「PUMP YOU UP!!」は「一緒にアガってこうぜ!」という思いを込めたアルバム──学芸大青春メンバー座談会

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公開日:2021/12/1

学芸大青春

「5人の時はひとりが20%ずつ出して全部で100%にするけど、ふたりだと自分の要素が強くなるのが面白い」(内田将綺)

──それぞれのデュオ曲について、歌った感想や聴きどころを教えてください。まずは“The Only Thing”。

勇仁:この曲は自分が歌で、優輝がラップというスタイルでやってます。「何があろうと絶対に夢をつかみとる」という熱い思いが込められた楽曲になっていて、歌詞の内容もトラックもすごく好きですね。デモを聴いた時からテンションがあがって、歌えるのが楽しみだなと思って。全体の雰囲気はクールめなので、クールな感じで歌っているけど、自分の中にある熱いものは込めました。聴いている人にも、内から湧き出る感情を感じてもらえたらうれしいです。

優輝:僕は歌詞を読んで、この曲を勇仁と一緒に歌えてよかったと思いました。ライブでは勇仁と僕が煽ることが多いので。僕らみんな「夢をつかむぞ」って熱い思いを持っていると思うけど、それを漢らしく出せるのはこのふたりかなと。

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優輝:だから、勇仁と一緒にこの曲をやるのは合ってるなと思いました。勇仁の熱い思いに引っ張られて、ラップがつい熱くなりすぎちゃうことがあったんですけど、対比をつけることで熱さが出るのかなと思って。勇仁が熱い歌い方な分、自分はあえて青い炎みたいなクールな熱さを出せたらいいなと思いましたね。

将綺:まさにそうだわ。この曲聴いた時、青い炎がメラメラしてる感じが伝わった。

勇仁:え、急にいいコメントするじゃん。

優輝:レコーディングが勇仁の後だったから、ここはちょっとクールにしたほうがお互い引き立つなと思って。それがデュオ曲の面白さですよね。ソロ曲みたいに自分だけで世界観を作るんじゃなくて、勇仁と自分、ふたつの世界観を合わせてひとつの世界を作るのが新しかったし、楽しかったですね。

──続いて、優輝君と将綺君の“あさりジェノベーゼパスタ”はいかがでしょう。

将綺:僕の実体験に近い楽曲ですね。寮でメンバーの料理を作るふたりなので、この曲を歌わせてもらっているんですけど(笑)。エモーショナルな部分での苦労はなくて、どちらかというと技術的に考えた楽曲でしたね。陽介ともデュオ曲をやったけど、ふたりに謝罪しなきゃいけないことがあって。

陽介:何?

将綺:曲の解釈とか「こうしたいんだよね」ってことについて、相談しなかったから。僕はどちらかと言うと、優輝とか陽介が作った世界観にしみ込むように歌いたくて。あんまり曲のイメージについて話さなかったから、それで苦労かけちゃったかなって。

優輝:まったくそんなことなかったよ。

将綺:普段5人で曲を歌ったり、共同生活したりする中で生まれる波長があるので、僕としてはやりやすかったんですよ。ユニットって、お互いがいいものを出し合って、いい楽曲を生み出すわけじゃないですか。5人の時は、ひとり20%ずつ出して全部で100%にするけど、ふたりのユニットだとその割合が上がって、自分の要素が強くなるのが面白いなと。ラップも優輝らしいよね。

優輝:僕はこの曲、すごく好きで。聴いた瞬間から自分のことのように思えたし、入り込みやすかった。この曲って、あさりジェノベーゼパスタを作るたびに、昔好きだったけど失恋しちゃった相手を思い出すって歌詞なんですよ。ある意味、なよなよしてるところもあるんですね。

将綺:「ある意味」じゃなくて「だいぶ」だね。

優輝:僕自身、けっこうそういうタイプだと思うので、この人の感情がわかる。歌詞では強がったことも言ってるんですけど、でも本音がどこか漏れてて、それが将綺の声にすごく合ってるなと思いましたね。ラップにも、入りやすかった。自分は声質が柔らかいからカッコいい曲だと苦戦することもあって。でも、今回は等身大の自分でハマる気がしたので、自分の思い描く世界観で自由にラップさせてもらいました。

