新田ひより「後輩を見ると『私も高校生のとき頑張っていたな』って」【声優図鑑】

アニメ

更新日:2020/6/4

新田ひより

 キャラクターの裏に隠された自分自身をありのままに語る、ダ・ヴィンチニュースの恒例企画『声優図鑑』。第241回目に登場するのは『アイドルマスター シンデレラガールズ』道明寺歌鈴役が大人気で、7月開始予定のTVアニメ『おちこぼれフルーツタルト』では桜衣乃役で主演する新田ひよりさん。

アニメに助けられた中学生時代。声優になってからも、また違った立場でアニメに支えられているとか。後輩に対する優しいまなざしや、友だち想いの一面など、魅力満載のインタビューをお届けします!

——声優デビューしてから7年が経ちますね。8年目を迎えて、どんな気持ちですか?

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新田:この7年間はあっという間でした! 15歳になる年にお仕事を始めたので、人生の半分近く声優をやらせていただいていると思うと、自分でもびっくりします。

——そんな新田さんの幼少期について伺いたいのですが、子どもの頃の思い出は?

新田:小学生くらいまではすごく明るくて、友だちも多くて、活発なほうでした、今はこんな感じですが(笑)。水泳とか運動も好きでしたね。でも中学生くらいから厨二病に陥ったのか、コミュ力が低下した気がします(笑)。

——(笑)。小学校の頃はプリキュアに影響を受けたそうですね。

新田:プリキュアにはすごく勇気をもらいました。同世代の子はみんな見ていて、私も幼稚園の年少から観ていたと思います。他にも、アニメは兄と一緒に見ることが多かったですね。小さい頃はハム太郎とか。ナルトも好きではまってました。中学生になってからはどっぷりオタクになって、ポスターなどのグッズも集めて。部屋にはフィギュアが並んでいました。

——コレクションが好きなんですね。

新田:集めないと気が済まなくて、ほしいものは全部集めたいタイプ。でも最近は、物が多すぎるのも大変だなと。アニメグッズだけじゃなくて、洋服とか身の回りのものも、優先順位を考えて、あきらめきれないものだけ買うようになって。欲を抑えられるようになりました(笑)。

——中学3年生という若さで日ナレに入所して、高校1年生には事務所に所属して声優のお仕事をスタート。今では数えきれないほどの作品に出演していますが、「転機になった」と思える作品は?

新田:やっぱり『アイドルマスター シンデレラガールズ』道明寺歌鈴役の存在は大きいです。オーディションに受かって演じ始めた頃は、ファンの方やスタッフさんたちのイメージに合わせて演じていましたけど、最近では歌鈴のことをより深く理解するようになって、自分が考える歌鈴を演じられるようになったと思います。自然な気持ちで楽に演じられているし、自信を持てるようになりました。

——今の新田さんに見えている道明寺歌鈴って、どんな女の子ですか?

新田:まずは「優しい」のが一番! 思いやりがあって、すごく前向きだし。でもそれだけじゃなくて、真剣に仕事に向き合っているからこそ落ち込むこともあって。自分と同じような悩みを持っていることもあって共感します。どのキャラクターもそうですけど、すごく人間的でリアルなところが好きです。

——他にも、自分の変化につながっているような作品はありますか?

新田:最初にレギュラーで出演させていただいた『人生相談テレビアニメーション「人生」』(遠藤梨乃役)は、やっぱり忘れられないです。同じ事務所の先輩方がいらっしゃって、本当はプロとして現場に立っていないといけないのに、私ができないことに呆れることなく「全然大丈夫だよ」と優しくフォローしていただいて。あんなにセリフをしゃべる役はそれまでなかったし、私の声優としての活動はあの作品から始まっていたんだなって。先輩のみなさんにたくさん構っていただいて…緊張しながらも楽しい現場でした!

——初レギュラー作品から環境に恵まれていたと。

新田:はい。じつは『おちこぼれフルーツタルト』と同じ、川口敬一郎監督だったんです。約6年ぶりにお会いしたら、私が大人になったことに驚かれていて(笑)。新人の頃に育てていただいた方とまたご一緒できるのは、すごくうれしいです。

——『おちこぼれフルーツタルト』では主人公の桜衣乃役を。どんなところが見どころの作品になりそう?

新田:楽しく見られるコメディ作品だな、と思います。でも、ギャグを意識すると突っ走りすぎてしまって。ずっと突っ走っていると観てくださる方も疲れてしまうので、抜くところは抜きながら演じるようにしています!

——最近では『温泉むすめ』白骨朋依役での活動も目立っていますが、参加してみてどうですか?

新田:一番かわいい!と思っていた白骨役を演じられていることが何よりうれしくて。パンクな服とか金髪とか見た目もかわいくて、とても真似はできないけど憧れます。強がりを言いつつ、じつはビビリなところもかわいい。所属しているユニット・Adhara(アダーラ)のゴシックっぽい世界観も好きです。

——アダーラとして、ライブに2回参加していますね。

新田:初めてのライブの時は、コンセプトがそれぞれ違うユニットの中でアダーラの魅力を表現できてうれしかったです。メンバーのみなさんも楽しい方々で、楽屋でも幼稚園みたいにキャッキャと遊んでいて。みんな赤ちゃんみたいに(笑)。みんな温かくて、そんなところもアダーラっていいなと思いました。ダンスレッスンの時から楽しくできていましたけど、ライブ当日はテンション上がってさらに楽しかったです!

