活動開始から1年、『学芸大青春』メンバーが語る“これまで”と“これから” ⑤相沢勇仁編

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公開日:2020/11/24

相沢勇仁

リアルに存在しながらも、2次元キャラクターの姿で活動する。3次元の姿を見せることはあっても、顔出しはしない。『学芸大青春』は、「2次元と3次元を行き来するダンス&ボーカルグループ」という不思議なコンセプトで活動するボーイズグループだ。だが、彼らはけしてキワモノではない。地道に努力を重ね、技術を磨いてきた本格派ダンス&ボーカルグループだと胸を張ってお伝えできる。『学芸大青春』の歩みと、彼らにしか持ちえない魅力については、こちらもぜひご覧いただきたい。

今回の特集記事では、11月28日に初の有観客ライブを控えた『学芸大青春』メンバー5人に、ソロインタビューを実施。活動開始から1年経った今のリアルな思い、彼らが目指す到達点について語ってもらった。ラストを飾るのは、モニター越しのオンライン取材でもあふれる色気が伝わってくる“セクシーテロリスト”相沢勇仁!

相沢勇仁

共同生活をしていると、歌やダンスはもちろんトークの息も揃うんです

──まずは、活動開始前の話を聞かせてください。中高生の頃にハマっていたことはありますか?

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相沢:小さい頃から歌うことが好きで、中学時代には本格的に音楽にハマり始めました。いろんなジャンルの音楽を聴いたり、アーティストのライブに行ったりするうちに、ロックに影響を受けて「高校では絶対バンドをやりたいな」って強く思うようになって。中学まではサッカーをやっていたんですけど、高校時代はロックバンドでボーカルを担当していました。

──その頃から、プロ志向だったんですか?

相沢:そうですね。バンドとしてプロになりたいと思っていました。

──当時歌っていたのは、オリジナル曲ですか?

相沢:カバーメインでした。カバー曲をやるうちに、ギターの子と一緒にメロディを考えたり、作詞したりするようになったんですけど、そうこうしているうちに高校生活があっという間に終わってしまって。メンバーからも「大学受験に向けて勉強しなきゃいけないから、バンドはいったん落ち着きたい」という声が上がってきたんです。なので、オリジナルの曲を本格的にやるところまでは行きませんでした。

──同じ音楽活動ではありますが、『学芸大青春』はボーカル&ダンスグループなので、バンドとは方向性が違いますよね。そこに葛藤はありませんでしたか?

相沢:バンド活動が落ち着いてからも、歌を好きな気持ちは変わらなかったので、個人的に歌の練習をしていました。そのタイミングで、ちょうど今の事務所からスカウトしていただいたんです。僕がやろうとしていた活動と完全に一致していたわけではありませんが、人前でパフォーマンスしたり、歌ったりする点は共通していたので「やっぱり歌を歌いたいから、この事務所、このプロジェクトでやっていきたいです」と言いました。

──ダンスの経験はあったのでしょうか。

相沢:完全に初心者でしたね。でも、レッスンを受けたら楽しかったので大丈夫だろうと思いました。

──2次元と3次元を行き来するというコンセプトは、スムーズに受け入れられましたか?

相沢:最初はイメージが浮かばなかったんですけど、ほかのグループにはないコンセプトなので面白そうだなと思いました。それに、歌とダンスのレッスンも受けさせてもらえるという話だったので、自分のスキルを上げられるならいいな、と思って。深く考えすぎず、「とりあえずやってみよう」って感じでした。

──2次元のイラストを見た時は、どんな気持ちでしたか?

相沢:めちゃくちゃかっこよくてうれしかったんですけど、正直「こんなにかっこよく描いていただいていいのかな」という気持ちはありました。自分が似ていると思うのは、目元ですね。横に長い二重で吊り目なんですけど、そこは似ているかなって。

──ほかのメンバーに初めて会った時のことは覚えていますか?

相沢:ひとりひとり印象が違いましたね。陽介は、「元気でかわいらしい年下の子がいるな」思ったら年上でびっくりしました(笑)。優輝は、初めてのレッスンからダンスへの情熱がすごかったです。それを見て、「俺も負けてられないな」と思いました。お互いにレッスンや練習で熱くなっている時はちょっとぶつかっちゃうようなタイプなんですけど、レッスンが終わって話してみると「育ちが良いし、賢いヤツだな」って徐々に打ち解けていきました。とは言っても、最初の頃は寮に帰ってもレッスンのバチバチ感が残ってる時もありましたけど(笑)。

──優輝君は「以前の自分は尖っていた」と言っていましたが、勇仁君も尖っていたんでしょうか。

相沢:今に比べたら尖っていたのかなと思います。とはいえ、今も丸くなってないと思いますけど(笑)。

──将綺君は、勇仁君と同じボーカリスト志望ですよね。そこでぶつかることはありませんでしたか?

