夏バテは生理不順や生理痛に影響する? 夏バテと婦人科の病気の関係

健康・美容

公開日:2020/9/11

 女性特有のからだの不調やトラブルで悩んでいませんか。「お医者さんに行くほどではない…」「デリケートなことなので人には聞きにくい…」そんな体の悩みを、All Aboutガイドであり、ポートサイド女性総合クリニック・ビバリータ院長の清水なほみ先生に聞きました。自分のからだと向き合い、健やかに過ごす手助けとなってくれることでしょう。

夏バテは生理不順や生理痛に影響する?

 9月に入って、夜風は少し秋を感じる涼しさになってきましたが、日中はまだまだ厳しい暑さが続いていますね。暑い時期に、だるさなどの「なんとなくの不調」が続くことを「夏バテ」と呼んでいますが、夏バテになると婦人科の病気になりやすくなるのでしょうか?

 医学的には、夏バテを引き起こす原因は、直接月経不順や月経痛などの原因と関係ないため、夏バテで体調不良が続いたから、婦人科的にも影響を受けるとは言い切れません。でも、実際は「毎年夏になると生理が遅れがちになるんです」「暑さに弱くてこの時期は生理も乱れます」とおっしゃるケースも少なくありません。

 本人が、「この季節は体調不良になる」と信じ込んでいるせいで、そうなりやすいということも大いにありますが、夏バテになるとホルモンが乱れやすくなる可能性はあるのです。

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 夏バテの原因は、気温の変動に体がついていけずに自律神経の調節機能が落ちてしまったり、発汗や食欲の低下から栄養のバランスが乱れたり、冷房で冷えすぎたりすることが挙げられます。自律神経をコントロールしているのは「脳」ですが、このコントロールセンターに当たる部位と、ホルモンの調節をしている部位がとても近いために、自律神経が乱れるとホルモンバランスも乱れやすくなります。

 また、冷えによる血行不良は月経痛や月経不順の原因となりえますし、栄養が偏ればホルモンがうまく作れなくなる可能性はあります。暑いからといって、そうめんやサラダなどのあっさりしたものばかりとっていると、たんぱく質やミネラルは不足してしまいがちです。

 月経は、ある程度自分自身の健康状態のバロメーターになるものです。心身に何らかの負担がかかった時に周期が乱れたり、不正出血したり、普段よりも痛みが強く出たりします。これらの体からのサインを上手に読み取って、「あ、ちょっと寝不足だからしっかり寝よう」「食べているものを見直そう」「生活リズムを整えよう」といった、「微調整」をしていけば、大きく体調を崩す心配はなくなるでしょう。

 暑い日ほど、しっかり湯船につかって1日の疲れをリセットしたり、ゆっくり噛んで味わって食事をとったり、どうやって自分の体をメンテナンスしていけばいいのか、自分なりにいろいろ工夫してみるとよいでしょう。