降幡愛「人前は苦手だけど『ラブライブ!』で人生が180度変わりました」声優図鑑

アニメ部

2020/4/14

降幡愛"

 キャラクターの裏に隠された自分自身をありのままに語る、ダ・ヴィンチニュースの恒例企画『声優図鑑』。第236回目に登場するのは、『ラブライブ!サンシャイン!!』の黒澤ルビィ役として注目を集めるほか、2020年春スタートの『ぽっこりーず』のパンダちゃん役など幅広い役柄を演じ分ける降幡愛さん。

 人前に出ることは得意ではないけれど、「あえて苦手なことに取り組む気質なのかも」と自己分析!? プライベートの趣味は写真やイラストなど“ものづくり”がメイン。こだわり満載の楽しいお話のなかで、仕事とプライベートの両方に共通する「1つ1つを突き詰めたい」というストイックな一面も見えてきました。

——小さな頃からアニメや絵を描くことが好きだったそうですが、学生時代に打ち込んでいたことは?

降幡:両親がいろいろ習わせてくれたので、ピアノを習ったり、小学校高学年からは打楽器を始めて、中学校でも吹奏楽部に。ただ、いかんせんリズム感がなくて(笑)。楽しいという感じではなかったけど打ち込んではいました。イラスト系の部活にも入っていましたね。

——影響を受けたアニメは?

降幡:『うる星やつら』とか『めぞん一刻』とか、高橋留美子先生の作品がすごく好きで、漫画も全巻持ってます。小学校5年生で『犬夜叉』のアニメが終わった時には「なんで終わっちゃうの?」って座布団に突っ伏して、ずっと泣いてた記憶があります(笑)。先生のタッチを真似しながら、自分でトーンを買って漫画を描いていた時期もありました。

——そう考えるとイラスト歴が長いですよね。

降幡:全部独学ですけど。子どもの頃、お母さんに褒められたのが大きかったかも。
今も褒められ慣れていないのですが、当時は褒められて凄く嬉しかったんです。ですが、描いては机に隠す…っていう感じで親には見せませんでしたけど。今ではSNSを通していろんな人に見せてますね(笑)。

——アミューズメントメディア総合学院に通っている頃から、お仕事を始めていたそうですが、どんな流れで?

降幡:インターンシップで勝ち残ったり、先生の推薦があったりすると参加できるんですけど、自分は運がよかったから映画の吹き替えなどをやらせてもらっていました。イラスト科やゲーム科もあって、そのオーディションに受かるとゲームに声を当てたり、作品作りに関わることができて。学生の頃からそういう経験ができて楽しかったです。

——声優を目指すようになってから、なりたい“声優像”はありましたか?

降幡:沢城みゆきさんは憧れの方です。可愛い声も、ヒロインも、峰不二子みたいなお姉さんも演じられて、幅広いのに一つ一つの役を極められている、そんな七色の声に憧れます。

——事務所に所属してからの「初仕事」の思い出は?

降幡:『白猫プロジェクト』で男の子2人とおばちゃんを演じたんですけど、そのおばちゃんが筋肉マッチョというキャラクターで。事務所に入ってから一発目で、振り幅の広い役を演じさせてもらえたのを覚えています(笑)

——なかなか強烈なキャラクターですね(笑)。それからしばらくして、2016年には『ラブライブ!サンシャイン!!』の黒澤ルビィ役を。

降幡:学生時代から大人の女性や男の子を演じる機会が多かったので、自分の中には全然ない世界の女の子を演じるとなった時に、ギャップを感じました。でも、どうしても受かりたくて、泣きながらオーディションを受けたんです! だから、今考えるとその頃から黒澤ルビィというキャラクターにすごくはまっていたのかもしれません。けっこう似ているところが多いし、あの頃からルビィそのものだったんだなと。

——『ラブライブ!』という大きな作品に関わって、自分の中にも変化はありましたか?

降幡:180度人生が変わった、っていう感覚です。歌とかダンスに興味はあったけど人前に出られるようなタイプではなかったし、声優さんって職人気質というか裏方のイメージがすごくありましたけど、そんな考え方がガラッと変わりました。今でも決して得意なことではないけど、その楽しさを知ることができたと思います。

——どんなところが楽しい?

降幡:長い期間、同じキャラクターに寄り添っていられることはやりがいがあって楽しいし、応援してくださるみなさんのキラキラの笑顔を見られる喜びが糧になっている気がします。

——ラジオドラマ『とっても優しいあまえちゃん!』のあまえちゃんが“甘々ボイス”と言われているようですが、そんな噂を聞いてどう思いますか?

降幡:あざとい感じにしているつもりはないんですけど(笑)。自分が声を当てる人物やキャラクターを全身全霊で演じているので、私というよりキャラクターそのものだし、みなさんがいいように受け止めてくださっているとしたら、とてもうれしいです。

——これまでの忘れられない作品を挙げるとしたら?

降幡:『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』です。もともとRPGのゲームで、2019年に劇場化されたんですけど、劇場版は河森正治監督が手がけていらして、ゲームとはちょっと違う世界観に仕上がっているんです。だから、私の演じたリズベットも元気な女の子から、ちょっと成長した大人のキャラクターに変わっていて。なかなかキャラクターの方向性が定まらなくてむずかしかったけど、勉強になりました。錚々たる方々とご一緒したのも大きいですね。緊張しちゃって…今井麻美さんが飴をくださったりして、すごく暖かい現場でみなさんとご一緒できたので、演技はもちろん先輩方の姿勢やあり方にも刺激を受けつつ、「ありがとうございます!」って感じていました。

——2020年春からはTVアニメ『ぽっこりーず』でパンダちゃん役を。大のパンダ好きだそうですが、そんな降幡さんから見たパンダちゃんの魅力は?

