怒涛の9カ月連続放送! 今の『転スラ』を見逃すな!――『転生したらスライムだった件』MindaRynインタビュー

アニメ

公開日:2021/7/19

転生したらスライムだった件 第2期
TVアニメ『転生したらスライムだった件 第2期』 TOKYO MXほかにて毎週火曜23:00~放送中 (C)川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会

 スライムに転生してしまったサラリーマンが始める新しい異世界ライフ! 主人公リムルは彼を慕い集った数多の魔物たちと<ジュラ・テンペスト連邦国>を建国し、「人間と魔物が共に歩ける国」というやさしい理想を形にしつつあった。だが、この世界には、魔物に対して敵意を向ける存在がいた――。

『転生したらスライムだった件』は著者の伏瀬が小説投稿サイト「小説家になろう」で連載し、人気を集めた作品。川上泰樹によるマンガ版が執筆され、そのマンガ版をベースにアニメ化が行われた。アニメの第1期は2018年10月からスタート。第2期の第1部が2021年1月から3月まで放送され、4月からはスピンオフ作品『転生したらスライムだった件 転スラ日記』のアニメ版も放送。そして第2期第2部の放送がスタートしている。

 今回登場してもらったのは、『転スラ』第2期のオープニング主題歌「Like Flames」を歌うMindaRyn(マイダリン)。タイ出身の彼女は、幼いころから日本のアニメに親しんできたシンガーだ。その激しく美しい歌声は、『転スラ』の世界を大きく広げている。アニソンシンガーとして本格的な活動を始めた彼女に「これまでとこれから」を聞いてみた。

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タイでも人気がある『転スラ』シリーズ

――MindaRynさんと『転生だったらスライムだった件』との出会いについてお聞かせください。本作を最初に知ったのはどんなときでしたか。

MindaRyn:『転スラ』はタイでもとても人気のあるアニメなので、第1期のときから知っています! アニソンアーティストとしてデビューする前はYouTubeにアニソンカバーをたくさんアップしていたのですが、第1期が放送されていた頃に私のYouTubeチャンネルに『転スラ』の主題歌を歌ってほしいというリクエストがたくさん来て、それがきっかけで『転スラ』を観はじめました。 はじめて観たときから、すごくおもしろいアニメだ! と思って、すぐに好きになりました。

――『転生だったらスライムだった件』のおもしろいところ、魅力に感じているところをお聞かせください。

MindaRyn:最初はとっても弱いスライムだったリムルが、自分の理想の世界を実現させたいという大きな夢に向かってどんどん強くなっていったり、仲間を集めていくところがワクワクします! キャラクターは、みんなかわいくてイケメンなのに、個性が強いのでそれも観ていて楽しいです。

――MindaRynさんが注目しているキャラクターはいますか?

MindaRyn:好きなキャラクターは、やっぱりリムルです! 見た目はかわいいけど、中身は大人っぽくて引っ張ってくれるリーダーというところに惹かれます。転スラのキャラクターのみんなもリーダーだけどやさしいリムルが大好きですよね。私もそんなみんなと同じようにリムルが大好きです! 強い敵と闘うときの戦略も、本当に賢くてかっこいいですよね。あとは、ランガも好きです! 闘うときは強くて怖い狼なのに、リムルのことをとっても尊敬していて、 リムルの前ではかわいくなるギャップがたまらないです!

幼いころから、日本語でアニソンを歌っていた

――MindaRynさんは幼いころからお父さんの影響でアニメをご覧になっていたそうですが、最初にアニソンの魅力にハマった作品や楽曲、アーティストはどなたでしたか? その作品や楽曲、アーティストの魅力についてお聞かせください。

MindaRyn:幼い頃からアニメは観ていましたが、アニメやアニソンにはまったのは『デジモンアドベンチャー』に出会ってからです。タイでも『デジモンアドベンチャー』はとても人気で、人間の心が育つとデジモンも進化するという、パートナーと一緒に成長していく関係がとっても素敵だなと思いました。私にもかわいいデジモンが欲しいです(笑)! 『デジモンアドベンチャー』のオープニングテーマの「Butter-Fly」はタイ語バージョンもあるので、タイ語でも歌っていました。アニソンは聴いたり歌ったりするとアニメのストーリーが頭に浮かんでくるので、そうやってアニメに寄り添えるところがアニソンの魅力だと思っています。日本語バージョンは、最初は難しいと思っていたけれど、日本語に興味があったので、上手に歌えるようになりたいと思って練習して歌えるようになりました!

