活動開始から1年、『学芸大青春』メンバーが語る“これまで”と“これから” ④仲川 蓮編

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公開日:2020/11/23

仲川 蓮

リアルに存在しながらも、2次元キャラクターの姿で活動する。3次元の姿を見せることはあっても、顔出しはしない。『学芸大青春』は、「2次元と3次元を行き来するダンス&ボーカルグループ」という不思議なコンセプトで活動するボーイズグループだ。だが、彼らはけしてキワモノではない。地道に努力を重ね、技術を磨いてきた本格派ダンス&ボーカルグループだと胸を張ってお伝えできる。『学芸大青春』の歩みと、彼らにしか持ちえない魅力については、こちらもぜひご覧いただきたい。

今回の特集記事では、11月28日に初の有観客ライブを控えた『学芸大青春』メンバー5人に、ソロインタビューを実施。活動開始から1年経った今のリアルな思い、彼らが目指す到達点について語ってもらった。第4弾は、ミステリアスな雰囲気が魅力の仲川蓮が登場!

仲川 蓮

5人だけじゃなく、ファンの皆さんも合わせてチームだなと思うようになりました

──蓮君は、広島出身なんですよね。『学芸大青春』に入るまでは、どんな日々を送っていたのでしょうか。

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仲川:事務所に入る前はずっと広島に住んでいました。小さい頃からクラシックピアノを20年くらい習っていて、上京するまで同じ先生についていたんです。中学の頃は吹奏楽部でサックスを吹いたり、高校時代はバンドで歌を歌ったり、広島ではずっと音楽に触れていましたね。

──ずっと音楽に親しんできたようですが、ご家族が音楽の仕事をされていたりするんですか?

仲川:いえ。でも、母がもともとピアノとエレクトーンをやっていたり、父もバンドをやっていたりしたので。家の中で音楽に触れる機会は多かったと思います。

──小さい頃から、芸能界にはあこがれていたんですか?

仲川:小さい頃は、人前で目立つことをやるのが好きで、アイドルを見て自分もなりたいと思うこともありました。でも、僕は子供の頃から物事を現実的に見ていて(笑)。広島にいると、物理的に難しいだろうなとわかっていたんですよね。それなら、仕事をして稼いだお金で音楽をやっていければいいなって。なので、こっちの道を目指していたわけではないですね。

──じゃあ、普通に就職していた可能性も?

仲川:ありますね。

──それが、突然『学芸大青春』のメンバーになったのはなぜでしょう。

仲川:ピアノの先生の紹介で、ご縁があって今の事務所を勧めていただきました。僕はひとりっ子なので、将来家族の面倒を見るのは自分しかいません。だから進学先や就職も広島がいいだろうと考えていたんです。事務所に入るとなった時、広島を離れて東京に来ることには不安がありました。

──けっこうな決心ですよね。エンターテインメントの道に進もうと決意したきっかけは?

仲川:事務所に入る前に、自分でもこの事務所のことを調べましたし、『学芸大青春』のプロジェクトについて丁寧に説明していただいて。お話を聞く中で、「ここに参加すれば自分が思い描く将来に近づけるんじゃないか」と思って、覚悟を決めました。

──ひとりっ子だと親御さんも心配されたのでは?

仲川:もともと家事を親にやってもらっていたので、生活面の心配はされました(笑)。でも、こういう道に進むことには反対されず、応援してもらっています。自分の中でも、「もうダメだな」って思ったらズルズル引きずらず、広島に帰って就職しようと決めていたんですよね。そういう面では心配されていないかなと思います。

──「30歳になるまでにこれができなかったら帰る」みたいな、時間的な区切りを設けているんですか?

仲川:大学の新卒の方が卒業して2年経つまで、つまり24歳までにデビューできなかったら広島に戻ろうと決めていました。その条件はクリアできました。

──良かったです。蓮君は「ミステリアス」と言われていますよね。ご自身ではどういう性格だと思っていますか?

仲川:よく「変わってる」って言われるんですけど、僕から言わせてもらうと逆に僕の周りの人が変わっているなって思います(笑)。

──変わっていると言われるのはどういうところですか?

仲川:話をしていて、「あ、そういう観点から物事を見ているんだ」ってよく言われるんです。僕、俯瞰的に物事を見ていろいろ分析するところがあるので、それで不思議って言われるのかもしれません。ミステリアスと言われるのは、誰にも何も言わずに自分の部屋で作業しているからでしょうか。ひとりでいるのが好きなタイプなので。

──ちなみに何をしてるんですか?