相沢:むしろ「あ、歌好きなんだ!」ってお互い共感できました。性格的には、将綺はしっかりしてるけどお調子者なんですよね。レッスン中、ひとりがパフォーマンスして、みんながそれを見るという時間があるんですよ。ある時、将綺がケガか体調不良で見学していたんですけど、僕がメンバーのパフォーマンスを真剣に見ていたら、めっちゃ変顔してくるんですよ。そういうおちゃらけたところがありますね。

──蓮君はいかがですか?

相沢:初対面の時は、「不思議だな、独特の雰囲気だな」と思いました。ある時、スタッフさんが蓮に「好きな昆虫って何?」って聞いたんですよ。まあ、その質問も変なんですけど(笑)。その時に蓮が「カブトムシ」って答えていて。自分だったらそもそも好きな昆虫なんて考えたこともないし、変わった子だなと思いました(笑)。

──勇仁君は、自分がどんな性格だと思いますか?

相沢:基本は冷静ですが、レッスンでは負けず嫌いな部分もあります。あと、周りの目をそんなに気にしないので、考え方は自由なほうなのかなって思います。マイペースですしね。

──個性がバラバラなのが『学芸大青春』の魅力ですが、チームとしての一体感を味わったのはどのタイミングでしょう。

相沢:5月の配信ライブです。ライブの準備期間になると、普段のレッスンよりも練習に力が入りますし、「ファンの子たちの期待に応えよう」「その期待をいい意味で裏切ろう」という思いがそれぞれに湧き上がってきて。少しでも良いパフォーマンスをするために、ダンスや歌のリハ、MCの話し合いをみんなでしたので、結束も固まりました。ライブ当日もすごく楽しくて、5人がひとつになれてる感じがありました。これからも、ひとつひとつのライブを大切にしたいし、思い切り楽しんでいきたいです。

──活動開始から1年が経ちますが、壁にぶつかったり、悩んだりしたことはありますか?

相沢:あんまり悩み事とかないタイプなんですけど、つらかった時期はあって。自分たちはダンス&ボーカルグループなので、ダンスしながら歌わなきゃいけないんですね。その練習が、最初の頃はホントきつくて。ダンスだけ、歌だけとは全然違うので、体力的にも集中力的にもなかなか続かなくて大変でした。自分ひとりだったら頑張れなかったかもしれないけれど、みんながいてくれたから乗り越えられたんだと思います。

──「あいつ、きつそうだな」と思ったら、メンバー同士で声を掛け合ったりするんでしょうか。

相沢:そうですね。練習中に、みんなの集中が切れてきたと思ったら、「いったん休憩入れようか」って。ダンスの練習をする時は、優輝がアドバイスをくれることもあります。逆に、僕や陽介が優輝の気づかなかったポイントを指摘することも。あとは、どの曲をどの順番でどう練習するかというプランを考えたりもします。「優先的に練習すべき曲は最初にやったほうがいいから、この順番がいいと思うんだけど」って、僕から提案することはありました。

──特に苦戦した曲は?

相沢:個人的に苦戦したのは「Race !」です。自分と将綺がメインパートをほとんど歌わせていただく曲ですし、ダンスもけっこう激しいので。サビも歌いながら踊るので、練習がしんどくて。でも最初はマジできつかったんですけど、繰り返していくうちに体も慣れて、そのキツさが楽しくなってくる、みたいな感覚がありました。

──『学芸大青春』のこれだけは負けないというポイントはどこだと思いますか?

相沢:共同生活をしていることですね。ほぼ毎日一緒にいるので、歌やダンスはもちろん、トークも息が揃うので。そこは強みだなと思います。

相沢勇仁

活動2年目は、今まで以上に3次元の活動を増やしたい

──では、1stアルバム『HERE WE ARE !』のお話を。特に印象に残っている曲、個人的に好きな曲を教えてください。

相沢:個人的に好きなのは、“Don’t leave me alone”。大人っぽさと切なさのある曲で、気に入っています。プリプロっていうレコーディング前の準備練習があるんですけど、この曲は苦戦して、悔しい思いをして本番を迎えた思い出があるんです。アルバムの中でも印象的な楽曲ですね。

──どこに苦戦したのでしょうか。

相沢:それまでの楽曲とは違うしっとりしたバラードだったので、今までとは違うニュアンスの出し方、歌い方をしないとこの曲の良さを出せないんだなと痛感して。もっと繊細に歌えるようにしないとダメだなって思いました。

──プリプロから本番までに、どのようにしてクオリティを上げていきましたか?

