【特集:マギアレコード②】[みかづき荘座談会]麻倉もも×雨宮 天×夏川椎菜 次世代に継承された“伝説”

アニメ

公開日:2020/9/18

マギアレコード場面写真

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 『まどか☆マギカ』に連なる作品『マギアレコード』は、行方不明となった妹を探す環いろは(CV:麻倉もも)の視点で描かれる。彼女が神浜市で出会う〈魔法少女〉たちが、七海やちよ(CV:雨宮天)と由比鶴乃(CV:夏川椎菜)だ。彼女たちを演じる3人に話を聞いた。

麻倉ももさん
麻倉もも
あさくら・もも●1994年生まれ。福岡県出身。出演作に『WWW.WORKING!!』の柳葉ミリ役、『ハイスクール・フリート』伊良子美甘役、『Charlotte』乙坂歩未役など。ソロアーティストとしては7枚のシングル、2枚のアルバムをリリースしている。

 

雨宮天さん
雨宮 天
あまみや・そら●1993年生まれ。東京都出身。出演作に『この素晴らしい世界に祝福を!』アクア役、『七つの大罪』エリザベス役など。数多くの作品のヒロイン役で活躍している。ソロアーティストとしても3枚目のアルバムリリースを9月2日に予定している。

 

夏川椎菜さん
夏川椎菜
なつかわ・しいな●1996年生まれ。千葉県出身。出演作に『ハイスクール・フリート』岬明乃役、『Classroom☆Crisis』上永谷アキ役などがある。ソロアーティストとして4枚のシングルをリリースして活躍するほか、小説家としても2作を上梓している。

 

『まどか☆マギカ』シリーズの新作に挑む3人の想い

――『マギアレコード』でメインキャラクターを演じる3人にとって、『まどか☆マギカ』は彼女たちが声優になる直前の放送。彼女たちは当時、この作品をどのように受け取っていたのだろうか。

夏川 私はわりとリアルタイムで観ていました。友だちの間ですごく話題になっていて。どういう作品なんだろうと気になって私も観始めたんです。実際に観たら、ただただ衝撃でしたね。多少トラウマになっているシーンがあります。とくに有名な第3話は印象に残っていますし、キュゥべえが撃たれて穴だらけになるシーンは本当に怖かったです。キュゥべえは良いヤツじゃないですけど、キャラクターとしてかわいかったので衝撃的だったんですよね。

雨宮 私はゲーム版『マギアレコード』に参加することが決まってから『まどか☆マギカ』を観たんです。有名な作品なので、いろいろとネットなどで見聞きしていたんですけど、それでも自分の予想を超えた、見たことのない世界で。救いも何もない現実を突きつけられていく作品でしたね。いち視聴者なのに自分がどんどん追い詰められていく没入できる作品で、一気に観てしまいました。

麻倉 私は怖いシーンが苦手なので、ナンちゃん(夏川)に事前に聞いて。何話に何が起きるかネタバレしてもらった状態で観ました(笑)。でも、怖いけれど先を観たくなる物語だったので、私も一気に観ました。観終わったあとは、私もリアルタイムでこの衝撃を味わいたかったってすごく感じましたね。

――そんな3人は緊張感とともに『マギアレコード』に参加したという。ゲーム版の収録はひとりひとりが単独でスタジオに入って行われた。キャスト陣が初めて顔を合わせたのはサービス開始1周年のリアルイベント「Magia Day 2018」だった。

麻倉 ゲームでみんなの声は聴いていたんですけど、初めて生で対話できたのは1周年イベントでした。(由比)鶴乃ちゃんと(深月)フェリシアちゃんの掛け合いはかわいくて素敵でしたし、フェリシアちゃんの叫びや彼女の背負ったものをあらためて感じて、好きなキャラクターになりました。

雨宮 私たちにとって「まどか☆マギカ」シリーズにおける初のイベント出演だったんですが、お客さんが静かに見守る感じだったのが、すごく印象的でしたね。

夏川 たしかに独特な雰囲気でしたよね。お客さんに歴戦の猛者感があるなと(笑)。どんな発表があるかわからないぞとお客さんも緊張している感じがあったのが印象的でした。

マギアレコード場面写真

『マギアレコード』で起きた衝撃展開 そしてアニメ化

――ゲーム版のストーリー(第1部)で衝撃が走ったのは、鶴乃の運命だった。

夏川 ゲーム版の鶴乃は第1部の物語の途中で闇落ちしちゃうんです。ゲームの台本をいただいたときに、その展開を初めて知ったのですごく衝撃的でした。『まどか☆マギカ』の世界なら、こういうキャラクターが出てきても違和感はないんですが、それが鶴乃とは思っていなかった。鶴乃は猪突猛進で明るいキャラクターで、シリアスな場面でも空気を読まずにコミカルな感じで出てくる子だったので、彼女の意外な表情が出てきて、びっくりしましたね。

麻倉 私が演じる(環)いろはや、(雨宮)天が演じる(七海)やちよは、どちらかというとローテンションなんです。鶴乃がいることで、明るい雰囲気になっているところがあったので、そんな展開があるとは思いませんでした。台本をいただいたときに天がひさしぶりにLINEを送ってきて。「鶴乃いい子やー」って(笑)。