仲川:作曲をしていることが多いです。

──共同生活を始めて、4人の印象もだいぶ変わりました?

仲川:わりとみんなアホですね(笑)。

──(笑)どういうところがですか?

仲川:最初は「売れるぞ!」みたいな感じで、みんな気合が入った状態で共同生活が始まったんですけど、いざ一緒に生活してみると、たくさんふざけあったりもするんですよね。そういう楽しい面を見ると「アホだなー」って思います(笑)。

──共同生活を通じて、グループの空気感も変わってきたと感じます?

仲川:ずーっと一緒に生活しているので、家族みたいにお互いのことを分かり合えるようになりました。最初は優輝が硬かったので、「これじゃダメだな」と思ってみんなでイジり続けた結果、優しい子になりました(笑)。というか、最初から優しい子ではあったんですけど。

──最初に『学芸大青春』のコンセプトを聞いた時は、どう思いましたか?

仲川:最初は、正直よくわからなかったです。でも、3Dモデルを使ったVTuberさんが増えているので、時代の波には合っているプロジェクトなのかなと思いましたし、面白そうだなと思いました。

──将綺君は歌、優輝君はダンスがしたくて、このグループに入っています。蓮君は、どういう志向でグループに加わったのでしょうか。

仲川:僕は、何かをやりたいというよりも「音楽をできたらいいな」と思っていました。音楽があれば、幸せなので。No Music No Lifeですね(笑)。

──ダンスの経験はあったのでしょうか。

仲川:まったくなかったです。苦手意識があったので、すごい苦しみましたし、今も苦しんでいます。グループの中でも、僕が一番苦手なんですよね。優輝に自主練で教えてもらってます、ずっと。

──不安になりませんでした?

仲川:まったく未知の世界だったので、どれくらい練習したら人に見せられるレベルに到達するのか、最初はわからなくて。でも、続けていくうちに「次のMV撮影までにこれぐらい練習すれば人に見せられるくらいになるな」と計算できるようになりました。

──ダンスにおいて成長を感じるのは、どんな時でしょう。

仲川:振り付けを覚えるスピードが、以前よりも早くなりました。あとは、指先まで意識できるようになりましたし、ダンスの中で意識できることが増えていて。成長できたのかなって思います。

──ダンスの練習には、どれぐらいの時間を割いているんですか?

仲川:今はライブ前なので、ほぼ毎日です。デビュー前も、ほぼ毎日でしたね。多い時は5時間ぐらい練習していました。それプラス、自主練ですね。

──バンドをやっていたというお話だったので、ボーカルについては苦労しなかったのでは?

仲川:でも、ボイトレを受けたことがなかったので、正しい発声法がわからなかったんです。バンドとポップスでは歌い方も違うので、最初は苦戦しました。バンドの頃と違って、ハモリパートを担当することもあって、それも少しずつ慣れていきました。

──とはいえ、メンバーの中ではもっとも音楽経験が豊富です。その経験が活かされていると思うのは、どんな時ですか?

仲川:頭の中で勝手に楽譜が書けるので、そういう時にピアノをやっていたおかげだと思います。リズムの捉え方も、けっこうできるほうかなって。同じリズムでも「この音楽ではリズムの捉え方がこう違うよ」と、メンバーにアドバイスすることもあります。

──5人がひとつになったと感じたのは、どんな時でしょう。

仲川:仕事をひとつひとつ積み重ねていくことで、例えば動画を撮り終えたあとに「前回よりもトークがハマったな」「呼吸が合ってきたな」と感じるようになりました。ある時点で一気に団結力が上がったというよりは、ひとつひとつこなすことで少しずつ団結が深まってきたという感じです。

──ここまで活動を続けてきて、グループに対する思いに変化はありますか?

仲川:はじめは“5人VS世の中”みたいな感じで、「世の中の人に僕たちを知ってもらうぞ」と頑張ってきました。いざ活動を始めて、ファンの方々に応援していただけるようになってくると、この5人だけじゃなくファンの皆さんも合わせてチームだなと思うようになりました。

──前例のないグループですから、どうやって世の中に認められるかというところからスタートしたわけですよね。反骨心もあったのでしょうか。

仲川:そうですね。やっぱり前例がないことをしているので、モデルにできる方もいないですし。自分たちがやっていることが正しいのかもわからないまま、活動を続けてきました。だからこそ、ファンの方々が少しずつ増えていったのはすごくうれしく感じるんです。

──2次元の姿をまとっていると、ダイレクトにファンと接することはできませんよね。そのあたりでの葛藤はありますか?

