「PUMP YOU UP!!」は「一緒にアガってこうぜ!」という思いを込めたアルバム──学芸大青春メンバー座談会

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公開日:2021/12/1

学芸大青春

今年8月から9月にかけて、全国4都市をめぐるツアー「Hit your City!!」を成功させたダンス&ボーカルグループ「学芸大青春」(ガクゲイダイジュネス)。念願の有観客ライブとなった同ツアーでは、「2次元と3次元を行き来する」というコンセプトどおり、CGキャラクターと生身の姿を行き来し、時には両者を融合させる演出で観客を魅了した。12月1日には2nd Album『PUMP YOU UP!!』のリリースが、2022年3月から5月にかけては4thツアーも控え、彼らの勢いはますます加速しそうだ。

ダ・ヴィンチニュースでは、そんな学芸大青春の魅力を深掘りするインタビュー特集を企画。今回は、学芸大青春メンバー5人による座談会をお届けする。夏のツアーを振り返りつつ、2ndアルバムの制作秘話、さらに2021年の学芸大青春3大ニュースについて語ってもらった。

「みんなの顔を見られて安心した。楽しそうな表情を見て、会えてよかったなって」(相沢勇仁)

──まずは、2ndアルバムのお話の前に、夏の3rdツアーを振り返っていきたいと思います。念願の有観客ライブはいかがでしたか?

南優輝:めちゃくちゃ楽しかったです! 活動を始めてから、コロナの影響でたくさんのお客さんを前にしたライブがずっとできなくて。これまでもお客さんがいることをイメージしてパフォーマンスしていましたけど、実際お客さんを前にすると全然感覚が違いましたね。無観客の時には出てこなかったアドリブや煽りも、たくさん湧き上がってきて。「これがライブなんだな!」ってあらためて感じました。

相沢勇仁:ずっとファンのみんなに会いたい気持ちがあったんですけど、コロナ禍でなかなか会えなくて。5人全員、早くライブをしたいという気持ちがあったので、ようやくできてうれしかったです。それと同時に、お客さんを前にした時にホッとしたんですよね。みんなの顔を見られて安心した。笑ってくれたり楽しそうにしてたりする表情を見て、会えてよかったなって。それに、僕らはもともと2次元をメインに活動していたので、3次元の姿に見慣れていないファンも多いと思うんです。3次元の自分たちを披露した時にどういう反応なのかと思っていたけど、笑顔で喜んでいる顔を見て安心しました。

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──お客さんはマスクをしていましたけど、それでも表情まで見えるんですね。

勇仁:けっこう見えてます。照明にもよりますけど。

優輝:ライブの前半は僕らの前に演出用のスクリーンがあったのでちょっと見づらかったですけど、後半はそれもなくなって。

勇仁:しかも僕らもサングラスになったからね。バチバチに見えてた(笑)。

──ほかのみなさんはいかがでしたか?

星野陽介:「待たせてごめんね」っていう気持ちが僕ら5人の中にあったので、会えてうれしかったです。最初の愛知公演は、みんなどういう反応するかなって正直不安な部分もあったんですよ。でも、実際ステージ上からファンの笑顔や反応を見て、そこでやっとつかめたというか。「このために頑張ってきたんだな」って思えたし、そこからはすごく楽しめましたね。「よかったー!」って安堵の気持ちでした。

内田将綺:僕は今まで感じたことのない、新種の幸せを味わいました。今まではメンバーと遊びに行ったり、実家に帰ったり、おいしいもの食べたりする時に幸せを感じてましたけど、みなさんを前にしてライブするのは本当に初めての体験で。新鮮な気持ちで臨めたし、新しい幸せを覚えたような気がしますね。

優輝:蓮は楽しそうだったよね。

仲川蓮:一番思ったのが、コンタクト変えないといけないなって。視力落ちたなって。

優輝:みんなの顔を見るためにね。

:あと、2階の後ろの席にいる方たちのうちわの文字が読めなかったので。

陽介:でも、うちわの文字は思っていた以上にけっこう読めたよね? うちわに書いてあることはできるだけ反応した。そういうのも楽しいよね。

:うちわがしっかり見えたのが初めてだったし、僕たちのグッズを身につけてくれている人たちを見るのもすごくうれしかったです。

──4都市でライブを開催しましたが、みなさんのベストアクトは?

将綺:僕は愛知ですね。地元だったのが一番大きくて。家族も見に来てくれたし、地元でライブをやるのが夢のひとつだったので、学芸大青春で来られて幸せだなって。

優輝:会場ごとにアレンジも変えたんだよね。全公演来てくださる方もいるので、せっかくなら変えようと思って。

将綺:地域ごとのバイブスの違いもあるよね。福岡の人は上品だった(笑)。大阪と愛知はガーッとアガってくれて。

陽介:僕ら5人、学芸大青春になる前に大阪の専門学校でライブをしたことがあるんです。だから大阪は“帰ってきた感”があって。声は出せない状況だけど、あったかい感じがしましたね。だから自分のベストは大阪ですね。

優輝:公演単位で言うと、僕はやっぱり千秋楽の神奈川かな。地元っていうのもあるけど、それだけじゃなくて。今回初めてツアーを回らせていただいたんですけど、1回の公演で終わらないので、公演ごとにどんどん反省点を潰していけるんですよ。その分、少しずつパワーアップしている実感があって。最後は、今できる自分のベストを出せたんじゃないかなと思います。

勇仁:自分も、千秋楽の神奈川公演が一番よかったなと思って。理由も優輝と同じ。ツアーってことで、「次のライブまでに少しでも成長したい、反省点を活かしたい」と思っていたから、千秋楽は一番いい出来だったんじゃないかな。でも、優輝のコメントでひとつ足りないなと思ったことがあるんですよ。

優輝:なんだよ(笑)。

勇仁:千秋楽だけアンコールの前に勇仁&優輝のコンビで漫才をやったんですよ。

陽介:確かに!

