ボイメン・水野勝「凶悪犯役にも挑戦したい。役者業では普段と違う自分が見せられる」

あの人と本の話 and more

公開日:2020/7/16

 毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。名古屋発のエンターテイメント集団「BOYS AND MEN」でリーダーを務める水野勝さんは、公私ともに付き合いのある芸人・麒麟の川島明さんの本『#麒麟川島のタグ大喜利』をお気に入りとしてあげてくれた。本誌では川島さんとの出会いや本書の見どころを熱く語ってくれたが、ここでは水野さんが「ソロ活動」にかける想いについて迫っていこう。

水野勝(BOYS AND MEN)さん
水野勝(BOYS AND MEN)
みずの・まさる● 1990年11月22日、愛知県生まれ。名古屋発のエンターテイメント集団「BOYS AND MEN」のリーダーとして、 2010年にデビュー。役者としてのソロ活動も精力的で、16年には映画『復讐したい』で主演を務めた。21年の公開映画『お終活~熟春!人生、百年時代の過ごし方~』にも主演予定。
ヘアメイク:笹浦麻記(エミュー)

 個性豊かな面々が所属するBOYS AND MEN(通称:ボイメン)のなかでも、水野さんは“役者志向”が強い。デビュー間もない頃から舞台やテレビドラマに出演する機会も多く、2016年には『白鳥麗子でございます!』で主人公の相手役を務め、同年の映画『復讐したい』ではなんと主演に抜擢。以降も『HiGH&LOW』シリーズなどの人気作への出演を重ねていった。いわば、グループを代表する“役者メンバー”である。

advertisement

「今回、出演させていただいた『癒しのこころみ~自分を好きになる方法~』は、ありがたいことにオファーをいただいたんです。とても嬉しかったんですが、同時に責任も感じますよね。ただ、オファーしていただいたからには、全力で応えたい。監督から130キロの硬式ボールを受けられるようになってくれ、というオーダーがありましたけど、絶対にやってみせると思いました」

 ひとりの役者として認められたい。水野さんの根底にあるのは、並々ならぬ熱い想いだ。そのため、真剣に役柄と向き合った。

「ぼくが演じた上坂という男はキャッチャーという設定なんです。だから、まずはキャッチャーについて徹底的に考えて。野球ってどうしてもピッチャーが目立ちますけど、実はキャッチャーのリードが非常に大切なんですよ。そこがわかったとき、上坂のキャラクターも見えました。碓氷という元プロ野球選手をサポートするんだけど、あまり前に出すぎない。自然と碓氷の隣にいて、彼に寄り添うようなイメージです」

 また、上坂を演じる上では、自身のボイメンにおける立ち位置も役立ったという。

「ぼくはリーダーなので、常にメンバーを活かすことを考えているんです。バラエティ番組でもライブのMCでも、とにかくメンバーに話を振る。それって、ピッチャーを立てるキャッチャーに似てますよね。意外なところで共通点があったので、上坂にはすっと入っていけた気がします」

 今回の作品への出演によって、また新たに2作品への出演も決まったそうだ。「いまは役者・水野勝の種まきをしている段階」と笑ってみせるが、着実に芽吹き始めているのだろう。

「役者業の魅力は、グループ活動ではできないことにチャレンジできることです。たとえば、ぼくらは『男性グループ』とカテゴライズされることが多いので、グループ活動ではファンのみなさんを“胸キュン”させるようなことが求められがち。もちろん、それも面白いです。でも、役者業では違う世界観でアクションなど新しいことに挑戦できる。そのギャップが楽しいんです。今後はもっともっと『ボイメンの水野勝』というイメージを壊していきたい。凶悪犯の役とか、めちゃくちゃ面白そうですよね。とはいえ、グループから離れたいとは思っていません。グループの外での活動って、結果的にグループに還元できると思うんです。そうやって個々が強くなっていけば、ボイメン自体がとても強烈な団体になるじゃないですか。だから、ソロとグループ活動、どちらも両立していきたいと思っています」

取材・文:五十嵐大 写真:山口宏之

 

映画『癒しのこころみ~自分を好きになる方法~』

映画『癒しのこころみ~自分を好きになる方法~』

監督:篠原哲雄 出演:松井愛莉、八木将康(劇団EXILE)、水野 勝(BOYS AND MEN)ほか 配給:イオンエンターテイメント 7月3日全国ロードショー予定

●ブラック企業に勤める一ノ瀬里奈(松井)は、激務で心を折ってしまう。そこで出会ったセラピストの施術をきっかけに、自身もセラピストの道へ。やがてある日、怪我のトラウマに悩む元プロ野球選手・碓氷隼人(八木)が訪れ、里奈は再起を応援することに。

(c)ドリームパートナーズ