マギアレコード場面写真

夏川 LINE来たねえ。

雨宮 あはは(笑)。台本を読んで鶴乃の心の奥を知って、なんてけなげなんだろうと泣いちゃったんです。感動のあまりLINEしちゃいましたね。

夏川 私も台本を読んで泣いてました。ひとしきり泣き終わったあとにLINEが来たので、うれしかったです。

――やがて『マギアレコード』はアニメ化が決まる。3人にとってかなりプレッシャーが大きかったようだ。

麻倉 やっぱり『まどか☆マギカ』がつくった功績が大きすぎて、私で大丈夫かなという不安でいっぱいでした。同時に、ゲームで描かれていた〈魔法少女〉たちがどんなふうに動くんだろうと楽しみなところもありました。

雨宮 私もプレッシャーを感じていたんですけど、アニメ版の『マギアレコード』第1話からオリジナルのエピソードだったので、ゲーム版とは違うストーリーになるかもしれないなと不安になりました。『まどか☆マギカ』第3話の衝撃がよみがえって……誰が(巴)マミさんと同じ運命をたどるんだろうって。ドキドキして収録をしましたね。

夏川 ゲーム版の第1部が終わってからアニメ版の収録だったので、キャラクターへの理解も深い状態でできたのが良かったですね。鶴乃は第4話からの登場だったのですが、『まどか☆マギカ』なので、これは油断できないぞと緊張感をもって臨んでいました。完成した映像を見ると『マギアレコード』は余白が多く、ちょっとした伏線があちこちに埋め込まれている。ゲーム版をベースにしながらも、違う見え方になっているのが新鮮でした。

――『マギアレコード』には、『まどか☆マギカ』に登場した見滝原の〈魔法少女〉たちも登場している。見滝原のキャスト陣とともに収録した感想は?

麻倉 当時の話はあまり伺っていないのですが、キュゥべえ役の加藤英美里さんから「『まどか☆マギカ』の収録のときも、どんな映像になるのかわからないまま収録していた」と伺って、ほっとしました。『マギアレコード』でも完成した映像のイメージがもてないまま、収録をしていたので不安だったんです。加藤さんのことばを聞けて本当にありがたかったです。

雨宮 やちよはマミさんと激しく言い合いをするんですよね。『まどか☆マギカ』ではマミさんはいろいろな経験を積んでいるので、精神的にオトナっぽい。『マギアレコード』ではそうではないですから、収録中に音響監督の鶴岡(陽太)さんと相談して、ちょっと少女っぽく修正していたのが印象的でした。マミさんの精神が壊れていく演技も素晴らしいなと思いました。

マギアレコード場面写真

夏川 私は当時のファンとして、キュゥべえや見滝原の〈魔法少女〉の声を聴くだけで高揚してしまうんです。とくにキュゥべえの感情なく、ひたすら論理的に言い立てる感じが、私の中にある『まどか☆マギカ』の世界観をそのまま表現していて。『マギアレコード』が『まどか☆マギカ』シリーズなんだとあらためて強く感じましたね。

物語はいよいよ第2シーズンへ

――アニメ『マギアレコード』は、〈魔法少女〉たちの救済を謳う「マギウスの翼」たちが現れ、いろはたちと対峙するところで第1シーズンが終わった。見滝原の〈魔法少女〉巴マミは、ホーリーマミと名乗り、いろはたちを圧倒する。第1シーズンを終えた3人の気持ちは?

麻倉 第1シーズンが終わったら、ひと息つけると思っていたんです。でも、そんなこともなくて、むしろ緊張感が増したなという感じですね。いろはとやちよの行方も気になりますし、スタッフさんからは今後オリジナル展開もあると聞いているのでドキドキしています。

雨宮 そうだよね。第1シーズンは主な登場人物がそろって、ようやく世界観が説明された状態だなと思うんです。本当のストーリーの核となる部分はこれから。『まどか☆マギカ』のような絶望感がこれから味わえるのかもしれません(笑)。第2シーズンは気を引き締めて収録していきたいなと思います。

夏川 天さんも言っていたように、第1シーズンは〈みかづき荘〉(註:七海やちよの自宅で、環いろはや由比鶴乃らが集う場所)のメンバーがやっとそろって、ようやく「マギウスの翼」に手が伸びたくらいで。物語としてはまだ序章でしかないと思うんです。第1シーズンでは〈みかづき荘〉のみんなが仲良くゲームをしていたり、何気ない日常のシーンも多かったので、第2シーズンではそれがすべてひっくり返って、哀しい思い出になりそうでちょっと心配しています……。ゲームと同じような展開になるのかどうかも私にはわからないのでかなり緊張しています。

雨宮 まだ、何が起きるかわからないですからね。やっぱり鶴乃あたりが心配ですよ……。

夏川 やめてー! 本当に心配なんだから!!

取材・文:志田英邦

 

この記事で紹介した書籍ほか

ダ・ヴィンチ 2020年10月号

出版社:
KADOKAWA
発売日:
ISBN:
4910059871000