優輝:ああ、あれはほんとに楽しかったよね。ベストアクト!

──陽介君の一発ギャグもありましたよね。

将綺:一発ギャグのベストアクトは愛知じゃない? 最初の公演ですごいウケちゃって、「あと3公演どうする?」ってなってたけど(笑)。

陽介:あー、やっぱ愛知が一番よかったかー。全部ドカンといってほしかったんですけど。

将綺:右肩下がり(笑)。

陽介:悔しいわー。

──蓮君はどの公演が印象に残っていますか?

:全部楽しかったですね。会場ごとに大きさも違いましたけど、印象に残っているのは福岡。お客さんとの距離が近くて、アットホーム感があって。ひとつになれたように感じました。

将綺:確かに。特にもう一回行きたいと思ったのは福岡かも。

学芸大青春

「2ndアルバムでは僕が作詞作曲したり、陽介が作詞したりと、楽曲制作にも関わっています」(仲川 蓮)

──続いて2ndアルバムのお話を。とにかく曲が最高ですよね。“Hit me!”以降、曲のバリエーションが広がりましたし、アルバムでは学芸大青春の多面的な魅力が表れていると思いました。まず、このアルバムのコンセプトについて教えてください。

優輝:うまくいかないことがあったり、元気が出なかったりすることもある中で、「少しでも元気になってほしい」「一緒にアガってこうぜ!」という思いを込めたアルバムです。それに、今おっしゃったように、今までの学芸大青春と新しい学芸大青春の楽曲が混在しているアルバムでもあって。前半はタイトルどおり「みんなアゲてこうぜ!」って感じの激しいダンスミュージックが続くんですけど、後半は今まで挑戦してこなかったダンスミュージックじゃない、でも青春を感じる曲が入っています。それが今までとは違うポイントかな、と。もうひとつのポイントは蓮と陽介から話してもらおうかな。

:僕が作詞作曲したり、陽介が作詞したりと、楽曲制作にも関わっています。より僕たちの思いが詰まったアルバムになったと思います。

優輝:蓮が作った曲を歌えるだけで、思いが違うよね。

優輝:今までは提供してもらった曲を歌っていたけど、蓮が作って、歌って……って自分たちで完結できるのもいいよね。まさに音楽をやってる感じがして。

──「自分の曲を入れたい」と、蓮君のほうから働きかけたんでしょうか。

:活動が始まった時から、杉沢さん(学芸大青春プロデューサー)には「作る側もやりたい」とずっと言ってて。ちょこちょこ僕が作ったのを杉沢さんに聞いてもらったりしていたんです。今回は杉沢さんから作曲家のURUさんを紹介していただいて、やり方を教わりながら一緒に作っていきました。

──陽介君も作詞を手掛けています。

陽介:もともと作詞には興味があって……。

将綺:ニーチェの影響でしょ?

陽介:ニーチェ? 誰、ニーチェって。

将綺:哲学者だよ。

陽介:ムズいよ!(笑)。 まぁ、今回は“かんじょうせん”の作詞を一部担当したんですけど、自分の思いや考えていることを言葉にして作品にできるのはすごい喜びでしたね。今後もチャンスがあるならどんどんチャレンジしていきたいです。

将綺:陽介と蓮を見ていて、僕もやりたいなと思った。いただいた楽曲を歌う時って、すでに曲の世界観ができあがってて、そこに寄り添いながら自分の解釈を歌にしていく感じなんですけど。作詞や作曲をすれば、自分でいちから世界を作れるからすごい素敵ですよね。

優輝:僕はラップ担当なので、いずれは自分でラップを書けるようになりたいし、フリースタイルでラップもできるようになりたいと思って、今勉強してるところです。

陽介:クリエイティブの話だったら、優輝が振り付けしたダンスも踊りたい!

優輝:夢だよね、蓮が作った曲に僕が振り付けして、陽介や蓮が作詞して。学芸大青春で全部完結する曲をやってみたい。

勇仁:それができたらすごいよな。

──おふたりが制作にかかわった曲もそうですが、今回のアルバムはソロやデュオが多いですよね。それはなぜでしょうか。

優輝:もともと僕たちの音楽のコンセプトは、青春ダンスミュージックを届けること。ただ、青春っぽい曲って、ダンスミュージック以外にもいっぱいあるじゃないですか。そこにも挑戦していきたいなと思って。1stアルバムでも、5人で歌う曲とは違うテイストのソロ曲がありましたが、今回もソロやデュオで新しいタイプの曲に挑戦しています。それに、ソロとかデュオがあると、ライブでパフォーマンスの幅も出ますしね。

──メンバーの組み合わせは、どのようにして分けたんでしょう。

勇仁:最初にデモをいただいて……。

優輝:杉沢さんが「これは勇仁と優輝だね」みたいに割り振っていって、あとはみんなで話し合いながら決めていきました。