――アニソンカバー動画を中心にYouTubeで配信を始めたのは何がきっかけでしたか。

MindaRyn:私はアニメとアニソンがとっても好きだったんですけど、周りには同じ趣味を持つ友達がほとんどいませんでした。なので、この気持ちをシェアしたくてYouTubeを始めたんです。だんだんアニメが好きな方からコメントやリクエストがもらえるようになって、もっともっと歌うことでつながりたいという気持ちで続けてきました。 最初はひとりだったけど、そのチャンネルのおかげで、カメラマンやミュージシャンなど仲間との出会いもありました。 アニメとアニソンが大好きな仲間と、チャンネルを作り上げていく楽しさを感じているうちに、気づいたらチャンネル登録者数が増えていて、とってもびっくりしました! シルバークリエイターアワードをいただいたり、たくさんの人に私のカバーした曲を聴いてもらうことができて本当に嬉しかったです。

――プロフェッショナルなアニソンシンガーになろうと思ったのは、どんなことがきっかけでしたか。

MindaRyn:YouTubeでアニソンのカバーを歌っていた時から、私自身がアニソンを聴いたり、歌うことでパワーをもらっていました。 私の歌を聴いて元気になれたというコメントもいただいたことがあって、歌にはすごい力があると感じていました。いつか自分のオリジナルの曲で、聴いてくれるみんなに私の持っているパワーや、メッセージを伝えられたら、うれしいなと思っていたんです。 アニメとアニソンは昔から大好きだったので、アニソンシンガーになることは夢でした。ランティスはたくさんアニメのタイアップをやっているレーベルだということを知っていたので、声を掛けてもらったときは、本当に驚いたけど、同時にこれは一生のうちですごく大事なチャンスだと思ってワクワクしました。

――2020年にランティスからアーティストデビューをされて、まわりからの反響はいかがでしたか。

MindaRyn:まわりの友達やタイ人のアニメが好きな方たちから、タイ人で日本のアニソンシンガーになる人は今までいなかったので本当にびっくりされました。 そして、おめでとうというメッセージもたくさんいただきました。タイのファンの方も私が日本のアニメの世界に加わるということで、皆すごく嬉しいと思ってくれています。なので、私の歌を楽しみにしてくれている人たちのために頑張りたいと思っています!

――プロとしてアーティスト活動を始めたことで、ご自身が変化、成長したことがあればお聞かせください。

MindaRyn: プロとして活動を始めてからは、生活のリズムを整えるように気を付けています。 実は運動があまり好きではないんですが、健康な身体づくりのために今は毎日ジョギングやトレーニングをして、体力をつけられるように頑張っています!

MindaRyn

「Like Flames」はリムルたちの闘志が感じられるエキサイティングな曲

――『転スラ』第2期第2部オープニングの「Like Flames」を最初に聞いたときの印象をお聞かせください。

MindaRyn:FLiPのSACHIKOさんに作詞、作曲をしていただいたのですが、とても力強いロックチューンで、これぞSACHIKOさんだ!という感じがして、さすがだなと思いました! そして、転スラ第2期 第2部のストーリーにとても合っているんじゃないかなと思いました。この後、物語はより激しくなっていきますが、オープニングでこの曲が流れるということで、リムルたちの闘志が感じられるエキサイティングな曲になったんじゃないかなと思っています。

――歌うときに、意識したことがあればお聞かせください。

MindaRyn:この曲のテーマはタイトルにもあるように「炎」で魔王になったリムルの闘志を表現しています。自分が想い描く世界をつくりあげるために、すべてを燃やすことができるほどの燃え立つ炎をイメージして歌いました。私が全力でシャウトして歌っているところは、リムルと一緒に闘い、大きな炎を燃やしている気持ちになっています! この歌を歌うとき、リムルがスライムに転生し、そして最強の魔王となった経緯を思い出し、私自身もこれまでたくさんの方に出会い、サポートを受け、多くのパワーを感じてきたことを重ね、曲に込めました。この曲もリムルのように強くあり続け、みんなに愛される曲になってほしいと思います。

