平松可奈子「自分なりの座長像をつくりたい」――大人気歴史改変ファンタジー主演舞台への意気込みを語る!

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公開日:2020/8/6

 断頭台で処刑されたわがまま皇女が12歳に逆戻り!? 前世の記憶と日記帳を頼りに、運命を変えようとする――。大人気歴史改変ファンタジーが満を持しての舞台化決定! 主人公ミーア役の平松可奈子さんにお話を伺いました。

平松可奈子さん

好きな洋服や作品に出会うと、心がふわあっと、ときめく――舞台はそんな感じです

 アイドルグループSKE48を卒業後、女優活動をはじめとしてファッションブランドのプロデュースやアイドルユニット「虹色の飛行少女」のセンターなど、多方面で活躍中の平松さん。『ティアムーン帝国物語 断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー THE STAGE』で久しぶりに舞台に立つ喜びを語ってくれました。

「今年の春以降、予定していたお芝居の仕事やライブ活動が軒並み中止になってしまって、したいことができない苦しさと、こういう状況になって改めて自分はお芝居が好きだという気持ち。そんないろいろな感情と向き合いながら過ごしていました」

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 平松さんが演じるミーア姫は、わがままだった前世を悔いて新たな人生を生き直すポンコツお姫様だ。ひたすら保身のために人助けをし、善行を積んでいくうちに、意図せずして周囲の人望を集めていってしまう。

「原作小説とコミックスを楽しく読みました。ミーア姫、かわいいですよね。本当は小心者なのに一所懸命ドヤ顔をつくって、実はいっぱいいっぱいというのが……その気持ち、よくわかります(笑)」

 意外にも平松さんにとって初の単独主演となる。

「2014年に初舞台を踏んで今年で7年目になります。最初は何もわからなくて、たくさん叱られて、褒められて、励まされて、一歩一歩少しずつ積み重ねてきました。SKE48時代からそうだったんですが、ライブや舞台という観客の皆さんの前でパフォーマンスをするのが、私はやっぱり大好きなんです。中でもお芝居は特別で、いつか主役をやりたいという目標をずっと自分の中で掲げていました」

 その夢がとうとう叶った。だけどそれだけに、プレッシャーも大きいのではないだろうか?

「それが座長という責任はしっかり感じているんですが、緊張はしていないんです。ステージに立つこと自体はずっとやってきましたし、今までに参加した舞台で素敵な座長さんをたくさん見てきました。その方たちから得たものを生かして、自分なりの座長像をつくりたいですね」

 今の自身にとって演じることは「何より嬉しい仕事」という。

「もちろんファッションも大好きで、プロデュース業は自分の特技であり需要もあると感じています。対してお芝居は、これまでの人生で経験してきた感情や気持ちを表現することができて、それはすごい快感なんです。好きな洋服や好きな作品に出会うと、心がふわあっと、ときめきませんか? 私にとって舞台はまさにそんな感じなんです」

『SORAは青い』の駒姫、『俺はヤンキーになりたかった。』の赤城希望、本作をオファーされたきっかけとなった今年2月の舞台『思春~遥かなるオヤジーデ~』の干物女子・小泉京香と、さまざまなキャラクターを演じてきた平松さん。ミーア姫のことを「遊べるポイントがたくさんある役」ととらえている。

「ストレートないい子ではなくて、性格的にややブラックなところがあるのが面白いですね。何度かお姫様の役は演じてきたのですが、ミーア姫のような役柄は初めてなのでわくわくしています。衣装もとても楽しみで、原作とコミックスでのミーア姫のファッションは、私がプロデュースをしていたブランド“ハニーシナモン”とちょっと似ているんです。マリー・アントワネットのような世界観という感じで。内面も外面もどこまでミーア姫を表現できるか、原作ファンの方々の期待に応えつつ、予想を裏切りつつ、彼女のいろいろな表情を見せていきたいです」

舞台版のあらすじ
革命の日、断頭台に立つひとりの王女がいた。彼女の心にあったのは、恐怖とそして後悔……断頭台にかけられた彼女が目覚めると、なんと、12歳のころの自分に戻っていた! 手には血塗れの日記帳。日記帳は彼女に語りかける。「再び断頭台に上がりたくなければ、帝国の危機を自らの手で救え!」。ワガママ姫[ミーア]は、 第一に、自分の命を守るため! そしてちょっぴり、帝国のみんなのために、やり直しの人生を生き始める。隣国の王子[シオン]と[アベル]、味方となってくれる文官[ルードヴィッヒ]と武官[ディオン]、未来を指し示してくれる日記帳たち[ルージュ]と[ブラン]と共に、ギロチン回避をきっかけとした、ドタバタ世直し劇が始まる!

取材・文=皆川ちか 写真=渡邉和弘

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