怒涛の9カ月連続放送! 今の『転スラ』を見逃すな!――『転生したらスライムだった件』寺島拓篤インタビュー

アニメ

公開日:2021/7/26

転生したらスライムだった件 第2期
TVアニメ『転生したらスライムだった件 第2期』 TOKYO MXほかにて毎週火曜23:00~放送中 (C)川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会

 スライムに転生してしまったサラリーマンが始める新しい異世界ライフ! 主人公リムルは彼を慕い集った数多の魔物たちと<ジュラ・テンペスト連邦国>を建国し、「人間と魔物が共に歩ける国」というやさしい理想を形にしつつあった。だが、この世界には、魔物に対して敵意を向ける存在がいた――。

『転生したらスライムだった件』は著者の伏瀬が小説投稿サイト「小説家になろう」で連載し、人気を集めた作品。川上泰樹によるマンガ版が執筆され、そのマンガ版をベースにアニメ化が行われた。アニメの第1期は2018年10月からスタート。第2期の第1部が2021年1月から3月まで放送され、4月からはスピンオフ作品『転生したらスライムだった件 転スラ日記』のアニメ版も放送。そして第2期第2部の放送がスタートしている。

 今回は『転スラ』第1期のオープニング主題歌「Nameless Story」「メグルモノ」を歌っていた寺島拓篤に登場してもらった。彼は第2期第2部のエンディング主題歌「Reincarnate」も担当している。『転スラ』ではリムルの転生前の姿・三上悟役を演じ、原作小説の大ファンでもあるという彼に、『転スラ』シリーズの魅力を語ってもらった。

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当たり前のように偉業を成し遂げるリムルに背中を押されて

――『転スラ』第2期第2部から、ファン待望の寺島拓篤さんの楽曲「Reincarnate」がエンディングテーマとして流れています。今回、エンディングテーマ起用のお話を聞いて、どんなお気持ちでしたか。

寺島:またしても起用していただけることに驚きました。リムルのもとにたくさんの仲間が集まっていくように、たくさんのアーティスト様に彩られていくのかなぁと想像していたので驚きましたし、同時にとても光栄に思いました。ただ、「Nameless Story」(第1期第1クールオープニングテーマ)も「メグルモノ」(第1期第2クールオープニングテーマ)も、次があると思って作っていたわけではないので、新たにお話をいただくたびに、「何をテーマに作詞しよう……もう前の曲で全部出し切ったつもりです……」と追い詰められています(笑)。

――寺島さんは声優としては三上悟役でもあり、同時に『転スラ』ファンとしても知られています。アニメ『転スラ』第2期第1部ではヴェルドラの復活までたどり着きましたが、ここまでのリムル(三上悟)の頑張りをどのようにご覧になっていますか?

寺島:快進撃ですね! 身体的にも社会的にも、これまでの人生経験が役立つかわからない状況で、あれほどまでに泰然自若としていられるメンタルにまず脱帽です。どんなピンチでも、落ち着いて活路を見出せるなんて、並大抵ではできないですからね……しかも優しくて器がデカい。もちろん本人的には余裕綽々とはいってないでしょうが、はたから見ていると当たり前のように偉業を成し遂げてますよね。すごすぎる人物です!

――『転生したらスライムだった件 転スラ日記』もアニメ化されました。こちらではゆるやかなリムルの日常と国造りが描かれています。和風の建築物をつくったり、三上悟らしさが出ているところもありましたが、こちらでのリムル(三上悟)の頑張りはいかがでしたか?

寺島:バトルよりも社会形成の方が大変そうだな……と思わせてくれるのが、『転スラ』シリーズの面白いポイントのひとつ。その面を緩やかに見せてくれるのが『転スラ日記』ですよね。みんなとの交流の中で、話を聞いて、時にツッコミ、時に振り回され、そしてみんなに愛されるリムルは、本当に幸せ者だな、と思いましたよ。頑張った分だけ報いてくれる仲間がいるって、素晴らしいことですよね。洋風な世界観で存在感を放つ和風建築は、やはり三上悟ならではの匠の仕事。転生前の経験が活かせましたね!

寺島拓篤

「Reincarnate」はせつなさの先に希望の光が見える、美しい曲

――寺島さんが担当している第2期第2部エンディングテーマ「Reincarnate」を、最初に聴いたときの印象をお聞かせください。

寺島:イントロからとても綺麗で、これまでのパッと明るい転スラEDと雰囲気がガラッと変わったなと感じました。第2期第1部のエンディングテーマの作曲を担当されたR・O・Nさんが引き続き楽曲を制作されるというつながりが、とても意味のある作りになっていて嬉しかったですね。せつなさの先に希望の光が見える、美しい曲だと感じました。

――「Reincarnate」では寺島さんが歌詞も担当されています。ご自身で歌詞を書くうえでテーマにしたことはどんなことでしたか?

寺島:書き始めはヴェルドラの視点でした。第2期の展開を、リムルの中から俯瞰で見る彼の気持ちをテーマにしようと考えたんですが、原作を繰り返し読んだり、曲の雰囲気と重ねるにつれて、「大賢者」をイメージした歌詞に移行していきましたね。作中で最も影からリムルを支えているのは「大賢者」で、そのささやかな存在感や重要性、滲み出る優しさが僕の中でこの曲にピッタリとハマったんです。くわえて、「Nameless Story」と「メグルモノ」との連続性として、種や花といったキーワードを使いました。リムルの元に集まる仲間たちがどんどん開花して、リムルの行く道を彩る景色が見えたんです。

――歌うときに、意識したことがあればお聞かせください。

寺島:綺麗なサウンドに声を乗せるのが不得手だと自分では感じているので、どのような発声、発音にすればいいのか悩みました。スタッフと相談しながら、いろんなパターンでテイクを重ねて作ったんです。丁寧に、そして曲の中にある力強い光を声に乗せられるよう意識して歌いました。

――レコーディングの感想をお聞かせください。

寺島:難しかったです……! 普段あまり使わないファルセットの塩梅や、音の当て方など、かなり細かく考えて工夫しました。その分、良い仕上がりになったと感じてます!

――この曲を歌っていて、寺島さんが気持ちよさを感じているところ、聴きどころをお聞かせください。

寺島:サビの抜け感がとても気持ちいいですね。風が吹き抜けるようなメロディとサウンドで、歌詞も良い感じにハマったと思います。

――MVの撮影の感想をお聞かせください。

寺島:今までで1番消費カロリーが少ない撮影でした(笑)。僕がやった事はルームランナーで歩きながら歌って、花びらに囲まれて歌ったというだけ。その代わりと言っては何ですが、プロジェクターで投影される花や風景の映像があまりに美しくて、圧倒されましたね。とても素敵な作品を作ってくださった映像スタッフの皆様に感謝です。

転生したらスライムだった件

転生したらスライムだった件

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現実世界と重なるリアリティが『転スラ』の魅力

――カップリングの「ファントムライツ」は、スマートフォンアプリ『転生したらスライムだった件 魔王と竜の建国譚』の主題歌となりました。こちらの楽曲はどのようなイメージで歌詞を書かれたのでしょうか。

寺島:事前にいただいた、ゲーム内のオリジナルストーリーに集中して書きました。かなり細かく、『転スラ』の世界観に則って作られていたので、資料を読んでるだけで面白くて、想像力がかき立てられましたね。設定や展開、キャラクターから感じ取れる要素を組み上げた結果、とてもドラマティックな内容になりました。

――「ファントムライツ」を歌うときに、意識したことがあればお聞かせください。

寺島:自問自答するような声や、現状を打破したいジレンマを歌詞で表現していたので、「Reincarnate」とは逆に、スッキリしない感じを意識しました。その反面、作中であがくキャラクターたちに対して応援する気持ちもあったり、なんだか複雑でした(笑)。

――あらためて『転スラ』シリーズの面白さや多くの人に愛される魅力はどんなところだと感じていますか?

寺島:ストーリー展開やキャラクターの魅力だけではなく、人間関係の構築や社会形成の難しさなど、ファンタジーの中に、我々が生きる世界と重なるリアリティを感じられるところだと思っています。だからこそ共感できるし、引き込まれるのかな、と。そして、その全てを受け止め、味方とも敵ともちゃんと向き合うリムルの器の大きさが、最大の魅力かもしれません。リムルについて行きたいと思う仲間たちの気持ちがすごくわかります。

――『転スラ』第2期第2部が放送中ですが、最後にファンの方々へメッセージをお願いします。

寺島:目まぐるしい展開の中、リムルも仲間たちも、より良い未来を目指して頑張っています。一緒に戦う気持ちで応援してあげてください! これからもまだまだ面白い展開が待っていますので、どうぞお楽しみに!

TVアニメ『転生したらスライムだった件』公式サイト

取材・文=志田英邦

寺島拓篤(てらしま・たくま)

声優、アーティスト。12月20日生まれ。アクセルワン所属。TVアニメ「創聖のアクエリオン」アポロ役でデビュー。TVアニメ『EDENS ZERO』シキ・グランベル役や『ログ・ホライズン』シロエ役、『東京リベンジャーズ』千堂敦役などを務める。アーティストとしても活動中。




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