――レコーディングの感想をお聞かせください。

MindaRyn: 2020年11月に発売した私のデビューシングル「BLUE ROSE knows」のときもそうだったのですが、今回の「Like Flames」もタイと日本をつないでのリモートレコーディングでした。日本に行って、SACHIKOさんはじめ、スタッフのみなさんと直接会ってレコーディングしたかったのですが、コロナ禍ということでまだ日本に行くことができなくて……。日本からリモートでみなさんがアドバイスをくださったり、ディレクションしてもらいながら、全力で頑張りました。難しいことではあったのですが、うまく歌えたと思っています! そして、レコーディングだけでなく、Music Videoもタイで撮影しました……! バンドメンバーをバックに歌っているというシーンがあるのですが、実際は私ひとりです……! 周りにメンバーがいると想像しながらパフォーマンスしたのですが、恥ずかしさも感じながら撮影しておもしろかったです(笑) 。YouTubeでMusic Video のフルサイズが公開されているので、ぜひ観ていただきたいです! この件で、テクノロジーの時代に生まれてきて良かったと実感しました! でも次回は絶対日本でレコーディング、撮影したいです!!

――この曲を歌っていて、MindaRynさんが気持ちよさを感じているところ、聴きどころをお聞かせください。

MindaRyn:サビがおすすめですね! チェストボイスで歌う高音は、全身のパワーがその音に集まっているような気分になります。歌詞の言葉すべてが私を奮い立たせているような感じです! 「起きて!(Get up now) 目覚めて!Wake up now) 今その目標に向かって突き進む時が来た!」って、世界を破壊しちゃうほどのエネルギーで(笑)、エキサイトして覚醒させてくれる曲です。みなさん、朝の目覚まし時計のメロディーにしてみてください!一日が燃えるような日になると思います、灼熱の炎のように(笑)!

――あこがれのアニソンアーティストさんはいらっしゃいますか? どんなところがお好きですか?

MindaRyn:好きなアーティストさんはいっぱいいるのですが、昔から好きなのはLiSAさんです。LiSAさんがタイに来た時に初めてライブを観て、エネルギッシュな歌声に感動したんです。 とっても明るくて強さのある声に、パワーを120%もらえた気がしました。

転スラの主題歌をたくさん歌われているレーベルの先輩のTRUEさんも憧れです! 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のOP主題歌である「Sincerely」は特に大好きで、私もEnglish versionでカバーさせていただきました(デビューシングルのカップリング曲として収録)。メッセージ性がとても強く、本当に切ない気持ちが歌に込められていて心に沁みました。TRUEさんの曲はブレスが難しいのに、ライブの時には走りながら力強く歌っていて、本当にすごいなと思います。ランティスでデビューして、尊敬するTRUEさんにお会いすることができたときは、とても嬉しかったです!

――今後、どんなアーティストになりたいと思っていますか。

MindaRyn:日本でアニソンアーティストとしてデビューする機会をもらい、夢が叶ったような気がしてしまいそうなのですが、「今、これはほんの始まりに過ぎない」と、自分自身に言い続けています。これからも、日本人、タイ人、外国人と、世界中の多くの人にMindaRynという名前を知ってもらい、たくさん私の楽曲を聴いてもらいたいと思っています。私はアニソンと日本のアニメが大好きなので、アニソンアーティストとしての活動を通して、アニソンというジャンルを知らない多くの人たちにもっとアニソンを聴いてもらえるように、アニソンを世界に広めていく力になりたいと思っています。

――『転スラ』ファンが楽しみにしていた、アニメ第2期第2部がいよいよ放送中です。ファンの方々に「Like Flames」をどのように楽しんでいただきたいか、メッセージをいただけますか?

MindaRyn:「Like Flames」は熱く燃え立つ心を全力で表現した楽曲です。この曲を歌うたびに、(いい意味で)やけどをしているような気分になります! この曲が炎となり、その炎が多くの人たちの心を 照らしてくれることを願っています。この曲で皆さんの心がflare up(再燃)し、また全力で、明日へ立ち向かう気持ちになってくれると嬉しいです!

TVアニメ『転生したらスライムだった件』公式サイト

取材・文=志田英邦

MindaRyn(マイダリン)

幼少期より父の影響で日本のアニメに触れ、アニソンカバー動画を中心にYouTuberとしての活動をスタート。 YouTubeチャンネル登録者数は約95万人にのぼる。TVアニメ『神達に拾われた男』エンディングテーマ「BLUE ROSE knows」でランティスよりアーティストデビュー。TVアニメ『転生したらスライムだった件』第2期第2部オープニング主題歌となる2nd Single 「Like Flames」を発売、さらに、10月放送開始のTVアニメ『サクガン』のエンディングテーマを担当することも決定している。




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