仲川:もちろん早く顔を出して、ナマでみんなに会いたいと思うことはあるんですけど。でも僕、現代っ子なのでSNSや生放送のコメントでも満足できちゃうんです(笑)。

──ほかのダンス&ボーカルグループにはない、『学芸大青春』の魅力はどこにあると思いますか?

仲川:2次元のキャラクターって、例えば好きな食べ物がずっと変わらないと思うんですよ。僕たちは生身の人間なので、好きな食べ物もつけているアクセサリーもその時々で変わる。2次元のキャラクターでありながら、より人間的な部分を見せていけるのは強みだと思います。

仲川 蓮

僕たちを応援しないと、人生損します

──では、9月に発売された1stアルバム『HERE WE ARE!』のお話を。収録曲の中で、特に印象に残っている楽曲は?

仲川:“スニーカー”ですね。コロナ禍の中で、夢をどうしても諦めなければならない状況もあると思うんです。そういう方々に、少しでも元気を与えられたらと思って、僕たちはこの曲を歌っています。《I AM ME U r U でも1人じゃない》って歌詞があるんですけど、人は自分が選んだ道を進んだとしても、ひとりじゃ生きられないからお互いに支え合っているんですよね。そういう思いをあらためて実感させてくれる歌詞ですし、なにか壁にぶつかった時も「自分はひとりじゃない」と思えて元気が出るんです。

──ソロ曲“Maybe Maybe Not”はいかがでしょう。

仲川:キーが高くて歌うのに苦労しましたけど、僕の世界観、僕が普段見ている世界をファンの方と共有できたんじゃないかと思います。

──独特な世界観ですよね、雨がモチーフになっていて。

仲川:将綺が歌っているパートの後ろで流れているのは、僕が作曲した旋律です。僕にとっての雨を表現したので、そういうところも感じとってもらえたらうれしいなと思います。

──11月28日のライブに懸ける思いを聞かせてください。

仲川:5月のライブが配信のみになってすごく悔しい思いをしたので、やっと対面でライブができるのを僕たちも楽しみにしています。来てくださった方には、絶対楽しんでもらおうという気持ちでいっぱいですね。配信で見てくださる方にも、前回以上に楽しんでもらおうという思いで練習しています。

──5月の配信ライブから進化しているポイントは?

仲川:曲数が倍以上になっていますし、ひとつひとつのダンスや歌のクオリティも確実に上がっています。そういうところは成長できていると思います。

──この1年、蓮君と『学芸大青春』は、どう成長していると思いますか?

仲川:僕自身は、ダンスが一番成長したかなって思います。『学芸大青春』で言うと、お互いが阿吽の呼吸になってきたかな、と。最近はラジオもやらせていただいているんですけど、トークがかみ合い、相手の話を引き出せるようになってきたなと思います。

──今後『学芸大青春』として、どんな活動をしていきたいですか? 2次元と3次元のバランスをどうしていきたいかという点についてもお聞かせください。

仲川:やっぱりライブかなって思います。僕たちのいろんな面を、ライブでお見せできたらうれしいですね、。バランスに関しては、50%ずつ分けるというよりも、ふたつの姿を持っているので2倍楽しませることができるという考えでやっています。100%と100%で、200%楽しませるようにできたらいいなって。例えば、3Dドラマ『漂流兄弟』をリアルな僕たちが演じたり、3次元でやったことを2次元の姿でやってみたり、両方を行き来できたら、と思います。

──ライブアーティストとして、目指すことはありますか?

仲川:大きい会場でやりたいというのは、僕たち全員の目標です。最終的にはアリーナなどで公演できるようになりたいですよね。

──では、この記事で『学芸大青春』を知った方に、メッセージをお願いします。

仲川:僕たちを応援しないと、人生損します。

──時々、強気発言が出ますね(笑)。

仲川:大きいことを言って、自分を追い込んでいるんです(笑)。

──『学芸大青春』を応援しているファンにもメッセージをお願いします。

仲川:みなさんは人生に得してます(笑)。なので、これからも応援よろしくお願いします。

──メンバー4人に向けて、普段言えないようなメッセージをどうぞ。

仲川:いろいろ迷惑かけていると思いますけど、4人がいることで支えられています。これからも末永くよろしくお願いします……。


学芸大青春 1st LIVE『WHO WE ARE ! Return!!』
■日時:11 月 28 日(土) 17:00 開場 18:00 開演
イープラスにて配信チケット発売中 ※アーカイブ配信あり
https://gjunes.com/live/gj003/

Official HP https://gjunes.com/
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漂流兄弟 作品HP https://gjunes.com/drifting-brothers/

取材・文:野本由起