1年でマイナス20キロ! ゲッツ板谷の絶対安全ダイエット

新刊著者インタビュー

更新日:2013/12/4

 ある日、角川書店のPR誌『本の旅人』を手に取ったら、なぜかダイエット企画が始まっていた。
体重103.5kgの男性が、1年間で20kg以上痩せるという。名前を見ると……ゲッツ板谷!?

 ゲッツ板谷といえば『板谷バカ三代』などの爆笑エッセイや『出禁上等!』などの無茶な突撃ルポルタージュで知られるギャグ連発の書き手だ。当然この企画だって、失敗を前提にしたものだと思うじゃないですか。失敗して「ダイエットなんてもうやるかよ、ブヒ、ブヒ、ブッヒー!」とか吐き捨てるものだと考えちゃうじゃないですか!

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 ところが違ったのである。回を追うにしたがってゲッツ板谷は着実に痩せていく。毎日の体重の変化をtwitterで報告しながら(グラフは本書に収載)、行き詰まることなく体重を落としていく。そしてついに1年後、目標を本当に達成してしまった。体重82.9kg、まるでゲッツ板谷の中の人が出てきたみたいだ……。

『板谷式つまみ食いダイエット』は、その1年間の軌跡を追う全ダイエッター注目の本である。どうやったら痩せられるの、教えて板谷さん!

「1カ月ごとに替わるつまみ食いだったから、というのは大きいです。『そろそろ飽きるかな』ってときに次が来るので投げ出すタイミングがない。中には『ビリーズブートキャンプ』みたいにキツいのもあって、最初にやったときは『これ、心臓停まっちゃうんじゃないのっ』とか思ったぐらいだったんですよ。その死にそうな状態がこの先ずっと続くと考えると嫌になるけど、1カ月頑張るだけでいいと思ったら絶対にやれるんです」

 頑張ることへの心の抵抗が下がるのだ。1カ月というリズムもちょうどよかったのだろう。

「中にはすごく効果があるものもあるのに、1カ月経つと編集者に『はい次』って言われる。『えー、もっとやらせろよ』とかそのときは思いましたが、逆に良かったんでしょうね」

 特に効果があったのは朝晩の体重を『計るだけダイエット』と低カロリーの代用食を摂る『マイクロダイエット』だった。この2つのダイエットは、例外的に1カ月以上続けている。

「計るだけダイエットって判りやすく言えば『自分の体のことを自分の頭の中に入れる』装置なんです。朝晩の体重の変化をグラフにして家の中に貼っておくと、それは絶えず目に入るから、絶対に頭のどこかに自分の体重をメモすることになる。『今日は食べちゃってもいいや』と思っても、『でも3、4日で戻すぞ』という意識が働くようになるんです。やっているうちに、何を食べると自分は太るのかということが判ってきて、食生活自体も変わってくる。特に食べたものを記録しているわけじゃないんだけど、積み重ねがあるんで覚えるんですよ。マイクロダイエットは2、3カ月続けているうちに要らなくなりました。カロリーの低い物を食べるくらいなら別に食べなくてもいいやという気になってきて、夕食にこだわらなくなったんです。それで体重がかなり落ち始めた」

週1の電話に 出版社の本気を見た!

 全12回の「つまみ食い」の中には、右に挙げた2つのほかにもさまざまなダイエット法が出てくる。「耳つぼダイエット」(自分は寝てるだけ!)といった楽なものから、「キックボクシングダイエット」のようなものまでさまざまだ。

「2回目にやった『振動ベルトダイエット』が全然駄目だったんで、『これはとんでもねえことになるんじゃないか』って疑い始めたんですよ。そうしたら編集者が1週間に1回ぐらい『どうですか?』って電話をくれるようになって。それが、絶対結果を出すぞっていう腹を括ったプロの編集者の電話だったんです(笑)。あ、角川書店は本気なんだなと。いろいろやった中では、体を動かす系で効果があって嬉しかったのは『ホットヨガダイエット』ですね。汗をかくだけなんで、終わってから水を飲んじゃったら意味ないんじゃないかと思って最初は信用してなかったんですけど、インナーマッスルを使って内側から汗をかいていくから水を飲んでも戻らないんです。あれで4.5キロくらい痩せました。問題は、教室に常時女の人が25人ぐらいいて男は俺1人だけだったんですよ。ふと気がつくと若い女の尻がばんばん周りにあって、普段のときにそこにいたら俺、絶対興奮しちゃうだろうなと思いました(笑)。また編集者が1カ月に13回通えって無茶なことを言うんですよ。セックスを覚えたての高校生だって、そんなに頻繁にやらねえって!」

紙板谷式つまみ食いダイエット

ゲッツ板谷 / 角川書店 / 1260円

「これは雑誌の企画で冗談じゃないんですから、1年間で20キロ痩せてください!」編集者から鬼の宣告を受けたゲッツ板谷は月替わりでメニューが変わる、大マジのダイエットに突入する。耳つぼからホットヨガ、カラオケまでありとあらゆる手段を使って……。波乱の1年間を乗り越えた著者の、絶対に失敗しないダイエット法。

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