【ひとめ惚れ大賞】持ってみなければはじまらないんです!『その道のプロに聞く 生きものの持ちかた』 インタビュー

スポーツ・科学

2019/10/30

『その道のプロに聞く 生きものの持ちかた』
松橋利光
 
装丁:若井夏澄
写真:松橋利光
編集:藤沢陽子 大和書房 1500円(税別)

「その道のプロに聞く」とタイトルにあるとおり、本書では、生きものカメラマン、ペットショップオーナー、獣医という「プロとして生きものと接する人」が、各職業に根差した観点から「持ちかた」を解説しています。生きものカメラマンには生きものカメラマンの、ペットショップオーナーにはペットショップオーナーの、獣医さんには獣医さんの持ち方があって、そこにはすべて理由があるんです。それを伝えたいと思って。

私は生き物の持ち方について、毎年夏に教室を開いているんです。中には最初はまったく持てない子もいるのだけど、持ち方の理由を説明するとだんだん手を伸ばせるようになる。そしてそういう子に限って終わっても夢中になったり。理解できれば触れられるんですよね。ちなみに家で持ったら絶対に怒られるであろうゴキブリは、その教室で最も人気です。

今、特に街で生きている子どもたちは、ペットショップにいるのが「身近な生き物」となっているのではないかと感じていて、だからこの本ではいろんな生き物を紹介したかったんです。サソリを持つ機会なんて滅多にないだろうけど、もしあったらヒーローになれるかもしれないし(笑)。一方、大人は生き物を持つ経験をしている人が多いだろうから、この本をきっかけに子どもと大人が生き物の話をしてくれたらいいですよね。 最近は自然を大事にする方法が、「さわらない」「見るだけ」といったようにお行儀いい方向になっていますが、理解しようと思うなら持つのが一番だと思うんです。触れないと、一緒に生きられない。持たなければはじまらないと、僕は思います。

|| お話を訊いた人 ||

松橋利光さん
1969年、神奈川県生まれ。水族館に勤務した後、動物カメラマンに転身。著書に『日本のカエル+サンショウウオ類』(山と溪谷社)などがある。本書のシリーズとして『生きものの見つけかた』『生きものの飼いかた』、そして最新刊『その道のプロに聞く 生きもののワォ! ~知ってそうで知らない豆知識~』

取材・文/田中裕 写真/首藤幹夫