──“Echo”は蓮君が作詞作曲を手掛け、優輝君と一緒に歌っています。

:今回は、いつもと違うレコーディングの仕方をしています。一緒に曲を作ったURUさんは、K-POPのアーティストとお仕事をしている方なので、韓国のレコーディングの仕方を教わって。韓国のアーティストって、ライブとまったく違う歌い方をしているというか。レコーディングではあまり声を張らずに、マイクに近づいて息多めで歌うことが多いと言われたんです。最初はそれを知らなかったので、レコーディングブースで初めて歌った時に「その歌い方はライブではいいと思うけど、レコーディングではちょっと違うかな」って言われて。そこから軌道修正して、ちょっとK-POP寄りというか海外寄りの歌い方を意識しました。息多めに聞こえると思います。

優輝:この楽曲は、自分の声を活かした曲になったかなと思っています。これまで激しいダンスミュージックを歌うことが多かったので、カッコいい声を作ることが多かったんです。でも、もともと僕はハスキーボイスなので、切ない表現に自分の声がハマるなと思っていました。今回、蓮が作ってくれた“Echo”は切ない曲だから、すごくうれしくて。自分の声が一番よく聞こえるにはどうしたらいいのか探す作業も楽しかった。その結果、今までの自分とは違う声色のラップができたと思うし、むしろこっちのほうが普段の声に近いラップなのかな、と思っていて。それを出せる機会を与えてくれた蓮には感謝していますね。

 あと、蓮が作った曲なので、レコーディングでも蓮にディレクションしてもらうんですよ。普段は作曲家の方に来ていただいて、アドバイスを受けるんですけど、今回はそれを蓮にやってもらったので、新鮮で楽しかったですね。

:最初はめちゃくちゃ指示しようと思ったんですけど(笑)、優輝が持ってきたものがよかったので、なるべく優輝がやりたいようにと意識しました。この曲のラップはあまり韻を踏むところがないので、歌い方によって韻を踏んでいるように、音の響きが心地よくなるようにと、優輝にお願いしました。

優輝:一緒に住んでいるのもよかったよね。普通だったらレコーディングスタジオでしかニュアンスのすり合わせができないじゃないですか。でも、僕らは一緒に住んでいるから、「どんな感じでやりたい?」「こういうイメージだから、こうやって歌ってみて」って寮でも相談できる。これからもたくさん作ってディレクションしてもらいたいです。

──“かんじょうせん”は陽介君と蓮君のデュオです。ふたりの声がすごく合っていますよね。

陽介:僕もそう思います!

:普段から5人で歌う曲も、陽介とふたりでユニゾンで歌うことが多いので。

将綺:ハイトーンのふたりだからね。

陽介:でも、歌い方に関して、ふたりで話し合ったかというとそうでもなくて。

:歌詞の解釈のすり合わせは、なんとなくしたけど。

陽介:すり合わせを何度かしたから、歌い方のニュアンスが合ったのかなって。蓮も普段から作詞作曲をするし、自分も今回作詞に参加する機会があって。そういうふたりだからこそ、そのニュアンスをわかり合えたところがあったと思うので、回このふたりで歌えてよかったです。

:僕、今まで5人で歌う曲では1番のAメロを歌ったことがなかったんです。でも、楽曲の中で1番のAメロって一番大事だと思っていて。というのも、今はサブスクリプションサービスが主流になっているから、最初がいいと思ってもらえないとスキップされてしまうんです。だから今回僕がアタマを歌うことになって、どうやったら聴く人に印象づけられるか、すごく考えました。陽介はストレートにきれいに歌うタイプなので、1番を歌う僕は逆に癖をつけて自分らしく歌おうと意識しました。

陽介:そんな思いがあったんだね。僕、曲を聴いた瞬間、蓮のAメロのアタマが一番いいって言ったんですよ。「ちょっとした息遣いとかアクセントがほんと好きだわ」って。だから今の話を聞いて納得した。やっぱりそこに力を入れてたんだって。

──最後は“ずっと”です。この曲は将綺君と陽介君のデュオですね。

陽介:最初、僕と将綺でどっちがどっちを歌うか決まってなかったんですよ。僕は歌詞の内容的にも1番のアタマを歌いたくて、将綺にそう言ったら「じゃ、いいよ」って。

将綺:「洗濯の内容」が入っていたからね。

陽介:僕、洗濯が大好きなんで。1番のAメロに「洗濯の内容」が入ってたんです。

優輝:「洗濯の内容」って何なん(笑)?

陽介:(笑)1番を歌うと決まった時点で、頭の中でイメージができました。あと、あたたかい曲なんだけど、思わず泣けてきちゃうような歌い方を、ふたりで意識できたかなと思います。

将綺:僕はふたりの世界観が浮かんだのと同時に、ライブの映像が浮かんで。すごくライブ映えしそうじゃない? 交互に歌う曲なので、聴く人も世界観を思い浮かべやすいだろうし。聴く人によって、その人なりの共感を抱ける楽曲なのかなと思いました。僕らが聴いたら共同生活の歌になるだろうし、お母さんが聞いたら日常生活の歌になるかもしれない。いろんな人が自分の世界に置き換えて共感できる曲だと思います。でも、まさかアルバムのトリになるとは思わなかったけど。

陽介:そうだねー。

「新曲“Sugar”は大人の色気を出す楽曲。曲を聴いてみんなのテンションがあがりました」(星野陽介)

──アルバム発売前にリリースしていた楽曲も収録されています。その中で、みなさんが好きな曲は?

勇仁:自分が印象に残っているのは“Hit the City!!”。自分たちにとって初の全国流通シングルで。

陽介:いやー、間違いない!

勇仁:MVでも、前髪で顔を隠した3次元の姿で初めて登場して。レコーディングに関して言うと、これまでにないくらい長いソロのラップパートをいただけて、すごくうれしかった。英語の歌詞でBPMも早くて難しかったけど、自分的にも成長できたなと思います。聴いてくださった方の反応も良かったので、気に入ってますね。

将綺:今年の僕らを象徴する曲だよね。僕も“Hit the City!!”がいいと思います。

陽介:星野は“Lazy Day”ですね。

優輝:うわ! 意外だわ。みんな別の曲を選ぶだろうから、僕が“Lazy Day”にしようと思ったのに。

陽介:じゃ、ふたりで理由いおっか。せーの!

優輝:振り付けを作ったから! で、“Lazy Day”は……。

勇仁:お前から話すんかい。

優輝:だって陽介が理由言わなかったから(笑)。

陽介:(笑)“Lazy Day”は、休日のダラダラした様子がテーマになってるんですけど。今になって聴いてみると、今5人でいる日常って当たり前のようだけど、5人が出会えたことは奇跡だなと思って。この「当たり前」に感謝しなきゃって。このアルバムに収録されたことで、また初心に戻れる感じがしました。

優輝:この曲は、振付師のShow-Meさんと僕ら5人で一緒に振り付けを作った楽曲なんです。もちろん大体はShow-Meさんが作ってくださったんですけど、「サビの振り付けはキャッチーなものにしたいね」ってなんとなくShow-Meさんが踊って、「じゃ、これどうですか?」って僕も踊って、「そこ使おうか」となって。寮で家族みたいに生活している様子を描いた曲なので、AメロとかBメロの立ち位置も「普段、寮でどんな感じなの?」って話しながら作っていって。みんなで一緒に振り付けを作りあげる過程すらも、寮の日常っぽかったんです。一緒に住んでる僕たちだからできた、学芸大青春らしい1曲だと思います。

:僕は“Hit me!”ですね。昨年の1stライブの終演後に、会場で流れた曲なんですけど。今までこういう曲調はやっていなかったので、どういう反応をされるんだろうってワクワクしました。個人的には、オペラみたいな新たな歌い方にしたのも挑戦で。自分の中では思い入れがある曲ですよね。

──新曲“Sugar”もすごく素敵な曲ですよね。ちょっと大人っぽいニュアンスもあって。

優輝:めちゃくちゃ好きです。1年目は爽やかな曲が多かったので、やっと大人っぽい曲が来たって。僕たちも年頃の男の子なんで、「カッコつけるチャンスじゃん」みたいな。

陽介:大人の色気を出せる楽曲なので、曲を聴いた時はみんなテンションあがったのを覚えてますね。

──2次元と3次元が融合したMVも素晴らしかったです。

陽介:ソロカットを撮る時、周りでみんなが見てるんですよ。「勇仁はこういう風にやるんだ」「優輝はダンスを入れつつキメるんだ」ってみんなのポージングを見るのも面白くて。

将綺:個性が出るよね。

──ソロのキメポーズは、本人に任されているんですか?