降幡:優しいパンダちゃんですけど、足が細かったりして見た目のパンチ力があるので、そのギャップかな。みなさんが思い描いているパンダ像とはちょっと違う可愛さがあると思うので、期待してもらえたらうれしいです!

——『フォトテクニックデジタル』というカメラ雑誌の連載は、すこし変わったお仕事ですね。その関連で刊行した写真集「いとしき」にも、かなり思い入れがあったとか。

降幡:もともと写真が好きで。カメラ雑誌から出版される写真集ということもあって、贅沢なんですけど4人のカメラマンさんに参加していただいて、チームごとに日本の四季をテーマに作っていきました。私の“好き”がつまった一冊です。自分が写っているから自分の写真集ということではなく、みんなと作った作品という感じですかね。ファンの方はもちろん、プロのカメラマンさんも買ってくださったと聞いてうれしかったです。

——プロにも認められる貴重な一冊。もともと「写ルンです」にもはまっているそうですが。

降幡:高校の修学旅行にも持っていったくらい、以前から知っているものではあったので、改めて今のブームにも乗ってみようかなと。質感が好きだし、現像するまで何が写っているかわからないのが新鮮で。今日も持ち歩いていますし、Aqoursのメンバーのなかでもはやっています。フィルムカメラは一眼レフも持っているんですけど、そちらはフィルムから選ぶのが楽しくて。現像の時に「シアン強め」とか色を指定できることもあるんです。

——こだわりが強くて、ファンの方から「職人」と呼ばれているわけですね(笑)。

降幡:いえいえ、みんながふざけて呼んでくれているだけなので(笑)。

——写真には、イラストとはまた違う楽しさが?

降幡:ある程度、自分でビジョンを描いてから絵を描いたり写真を撮ったりするので、そんなに変わらないかも。なんでも作るものが好きなんです。1つずつ極めてから次にいかないと…って趣味が増えすぎないように気を付けているんですけど(笑)。

——どんどん趣味が増えていくと(笑)。最近始まったものは?

降幡:レコードにはまっていますね。レコードプレイヤーを買って、新宿のレコードショップで漁っています(笑)。自分のラジオ番組でかけた時は、プツ…プツ…っていう音が良かったりしてけっこう好評でした。9万円もする針を貸していただいて、自分で針を落とすんですけど、ぴったりに落とさないと途中から始まっちゃったりして(笑)。曲はオメガトライブとかユーミンとか80年代のシティポップが好きです。昔の曲を聴いていた時期があったので、それをレコードで聴いてみようと思ったのがきっかけですね。ジャケットも可愛いからジャケ買いして部屋に飾ってますけど、コレクションとしても集めたくなります。

——お休みの日も趣味の時間が充実してそうですね。

降幡:カメラを持って出かけるとか、極力外に出るようにしています。インドアですけど家に籠っていると気分が良くなくて。人前もそうなんですよね。苦手なのにあえて自分から出て行くという。そういう気質なのか、自分でもよくわかりませんけど(笑)。でもやっぱり、刺激が多いし楽しいです。

——ハングリーなのかチャレンジャーなのか(笑)。お仕事以外の時間で、よく会う声優さんはいますか?

降幡:よく会うのはAqoursのメンバーですね。新田恵海さんや田野アサミさんともご飯に行きます。つんさん(新田)は同じ長野県出身で憧れの声優さんでもあったので、不思議な感覚がいまだにあります。長野をテーマにしたショートアニメーションをきっかけに、ご飯に行ってくださるようになって。「このお店の○○が美味しいんだよ」とかくわしいので、日々勉強です。地元に対してすごく愛情がある方なので、同郷としても本当に尊敬しますね。

——声優として、これからの目標は?

降幡:声優であるからには声のお仕事をたくさんしたいっていう意欲がやっぱりあって、でも器用貧乏にならずにとにかく一つ一つの役を突き詰めたいです。それこそパンダちゃんみたいな今までにないキャラクターをどんどん演じたいし、すでに演じているキャラクターにも今まで以上に愛情を注ぎたいと思います。

——自分なりに、キャラクターに愛情を注ぐためにしていることはありますか?

降幡:髪型をキャラクターに寄せてみたり、見た目から入ってみることもありますし、そのキャラクターに近い人の口調や歌い方を観察して、そこに自分にないものを見つけたら吸収するようにもしています。好きなことにしか興味を持たないほうですけど、可愛いものやフワフワしたもの、それこそお姉ちゃん愛とか、キャラクターたちから教えられたことも多いです。

——最後に読者へのメッセージをお願いします!

降幡:応援してくださってありがとうございます。みなさんをびっくりさせられるような声優になりたいと思っていまして、飽きない人間ですので応援してもらえたらうれしいです。これからもよろしくお願いします!

――降幡さん、ありがとうございました!

【声優図鑑】降幡愛さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

降幡愛

降幡愛(ふりはた・あい) オフィス・ティービー所属

降幡愛(ふりはた・あい) Twitter

◆撮影協力

撮影=山本哲也、取材・文=麻布たぬ、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト