんですから、「ヤベえ。2期、めっちゃしゃべるじゃん」と気合いを入れ直した次第です。

――おふたりの『ハイスコアガール』との出会いはどういうものだったんですか?

安元:僕は、原作の押切蓮介さんとほぼ同い年で、行ってたゲーセンも一緒だったんですよ。(世田谷区)奥沢の太平洋っていう10円ゲーセンがあったんですけど、「ヤンキーにおびえながら行ってた」とか、僕の実体験がこのマンガには出てくるので、他人事とは思えず。連載が始まったときから純粋に楽しみにしながら読んでいたので、アニメ化にたどり着いたときは本当に嬉しかったです。印象としては、最初に触れたときから変わらなくて。「僕もこうだった、でも僕のまわりにはこんな素敵な女の子たちはいなかった、チクショウ」と思いながら読んでいて、最後まで「チクショウ」と思って読み切りました(笑)。

天﨑:ははは。

安元:女の子がいないこと以外は、全部同じことをやってましたね。

天﨑:このお話は1991年から始まるんですけど、僕は90年生まれなので、1歳のときで。だから最初の頃は、ちょっと上の世代の知らないゲームの話がまず始まって、ただハルオが面白そうにやっていることは伝わってきたので、「こんなゲームがあったんだ、こんなに楽しいんだ」ってプレゼンをしてもらっている感じがして、面白いなって思いました。

――ゲームの部分で「あった、あった」と共感しつつ、『ハイスコアガール』にはもうひとつ、ラブコメ的な面白さがあるわけですけども。

安元:俺が関係なかったやつ(笑)。

天﨑:(笑)僕自身、ゲームセンターに行くという経験をしていなかったのに、なんか懐かしい気持ちになるんです。どこか郷愁に駆られる感じがあって。ラブコメの要素に関しては、しばらくハルオは気づかず、ひたすらゲームが好きで、ピュアなところがあったからこそ、高校生編まで続いたんだろうな、という感じがしています。

――郷愁や懐かしさを感じるのは、ゲームに限らず子どもの頃に何かに夢中になった経験を思い出すから、というところもあるんじゃないですか。

天﨑:そうですね。あと「こんなことがあったらよかったな」という気持ちも、どこかに乗ってると思います。女の子と河原で歩いたり、一緒にゲーセン行ったり、空港でドラマのような別れ方をしたり……。

安元:あれは押切さんの妄想だと思う。じゃなかったらズルい。

天﨑:(笑)。

安元:我々には、あんな素敵なことは絶対にない。きっと、「こうだったらいいな」と思いながら、押切さんも描いてると思う。それが詰まってるんだと思うよ。この漫画には、押切さんの情念みたいなものを感じる。俺たちみたいに格ゲーをガンガンやってたバカなおじさんたちは「そうそう!」しか思わないんだけど、その「そうそう!」の塊が、この作品のような気がする。オタクの情念だと思います。「わかってくれるヤツ、いるよな!?」っていう押切さんの叫びに、みんなが反応した感じですかね。

――たとえば、作中でナチュラルにチャリで二ケツする描写が出てきますけど、「そんなことやったことねえよ、超やりたかったけど」みたいなところがありますよね。

安元:ステップをつけて、後ろには男が乗って……。

天﨑:ははは。

安元:女子となんて、ないない。ステップつけて、ヤンキーが後ろに乗ってるだけです(笑)。

――(笑)チャリを置いておくと、ステップだけすぐ盗まれたり。

安元:そう、ステップはすぐにとられる。あれ、禁止になったんですよね。なんか、おおらかな時代だったな。そこも、グッとくるものがあるんでしょうね。今ではできないことがいっぱいあったから。

――天崎さんはハルオ、安元さんはガイルさんを収録で演じていて、『ハイスコアガール』だからこその楽しさ、難しさはどんなところに感じますか?

安元:漫画のガイルさんには表情がしっかりあるというか、押切さんが手で描いている部分なので、その表情を汲み取っていろいろ考えることもできるんですけど、アニメのガイルさんは『ストリートファイターⅡ』のガチのドット絵なので、表情もへちまもなく(笑)。そこは、二次元のものを三次元的に演じるというか、考えながらやらなきゃいけなかったり、思っている以上に大変ですけど、楽しいです。

 あと、僕は『ストリートファイターⅣ』以降のガイルをやってるんですけど、Ⅱのガイルをやらせていただけて、受け入れてもらえたのは嬉しかったですね。結果、自分の感情がすごく引っかき回されるような面白いキャラクターになったので、やりがいがあります。

天﨑:最初は、物事にピュアに反応することを意識していたんですけど、他のキャラクターたちとの出会いもあり、少しずつ成長していく中で、小学生・中学生・高校生のハルオを演じ分けるというよりは、結果聴き比べたときに「小学生編と高校生編ではだいぶ声が違うな」ってなればいいな、と思って。まずはゲームが好き、という部分に全部の意識を向けてやっていました。

――時間を経るごとに彼の中で変わっていく部分については、どう考えたんですか。

天﨑:最初はゲームがハルオの対話相手で、ゲームと向き合っていくことがハルオにとっての普通だったんですけど、人とも向き合わないといけないところが出てきて。ゲームでは、自分で鍛錬を積み重ねるほど理想に近づいていくけど、現実は思ったようにはいかない。いろいろ翻弄されながら、成長せざるを得ないハルオが見えてきたな、と思いますね。もともとある優しさみたいなものを、少しずつ広げていく感じはあったと思います。

ハルオの中には小さな勇気みたいなものがあって、それが消えかかっているところでガイルさんが代弁してくれて、ハルオは前に進める(天﨑)

――これは『ハイスコアガール』の対談なので、ぜひテーマにしたいのがガイルさんの「ファネッフー」についてなんですけど。

安元:本来は「ソニックブーム」だったけど、昔のゲームの容量の都合で、可聴域の音以外を切っちゃった結果、子音が弱くなって“ファネッフー”に聴こえるのをネタにしているんですけど、アニメでは完全に「ファネッフー」と言ってますね。

天﨑:確かに、はっきりと言ってます(笑)。

――(笑)一定のように見えて、実はいろいろな「ファネッフー」があるのかな、と思いまして。

安元:そうですね。多少の変化はあったりしますけど、「極力耳なじみのある、あのイントネーションで」みたいな意識はしてます。共通アイコンになる、大事な「ファネッフー」なので。この言い方で合ってるかわからないですけど、原作準拠を極力守ろうとしています(笑)。

天﨑:(笑)攻撃する技が、ハルオの背中を押してくれるものに変わっているのがいいな、と思いました。素敵ですよね。

――実際、ガイルさんがハルオの背中を押してくれるタイミングで「ファネッフー」が聞こえてきたとき、天﨑さんはどういう気持ちになるんですか?

安元:唐突に湧いて出るからね(笑)。

天﨑:(笑)ハルオがちょっとウジっとなったところを、一喝してくれる感じがあって。僕が思うのは、ハルオの中には小さな勇気みたいなものがあって、それが消えかかっているところでガイルさんが代弁してくれて、ハルオは前に進める、という感じがありました。本当に、文字通りちゃんと背中を押してくれていて。ハルオの中にまったくないものをガイルさんが言うのではなく、その勇気みたいなものは春雄の中に必ずあるものなんですよね。

安元:でも、2期になってからガイルさんは普通に話し始めたからね。

天﨑:独立した(笑)。

安元:ハルオの脳の中の人物のはずだったのに、独立してひとりで話し始めたから、他の人からはハルオが激しい独り言を言っているように見えちゃうかも(笑)。

――(笑)ハルオにとってガイルさんとはなんなのか、ガイルさんにとって春雄はどういう存在なのか、おふたりはどう考えていますか?

天﨑:やっぱり、会話をしているとはいえ、ガイルさんはハルオの気持ちの具現化なのかなって思います。ハルオが迷ったときに必ず現れて、選択肢を与えてくれるけど、それは自問自答だと思っていて。結果、ハルオがポジティブになれるようなことを言ってくれているな、と思います。

安元:僕は、もう息子を見るような目で見てます。ハルオの中の言葉かもしれないけど、なにせ彼の家にはお父さんの描写がないので、そこをガイルが埋めているのかな、とも僕は思っていて。

天﨑:ああ、確かに。

安元:ハルオ自身の言葉というよりも、父的な目線で導いてあげられたらいいな、と思ってます。あとは、ハルオにとって何かアクションを起こすきっかけがガイルさん、というところはあるかもしれないです。

――つまりハルオは、自分の中から湧いて出てくる言葉で自分を奮い立たせる、という。

安元:と、いうことなんでしょうね。それが自我をもって話し始めたっていう(笑)。

――(笑)ハルオに関しては、おふたりはどう見ているんでしょうか。

安元:ガイルの目線では、先ほど息子のような存在と言いましたけど、僕個人の目から見たら「なんて勘の悪い男なんだ、ふざけんなよ」と、非常にイライラしましたね(笑)。でも、だからこそ大野さんからも小春さんからもよく見えるんだろうなあ。ハルオは優しいから。優しさとゲーム以外何もない男ですけど、ママに対する対応もハルオはとても素敵だし。

天﨑:そうですね、僕もいち読者としては「いつまでウジウジしてるんだ」っていう気持ちはもちろんありつつ、やっぱりハルオを演じさせていただいているので、「ハルオだって成長してるんだ」っていう気持ちもあって。少しずつ気づいていってし、ピュアだからこそマジメに考えますし。

安元:天然のたらしなんだよね。大したものじゃないかもしれないけど、大野さんにものをあげたり、免許を取ったら真っ先に見せに行っちゃったり。無策でときめかせることを言ったりするから……。

天﨑:裏がないんです(笑)。

安元:人がいいんだよね。そこが、小春ちゃんが好きなところでもあるし。

――ハルオには、ヒロインのふたり以外も引き寄せちゃってる節がありますよね。

天﨑:人としての引き寄せもありますね。じいやもそうですし。

――宮尾なんて、もう軽く恋じゃないですか。

安元:宮尾は……たぶん、もうそっちですよ。

天﨑:ははは!

安元:だって宮尾は大野さんが好きなのに、確認するためにわざわざハルオに言って、揺さぶって、何をしてるんだっていう。いいヤツですけどね。いいヤツだけど、宮尾はある意味変態だと思いますよ。

天﨑:確かに(笑)。ずっとひとりでゲームをやっていたはずなのに、気がついたらハルオのまわりにはたくさん人がいる、というところがすごいと思います。

――1期から2期にかけて、特に気に入っているシーンはどこになりますか?

安元:ザンギエフ(三宅健太)が、こっちが想定している声より何倍もデカい声でしゃべって……。

天﨑:ははは。

安元:とりあえず笑っちゃうんですよ。急に、距離感も何もないボリュームでザンギエフがしゃべるから、毎回出てくるたびに笑っちゃうんです。だから、俺のお気に入りのシーンは大体ザンギエフです。あとは、1期の最後のほう(ROUND11)でいろんなゲームキャラが出てきて、ハルオを送り出すところですね。

天﨑:僕は、空港のシーンはもちろん好きなんですけど、「がしゃどくろ」に大野さんとふたりで行くところもけっこう好きで。萌美先生から逃げ出すというか、ハルオが連れていってあげるんですけど、あそこでの出来事があとあとキーになってくるんですよね。あのシーンがあるからこそ、晶が指輪を出したときにグッとくるんだろうなって思います。

――自信が演じている以外で推しのキャラクターを聞きたいんですけど、安元さんはザンギエフですか。

安元:(笑)あと、マーくんですね。鬼才・松岡禎丞の怪演が光る、マーくん。たまにしか出てこないですけど、必ず爪痕を残してくる彼が好きです。こっそりみーたんに振られてますからね。

天﨑:僕は、じいやかな。いつも晶のそばにいて応援してくれてる存在ですけど、一番好きなのが、任を解かれて部屋のすみっこで正座して、「こんなじいやの汚い部屋でよければ」みたいなことを言ったりするんですけど、マジメな台詞と普段の飄々とした感じのギャップもいいですし、じいやとして生きてるだけのことはある、年輪が感じられる言葉がたくさんあって好きですね。

――10月からは、いよいよ『ハイスコアガール』の2期の物語が観られるわけですけど、おふたりが特に「ここを観てほしい」と思うポイントは何ですか?

安元:90年代のゲームセンターカルチャーの資料的な側面でも、すごく本気で映像を入れてるので、そこはワクワクしますね。あとは、僕はこの作品をあえて「成長の物語」と言うつもりはなく、これは「気づきと覚悟の物語」だと思っていまして。ハルオは気づいて覚悟を持ち、大野さんも何も言わない中で気づいて覚悟を持ち、小春はとっくの昔に気づいてたけど、その覚悟をちゃんとアクションに起こすっていう。特に2期は、その覚悟によっていろんなドラマが起きるので、各々の覚悟を観てほしいな、と思います。そうすると、必ず泣けます。というか、僕は泣きました。

天﨑:『ハイスコアガール』って、ずっと楽しい子どもの世界でゲームができるところに魅力を感じているんですけど、2期では「大人になりたくない」という気持ちを持ちつつ、少しずつ変わっていく彼らを見ることにはなるので、どこか自分と重ね合わせて観てほしいな、と思います。大人になるもどかしさというか、向き合わなければいけない何かに共感して観ていただけると、より作品に入り込めるんじゃないかな、と。ハルオたちと一緒に感動したり、怒ったり、笑ったりしていただけると、この作品をマックスで楽しめるんじゃないかな、という気がします。

――では、最後に。ガイルさんはハルオの自意識でありつつ、ある意味先輩のような立ち位置ですが、ハルオ役の天﨑さんは、主演としてものすごい物量の台詞を収録してるじゃないですか。

安元:めちゃくちゃやってますね。

――演技者の先輩として、安元さんから天﨑さんに伝えたいこととは?

安元:なんだろう、十分しっかりやってくれてるから……「大丈夫だよ」って……。

天﨑:嬉しいです。

安元:偉そうなことを言える立場でもないですけど、実際問題、とにかく大変な分量をよくやっているし、明らかに努力をしてこなければ絶対できないことなんですね。相当努力してきていることはみんなに伝わってるから、「堂々としてたら大丈夫だよ」って思います。頼もしいですよ。

天﨑:ありがとうございます!

取材・文=清水大輔

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