陽介:完全にフリーです。「思うように動いてください」って言われて、それぞれがその時に感じたものを体で表現しているので。MVを観れば観るほど「あ、蓮君、こんなことしてる」って発見があると思います。

──個人的にここを観てほしいというポイントは?

陽介:僕、勇仁が横向きで歌うシーンが好き。

勇仁:2次元の僕と3次元の僕が向き合うシーンね。うれしいわ。

将綺:シルエットだと、パッと見でどっちが2次元でどっちが3次元かわかんないよね。

優輝:今までも次元を行き来する演出はありましたけど、今回は共存する瞬間があるんですよ。前で3次元の自分が踊っていて、後ろに2次元の自分がいて。気づいたら、それが入れ替わってる。次元を超える僕らだからできる新たな表現だと思うので、注目してほしいですね。

「みんながいなかったら大学を卒業できなかったと思う。めちゃくちゃ支えてもらいました」(南 優輝)

──では、そろそろ年末ということで、最後に「学芸大青春の2021年3大ニュース」を挙げてもらえますか?

優輝:ひとつは確実に3rdライブツアーだよね。初めてたくさんのファンのみなさんに会えたので。何年たっても忘れられない光景だと思う。

勇仁:間違いない。

将綺:いつツアーやっても思い出すと思う。

優輝:2ndライブでは、大阪が中止になって神奈川は無観客の配信になって。前回は誰もいない中でライブをやったけど、3rdツアーの最後は同じKT Zepp Yokohamaだったんですよ。前回の、客席にまだ頭に残った状態で、今回はファンの方で埋まった光景を見たわけだから、今でも忘れられないです。

将綺:ほかは、僕が親知らずを抜いたことかなー。

優輝:ダメダメ!(笑)。

将綺:あ、全国流通シングルのリリースは? “Hit the City!!”。

陽介:それだ! しかも、1週間くらい渋谷のセンター街でこの曲を流していただいたんですよ。学生の頃から普通に遊びに行ってた場所で、自分たちの曲が流れるなんてあり得ないじゃないですか!(笑)。歩いてる時に“Hit the City!!”が流れてきた時はヤバかった!

優輝:みんな、動画撮りに行ったもんね。

:第1位は僕の中で決まってて。

勇仁:じゃ、ツアーが3位、シングルが2位な。

:1位は優輝が大学を卒業したこと。

一同:(拍手)

優輝:いやいや、違うだろ! せめて3位にしようよ。

陽介:優輝が大学を卒業したことで、僕らとの時間も増えて絆もより深まったわけよ。今まではずっとピースが欠けてたわけ。

勇仁:なるほどね。

陽介:大学行ってた時は、ご飯に誘っても「これから大学行くんで」って4人で食べることが多くて。

将綺:だから4人の写真、めっちゃ多いんだよね。

勇仁:そういう写真を、あえて優輝にLINEで送るんだよな(笑)。

優輝:でも、本当にメンバーに助けられたし、卒業できた時の喜びはすごかったね。

陽介:卒業式にも行きたかったんですけど、止められました(笑)。

優輝:みんながいなかったら卒業できてなかったと思う。めちゃくちゃ支えてもらいました。ありがとう!

学芸大青春『PUMP YOU UP!!』特集ページはこちら

取材・文=野本由起  写真=中野敬久
ヘアメイク=yuto

学芸大青春4th LIVE TOUR「PUMP ME UP!!」開催
2022年3月から5月にかけて、全国7都市で4th LIVE TOUR「PUMP ME UP!!」が開催。

2022年3月19日(土) 宮城県・Sendai Rensa
2022年3月26日(土) 広島県・HIROSHIMA CLUB QUATTRO
2022年4月9日(土) 北海道・Zepp Sapporo
2022年4月24日(日) 福岡県・Zepp Fukuoka
2022年5月8日(日) 大阪府・Zepp Osaka Bayside
2022年5月15日(日) 愛知県・Zepp Nagoya
2022年5月27日(金) 東京都・Zepp Haneda

詳細は、学芸大青春 公式ホームページまで。

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※各形態の初回仕様に4thツアー最速先行抽選販売などに申し込み可能なシリアルコードを封入