相沢:毎日この楽曲を聴いて、自分のパートの練習をして。どういう感情の込め方で、何をイメージして歌えば自分の中でハマるか、何回も試行錯誤しました。探りながらやっていく中で、「これだな」っていう歌い方が見つかったので本番に臨みました。

──どんなイメージをしました?

相沢:恋愛の切なくて悲しい気持ちを思い返したり。2コーラス目の《揺れる君の髪 俺の好きな香り》というフレーズでは、揺れる髪を想像しながら歌いました。イメージを膨らませないとこの曲は歌いこなせないと思ったので、そういうアプローチをしたんです。

──ソロ曲“That’s shape of my love”もストレートなラブソングですよね。

相沢:バラードのラブソングですけど、この曲も最初に聴いた時からすごく気に入りました。いざ歌ってみると、感情の乗せ方、ニュアンスの出し方も、2コーラスで急にテンポが早くなるところも難しくて。しっくりくるまで何度も何度も歌い込みました。

──どちらの曲もミディアムテンポですが、もともとこういった曲調が好きなんですか?

相沢:好きですね、ああいうテンポの楽曲は。

──ロックバンドをやっていたという経歴から、もっとロックっぽい曲が好きなのかと思いました。

相沢:もちろんロックも好きですけど、今となってはロックは歌うよりも聴くほうが好きですね。高校を卒業してからジャスティン・ビーバーとかショーン・メイデンみたいな洋楽のポップスも聴くようになったし、英語の歌詞も覚えて自分でも歌うようになりました。ミディアムテンポの楽曲とかアコースティック系の曲を歌うのが好きですね。

──アルバムを通して聴いて、あらためてレベルの高さに驚きました。音楽好きの勇仁君は、このアルバムの印象をどう受け止めていますか?

相沢:『学芸大青春』の魅力って、歌う楽曲が幅広くて、ひとつのジャンルに捉われないところだと思っています。今回のアルバムも、いろんなジャンル、いろんなテンポの楽曲を楽しめるし、僕たち自身のことを歌っている歌詞もあれば恋愛の歌詞もあります。ひとつのアルバムの中で、楽しみ方がたくさんあるなって思いますね。

──今後、歌ってみたいジャンルは?

相沢:今は洋楽が好きなので、洋楽系のおしゃれな楽曲を歌えるぐらいスキルアップしたいです。海外でも通用するような楽曲に挑戦したいですね。

──11月28日には、ライブが開催されます。意気込みを聞かせてください。

相沢:新型コロナウイルスの影響で、当初の予定よりも来場していただける方の数が少なくなってしまいましたけど、それでもようやくファンの子たちを前にしてライブができるので、めちゃくちゃ楽しみです。会場に来てくれるファンも、配信ライブを観てくれる人たちも全員楽しませるつもりで今準備しています。気合は十分です。

──現時点では、2次元メインで活動していますよね。今後、2次元と3次元のバランスをどう取っていきたいと思いますか?

相沢:活動2年目に突入しましたし、今まで以上に3次元での活動の割合を多くしていきたいです。『学芸大青春』は生身があってリアルにも存在していて、その活動の手段として3次元も2次元もあるというのが自分たちの強み、面白さだと思うので。

──2次元でいることのこだわりは、そんなに強くない?

相沢:そうかもしれないです。片方だけじゃなく、2次元と3次元を行き来してこその『学芸大青春』なので。今後も2次元の活動を続けつつ、自分としては、3次元でももっと活動したいですね。

──では、この記事で『学芸大青春』を知った方に向けて、メッセージをお願いします。

相沢:2次元でも3次元でも、僕たち5人が全力で幸せにするので応援よろしくお願いします!

──すでに応援してくれているファンへのメッセージはありますか?

相沢:いつも温かい応援ありがとうございます。みんなの優しさに支えられていつも頑張れてます。これからも応援よろしくお願いします。

──ファンの方々の優しさ、温かさを感じるのは、どういう時でしょうか。

相沢:最近で言うと、バーチャルお話会でファンの子たちと初めて直接話す機会があったんです。みんなの声、あたたかいメッセージを直接聞けてうれしかったし、温かい気持ちになりました。ホント、みんなに支えられてるなって。

──最後に、メンバー4人に向けて、面と向かっては恥ずかしくてなかなか言えないようなメッセージはありますか?

相沢:いつもそばで支えてくれてありがとう。迷惑かけてると思うし、これからたくさん迷惑かけると思うけど、これからもよろしくお願いします……って伝えといてください(笑)。


学芸大青春 1st LIVE『WHO WE ARE ! Return!!』
■日時:11 月 28 日(土) 17:00 開場 18:00 開演
イープラスにて配信チケット発売中 ※アーカイブ配信あり
https://gjunes.com/live/gj003/

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取材・文:野本由起