——15歳の頃からここまで活動してきて、大変なこともありましたか?

新田:高校生の時、当時はそれほど大変だとは思いませんでしたけど、学校とお仕事を両立していたのは、今思えば頑張っていたなって。10代の後輩を見ると、「偉いなあ。そっか、自分も頑張っていたんだな」って思います(笑)。でも事務所が学業優先だったおかげで、学校行事にも参加させてもらって。挨拶もまともにできなかったのに、社会のルールもいろいろ教えていただいて。直接のお仕事以外にも、事務所にはめちゃくちゃ育ててもらっているなと思います。

——声優になって、新田さんにとってアニメはどんな存在になっていますか? アニメに助けられたことが声優のスタート地点でしたが。

新田:アニメに救われているのは、演じる側になってからも同じで。ネガティブで落ち込むこともありますけど、今はお芝居が大好きだし、自分以外の役を演じることでイヤな気持ちを解放できることもよくあります。

——お芝居が好きになって、お芝居に対する課題なようなものも、ありますか?

新田:その時々でありますけど、最近頑張っているのは肩の力を抜いて演じること。セリフも、普段の行動も、つい力みすぎてしまうことが多いので…。

——普段の行動も? 頑張りが伝わってきます! これから声優として新たにチャレンジしたいことはありますか?

新田:いろんな役に出会えたらうれしいですし、吹き替えやナレーションもできるようになりたいですね。8年間の中でもほぼ経験がないので。幅広く演じられる声優になりたいなって思います。ニコ生の冠番組『新田ひよりチャンネル』も始まりますし。ひとりでパーソナリティをするのがほとんど初めてなので、聴いてくださる方は心許ないと思いますが、よかったら助けてください(笑)。聴いてくださる方々と一緒に作っていくような番組なので。

——楽しいコミュニケーションの場になりそうですね。プライベートについても伺いますが、最近はまっていることは?

新田:裁縫やミシンをよくやっています。おばあちゃんが小さい頃から私の洋服を作ってくれて、教わったこともあったので、その時のことを思い出しながら。この前は、声優友だちのわんちゃんのお洋服を作りました。羊毛フェルトも好きで、無心でサクサクするのが楽しい。最近、友人が結婚したので、新郎さんと新婦さんを作ってプレゼントしました。

——お休みの日もそんな風に、無心になれる時間を楽しんでいる?

新田:そうですね。お出かけできる時は、お散歩も好きです。1時間くらい歩いてみて、地図で「意外と進んでないな」って確認したりとか(笑)。家から歩くこともありますし、このお仕事をしているとあっちこっちのスタジオに行くので、時間に余裕があれば一駅分散策することもあります。

——いい運動になりそうですね。

新田:じつは、ダイエットを始めたって言いながら、何もできていない状況で…。まだ1kgも痩せてない(笑)。それもあって散歩をしたいなと。本当はがっつりダイエットしたいんですけど、食べることが本当に好きで。10代に比べて痩せにくくなってきたので、それが気になっているのもあります。

——特に目がない好物ってなんですか?

新田:粉物が大好きで。母親が作ってくれる料理の中でも、“すいとん”とか餃子とか、たこ焼きとか、自分が好きな食べ物の時は一緒に作っちゃいます。一緒に作ると、余計においしくてたくさん食べちゃうな…っていう(笑)。

——それは食べちゃいますね(笑)。声優のお友だちでよく遊んでいるのは?

新田:嘉山未紗さんと田澤茉純さん、山本亜衣さんと鳥部万里子さん、それぞれ3人でよく会って、かまってもらっています(笑)。お散歩につきあってもらったり、ご飯でずっとしゃべったり。嘉山さんとは一緒にケーキを作りました。「理由もない闇期がきてシュンとしてるんですよね…」ってお話したら、それを覚えてくれていて。「うちでゆっくりしてケーキでも作らない?」って誘ってくれたんです。優しい…。

——心強いですね。

新田:はい。お仕事でもこんなふうにお友だちってできるんだ!って思いました。小学校の時の友だちはいますけど、中学、高校と友だち作りがうまくいかなかったほうなので、社会人になってからできたお友だちにすごく感謝しています。

——では最後に、記事を読んでくれた読者にメッセージを。

新田:子どもの頃のお話とか、プライベートのこととか、こんなにたくさん自分のことを聞いていただくことはなかなかないので、こんな機会を作っていただいてありがとうございます! もしかして「はじめまして」の方も、読んでいただいてありがとうございます。これからも応援をよろしくお願いいたします!

――新田さん、ありがとうございました!

【声優図鑑】新田ひよりさんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

新田ひより

新田ひより(にった・ひより)アーツビジョン所属

新田ひより(にった・ひより)Twitter

◆撮影協力

撮影=山本哲也、取材・文=麻布たぬ、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト