長久友紀「先輩も友だちも、一人でも欠けたら声優を続けられなかった」【声優図鑑】

アニメ部

2019/10/27

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キャラクターの裏に隠された自分自身をありのままに語る、ダ・ヴィンチニュースの恒例企画『声優図鑑』。第228回目に登場するのは、『はじめてのギャル』の八女ゆかな役、『温泉むすめ』の祖谷メグリ役などを演じるほか、声優ユニット・イヤホンズのメンバーとしても活躍する長久友紀さん。「誰一人欠けていたら続けていられなかった」と、周りの人たちに支えられてきた長久さんが、これから目指す道とは? 仲良し声優・竹達彩奈さんと過ごす休日についても教えてくれました!

――今日は爽やかな服装ですね。どこをポイントに選んだのですか?

長久:じつは、以前から声優図鑑の写真に憧れていて。知り合いや友だちのインタビューがアップされるたびに、本当にその子の良さが引き出されているなって感動していたんですよね。私も素敵な写真を撮っていただきたくて、昨日お気に入りのショップで店員さんに選んでもらいました。髪の色が暗めなので薄めのブルーが合うかもしれないって。しかも最後の一枚で! 運命を感じました♪

――声優図鑑のためにありがとうございます(笑)。長久さんは青二塾を経て、青二プロダクションに所属していますね。最初に声優を目指したきっかけは?

長久:高校の頃は、このまま普通に大学行って就職して結婚して…っていう人生かと思ってたんですけど、人と違うことをやってみたくなって。そんな時に、とあるアニメを見たら、キャラクターが号泣するシーンで私も嗚咽するくらい涙が溢れてきたんです。それを見て、私も人の心に響くようなお仕事がしたいなって思いました。それから紆余曲折あって…。

――紆余曲折というと?

長久:声優への想いを親に話したら大反対されまして…。一度、親からすすめられた大学の薬学部に入ったんです。卒業後ならやってもいいよって言われましたけど、薬学部って国家試験があるから6年間もあって。大学生活は楽しかったけど、6年間も悶々した生活を送るのかと…。

それで、1年生の夏休みに思い切って、ワタナベエンターテイメントのスクールのオーディションを受けたら、最終審査までいきまして。今度は、人前でお芝居したのが面白くてたまらなくなりました。親にもう一度、どーしてもやりたい! って伝えたら、大学を休学していいと言われ、2年間の期限をもらったんです。

――2年間あれば、できることはいろいろありそうですね。

長久:そうですね。私の場合は東映太秦映画村の養成所に半年通って、それから青二塾の養成所にも通って。2年経ったときに「薬剤師と声優、どちらかを選んで後悔しても親のせいにしてほしくないから、自分で決めなさい」と最終的に委ねてくれたんです。だから、青二プロダクションへの所属も決まっていないのに、声優になります、と。博打ですよね(笑)。もう前にしか進めない、お尻に火がついた状態でした。

――オーディションでお芝居の面白さに気づいてしまったと。お芝居はそれが初めて?

長久:あとは文化祭くらい。でもチョイ役です。学生の頃は、ノリノリというより空気を読むほうで、みんながやるならやるよってくらいの気持ちで引き受けたので。自分を押し出すのが苦手だったし、恥ずかしがり屋だったんですよね。でも今考えたら、本当はもっとちゃんとお芝居をやりたかったのかもなって思います。

――2014年頃からたくさんの作品に出演していますが、転機になった作品は?

長久:初めてメインキャラクターに選んでいただいた『それが声優!』(2015年)ですね。歌を歌ったのもイヤホンズが初めてでした。ダンスもやったことなくて。基本的なサイドステップもできないし、手と足を同時に動かすこともできない。でもその時、できるようになるまで先生が親切に教えてくださったから、今でも歌やダンスが嫌いになってないのかなって思います。環境に恵まれていましたね。

――イヤホンズは今年で4周年。アニメ作品が終わってからも活動は続いていますが。

長久:アニメが終わってから、レーベルの方が私たちの話を一人ずつ聞いてくださって。私は、他の2人はわからないけど私は続けたいし、音楽の幅も広げていきたいって話したんです。そしたら3人とも同じ想いで、うれしかったですね〜。音楽プロデューサーの方も、毎回新たな挑戦をしてくださるんですよ。私たち、プロデューサーさんの作りたい音楽をイヤホンズで叶えられるなら全力で応えたい!っていう気持ちなんです。

――年に何度かライブも開催していますから、今でも定期的にレッスンを?

長久:レッスンは全然やってないです(笑)。アニメの放送中は毎週日曜にインストアライブをやってたんですけど。だから今は、練習やリハーサルの前に自主練をしてから行ってます。毎年ライブ前に振り付けを思い出すだけで精一杯(笑)。他のメンバーもそうだし、みんな甘えてないのがすごいなって。年に1〜2回のライブでもすぐに元に戻れるし、かつ前回より良いものにしようって想いが強い。奇跡のユニットだと思ってます。

――2017年の『はじめてのギャル』では初めてのヒロイン・八女ゆかな役に。この作品の思い出は?

長久:初ヒロインで緊張してたのに、みなさん頼もしい方ばかりで。現場ではギャル文化の話で盛り上がることもありましたね。やっぱりその時の流行を取り入れたいなと思って、その頃流行っていた「マジ卍」をガヤで使ったら採用されました。私、ついに言っちゃった!って(笑)。今だったら「タピる」ですよね。どんどん進化してるから、5年後くらいにアニメを見返したら「マジ卍、古い!」って思うかも(笑)。

――このお仕事じゃなければ知らなかった文化かもしれませんね(笑)。そして『温泉むすめ』では、祖谷メグリが第一回総選挙(2018年)の第一位に!

長久:メグリちゃんは私が持っていないすべてを持っている女の子なんですよ。私は休日に一歩もお布団から出ないくらいインドアなんですけど、メグリちゃんはトレジャーハンターで温泉地をめぐっていて。

総選挙1位の特典がソロ曲だと聞いてから、メグリちゃんのソロを絶対に歌いたいと思って、ツイッターでメグリちゃんに投票してくれた方全員にリプライしたんですよ。300人くらいかな。毎日お時間を削って投票してくださった方に、どうにかして感謝の気持ちを伝えたいと考えて、思いついたのがリプライ。一位になったときは号泣しましたね。

――これから『温泉むすめ』でやってみたいことは?

長久:欲を言うと、ユニットに所属したいなって…。ありがたいことに松山の選抜にも選んでいただきましたけど、もっともっと『温泉むすめ』に関わりたいです。メグリちゃんって、演じている私自身も明るくなった気がするくらい楽しい子なので、他の子たちと組んだときにどんなポジションで、どんなパフォーマンスをしてくれるのか、すごく可能性を秘めていると思うんです。それに、ユニットって絆でつながれますよね。私自身もグループで何かをするのが大好きなんです。

――では、プライベートのほうで、仲のいい声優さんを挙げるとしたら?

長久:竹達彩奈さんですね〜。もともとガチオタなんですよ。初期の作品から好きだったし、彼女が組んでいるプチミレディも好きだし。とにかく存在自体が大好きで。『はじめてのギャル』で共演させていただいたときに、2人でラジオをやっていて、ここでいくしかない!と思っちゃったんですよね(笑)。ものすごいラブコールを送ったら、イヤがられると思ったら、そこまで言ってくれるのはうれしいって喜んでくださって。それから月1回か2回は会って、バイキングに行ったり、VRに行ったり。ボウリングにも行ったなあ。

――話を聞いているだけでデートのようでドキドキするんですが(笑)。

長久:私、たぶん彼氏ヅラしてますからね。「風邪ひきますよ」とか、「危ないから気をつけてください」とか(笑)。おうちにも来てくれたんですよ。お土産にフルーツの盛り合わせを持って来てくれて、「桃、一緒に剥こう」って。めっちゃおいしくて、いまだに箱をとってあります。捨てられません(笑)。

――一緒に桃の剥くところがすでに可愛いです(笑)。他の方はどうですか?

長久:イヤホンズも、もちろん会いますし。井澤美香子ちゃんとも仲良くさせてもらってます。気を使わないで話せる子だし、彼女がけっこうアクティブなので私のことを誘ってくれるんですよね。一緒にボードゲームの催しに行ったりとか。私は自分から誘えないほうなので、彼女のような人がいてくれるのはうれしいです。

――ではもう一度お仕事に戻って。これから演じてみたい役やジャンルはありますか?

長久:役もジャンルもいろいろ経験して、もっとお芝居の幅を広げたいです。この一年間、声のお芝居だけじゃなくて、朗読劇や舞台、映画なども経験させていただいたんです。体を動かして覚えたことって体にインプットされて、声のお芝居でも新たな発見がある。自分はここまでって限界を決めるんじゃなくて、もうちょっと先までいこう、やってみようって前向きな気持ちでいたいなって思います。

――ちょうど今、視野が広がっている段階なんでしょうか。

長久:そうですね。以前はがむしゃらすぎて、目の前にあることに取り組むので精一杯だったから。これからはもっと引き出しを増やして、役を与えられたときの表現の選択肢を増やしていきたいって気持ちがあります。

――ますますの活躍を楽しみにしています! 最後に読者へのメッセージを。

長久:今日こうやって、あらためて声優を目指したときのことなどを思い出すと、やっぱり今私が声優・長久友紀としていられるのって、周りの人のおかげだなって思います。親にしても、先輩にしても、友だちにしても、お仕事関係の方々にしても、誰一人欠けていたら続けていられなかったなと。でも、お世話になりっぱなしじゃダメだなって思うので、自分に与えられた役目として、お芝居やライブでみなさんの想像を超えるようなお芝居やパフォーマンスをしていきたい。これからも末長く応援していただければうれしいです。その応援に応えられるように、もっと私も精進します!

――長久さん、ありがとうございました!

【声優図鑑】長久友紀さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

長久友紀

長久友紀(ながく・ゆき) 青二プロダクション所属

長久友紀(ながく・ゆき) Twitter

◆撮影協力

撮影=山本哲也、取材・文=吉田有希、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト