僕らの強みは「次元を超えられること」、そして一緒に住んでいる「青春感」──学芸大青春・南優輝インタビュー

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更新日:2021/12/3

学芸大青春

今年8月から9月にかけて、全国4都市をめぐるツアー「Hit your City!!」を成功させたダンス&ボーカルグループ「学芸大青春」(ガクゲイダイジュネス)。待望の有観客ライブとなった同ツアーでは、「2次元と3次元を行き来する」というコンセプトどおり、CGキャラクターと生身の姿を行き来し、時には両者を融合させる演出で観客を魅了した。12月1日には2nd Album『PUMP YOU UP!!』のリリースが、2022年3月から5月にかけては4thツアーも控え、彼らの勢いはますます加速しそうだ。

ダ・ヴィンチニュースでは、そんな学芸大青春の魅力を深掘りするインタビュー特集を企画。メンバー個別インタビューの第2弾に登場してもらうのは、この1年で大きな成長を遂げた南優輝さん。彼が今、メンバーに対して思うこととは?

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南優輝

歌でもラップでもダンスでも、「自分らしさって何だろう」とすごく悩んだ1年間でした

──2ndアルバムでも優輝君の多彩な一面を見せてくれましたが、個人的に印象深いのが“Sugar”のMVでした。仮面で目元は隠れているものの、表情が魅力的でしたし、ワンショットがカッコよかったです。

優輝:うれしいな。ありがとうございます!

──パフォーマンスをするうえで、ご自身の中でなにか心境の変化があったのでしょうか。

優輝:前回のアルバムをリリース(2020年9月)してから今に至るまで、自分を見つめ直した1年だったなと思って。というのも、僕らは5人グループじゃないですか。周りのメンバーはみんなすごく個性が強いので、歌でもラップでもダンスでも「自分らしさって何だろう」とすごく悩んだ1年でした。でも、悩んだからこそ、自分らしさについてすごく追求できた1年でもあって。それがパフォーマンスの自信につながったのかなと思っています。

──優輝君にとって、「自分らしさを追求する」というのはどういう活動をすることだったのでしょうか。最近はレッスン量も増えているそうですが、特に強化した点はありますか?

優輝:ダンスに関しては、やっぱりメンバーだけで練習していると、なんとなく似てきちゃうところがあるんですね。ダンスって、基本的な振り付けは決まっていても、移動する時とかちょっとしぐさはフリーなんです。そういうフリーな部分に表現の幅があるんですけど、みんなで練習しているとだんだん似てきちゃって。例えば僕がなんとなく自分の口元を触ったり、髪をかきあげたりするしぐさをすると、気づいたらメンバーも同じようなしぐさをしていることがあって。自分はダンスで学芸大青春を引っ張っていきたいという思いが強いので、外から刺激を受けないといけないなと思ってます。

──グループ全体の成長のためにも、外部から刺激を受ける必要性を感じたんですね。

優輝:そうです。それで普段ダンスレッスンをしてくださっているダンサーさんにおすすめの方を聞いたり、YouTubeで観て「あ、この人のダンス好きだな」と思った方に習ったりするようになりました。やっぱり外に出てみると、うまい人ってたくさんいるんですよ。自分の引き出しにはない表現方法をする人もいっぱいいて。同じ音楽、同じ振り付けで踊るんですけど、「自分だったらこう見せるのに、あの子はこうするんだ」みたいな。インプットが増えて、たくさんのことを吸収できました。

──自分の成長を感じるのは、どんな時ですか?

優輝:あらためてダンスの基礎から見直すことで、スキルの土台が少しはできたような気がします。まだまだ勉強中ですけど、説得力のあるスキルの上に表現力が乗る感覚、昔よりも土台が少しずつできあがっている感覚はあって。そこは以前とは違うかなと思っているところです。

──「『優輝のダンスは形だ』と言われた」と話されていたことがありましたよね。その段階はもう抜けましたか?

優輝:抜けられたかどうか、自分ではわからないですけど、もともと男性アイドルグループのカッコいい人たちを見るのが好きで、なんとなくカッコつけ方のイメージは頭の中にあったんですよ。でも、先生からは「その瞬間はこのポーズがカッコいいかもしれないけど、根本的な体の使い方がまだわかってない。だから形に見える」と言われたんですね。「線じゃなくて、点で踊ってるみたい」って。そう言われて、「だから自分にはグルーヴがないんだな」と気づき、それがダンスレッスンをより強化したいと思うきっかけになったところもあります。

──先ほど「学芸大青春をダンスで引っ張っていきたい」と話していましたが、ほかのメンバーの成長も著しいですよね。追い上げられている焦りはありますか?

優輝:あります、あります。僕は他人の目をすごく気にするタイプなので、本当は「いや、そんなことは気にしません」って言ったほうがカッコいいんでしょうけど(笑)。同じダンスでも、学芸大青春は一人ひとりの個性があるんですよね。僕はビシッと止まる動きが得意ですけど、陽介は力で弾く動きが得意だったり。メンバー同士でレッスンしていても「あ、僕より見せ方がうまいな。ヤバイな、もっと練習しなきゃ」って焦ることはあります。

 それがよくない方向に行きそうになることもあるんですけど、そういう時にメンバー以外の方とダンスをすると「この引き出しは自分しか持っていないな」というものを発見できるので、気持ちをうまくコントロールできるんですよね。「メンバーをダンスで引っ張っていこう」とか「自分がたくさん吸収してきたものをメンバーに与えよう」と思うことで、自分自身にプレッシャーを与えているところもあって。あえて自分を追い込んでるところはありますね。

──優輝君は、自分を追い込むことで伸びるタイプなのでしょうか。

優輝:そうですね。自分にすごく甘いタイプなので、あえて自分を追い込むことで自分に火をつけているのかも。“WHO WE ARE!”という曲に「俺がユウキ ダンスの申し子」ってフレーズがあって、「マジでそんなこと言わないでくれ」って思ってたんですよ(笑)。「もっと素晴らしい方がたくさんいるのに、“ダンスの申し子”なんて言いすぎだ」って。でも、今となれば「そのリリックに負けないくらい頑張らなきゃ」って思います。プレッシャーを自分に与え続けることが、頑張りにつながるんでしょうね。

──今年はダンスイベント「ダンマスワールド3」にも、出演されていましたよね。ああいった経験を積むことも大きな刺激になったのでは?

優輝:本当にそうですね。今まではずっとダンス&ボーカルでやってきたんですけど、ダンスだけのパフォーマンスをすることであらためて5人のダンスを見直せたと思っています。ダンス&ボーカルとなると、歌のこともダンスのことも考えなきゃいけないし、自分のこともグループ全体のことも考えていっぱいいっぱいになっちゃうんですよ。でも、ダンスだけになるとメンバー一人ひとりのダンスをしっかり見て、「蓮はまだ少し腰の可動域が狭いから、腰のアイソレーション(身体の部位を独立させて動かすトレーニング)を強化したら、ここの振りもうまくなるね」「将綺は重心が高くて膝が曲がらないから、もっと重心を落とした方がいいよ」とアドバイスする時間ができます。それによって、僕自身も得られるものがたくさんあるんですよね。お互い成長できたかなと思ってます。

──お話を聞いていると、本当にみんなのことを考えていますよね。リーダーポジションだなと思います。

優輝:いやいや、そんなことはないです。ダンスに関しては思いが強いので、そう見えるかもしれませんけど。

──座談会でも、自然にまとめる役割になっていますよね。

優輝:僕は面白いことを言えないので。みんなが面白いことを言ってくれるから、僕はまともなことを言ったほうがいいかなって。だからしゃべる時はまとめ役になることが多いですけど、それもみんなに助けられています。

南優輝

ファンの皆さんも、自分の生活や日常、それぞれの幸せがあるはず。そんな中、僕らのことを応援してくれて、僕らを見て幸せになってくれる。それってすごいこと

──座談会でも話題に上がりましたが、大学を卒業したことによる生活、心境の変化についてはいかがでしょう。

優輝:やっぱり、まずは心が楽しいです(笑)。大学も嫌いではなかったですけど、やっぱり学芸大青春の活動に一番力を入れたい思いが強くて。でも、研究はちゃんとやらなきゃいけない。こっちをやりたいのに、ほかにやらなきゃいけないことがあるって状況が、精神的な負担にはなっていました。

 そういう時も、メンバーには本当に助けられましたね。最後の4ヶ月くらいは、卒業論文を書くために毎朝5時とか5時半に大学に行って、研究室で実験をして。で、10時くらいにみんなと合流して仕事して、夜はダンスレッスンを受けて、また次の日は朝から研究して……という日々が続いてたので。体はもちろん心の余裕がなくて、ストレスが溜まってメンバーにあたっちゃうこともたくさんあったと思うんですよ。でも、みんなはそういった状況も理解してくれて、例えば5人が個別に撮影する時は「優輝、今日は授業あるから先に撮影する?」と気を遣ってくれたり、今日みたいに個別インタビューがある時は「優輝の都合を優先して、先に決めていいよ」と言ってくれたりして。

 卒業が決まった時も、蓮がお祝いにネクタイをくれて。それをつけて卒業式に出ました。将綺は「卒業して今までよりダンスに集中できると思うから」って、ダンス用のスニーカーをくれて。僕は3月31日生まれで誕生日も近かったので、いろいろと祝ってもらいました。

──この1年間でメンバーへの感謝を強く感じたのも、そういう瞬間ですか?

優輝:そうですね。ふたつあります。ひとつはやっぱり、卒業間際に支えてくれたこと。実家にいたら家族に支えられたと思うんですけど、僕の場合はそれが学芸大青春でした。夜遅くに帰ると、将綺がご飯作ってくれるんですよ。そういう時、学芸大青春でよかったなと思うし、学芸大青春のメンバーだったから無事に卒業できたんだなと思うところもあります。

 もうひとつはツアーの時。今回3rdツアーをやって、「僕が本当に好きなことはこれなんだ」とはっきりわかりました。目の前に僕らの歌を聴いてくれる人がいて、その方々が自分の歌やダンスで笑顔になってくれる。それが僕の幸せなんだなって。同時に、もしひとりだったらこういう経験は絶対できなかっただろうなと思って。スキルもキャラクターも、僕だけでは全然足りない。「この5人だから、この場に立てたんだな」と本当に強く思いました。特に、僕は日頃からみんなの個性に助けられていると思っているので。「こんなに幸せな場所に立たせてくれたメンバーに、まずはしっかり感謝しなきゃ」っていう思いが強くなりました。

──結成当時と比べて、メンバー同士の関係性も変化しましたか?

優輝:そうですね。というか、僕自身がこの2年で一番変化したと思うんです(笑)。最初は心に余裕がなくて、たぶん一匹狼的な雰囲気があったんですよ。自分がうまくなることに必死で、視野が狭くなっていたんですけど、みんなにたくさんほぐしてもらって。僕が変わったからなのか、昔よりみんなのオフなところ、素の部分がたくさん見えるようにもなりました。しょうもない話をする時間が増えたり、悩み相談をされることがあったりすると、「距離が近くなったな」ってあらためて感じますね。

 あとは、尊敬できることが増えたなと思います。やっぱり最初のうちは、お互いに少し距離があるじゃないですか。そういう時って、悪いところもあまり見えないんですね。お互い、相手に嫌な思いをさせまいとしますから。でも、どんどん仲良くなって距離を詰めていくと、いいところも悪いところもたくさん見えてくる。でも、悪いところが見えたからと言って、嫌な気持ちは抱かないんですね。むしろ「自分でも短所がわかっていて、それと戦おうとしているんだな」というのが見えてきて、それすらもいいところだなと思えるんです。それと同時に、相手が鏡のようになって、自分の弱さも見えてきて。みんなのことが見えるようになったからこそ、尊敬を感じることは多くなりましたね。僕自身、以前は自分のことに必死すぎて、メンバーのことをあまり見てなかったのかもしれないです。

──寮生活をしていると、仲が悪い時期が訪れることはないですか?

優輝:昔はよくケンカしていましたね。僕と勇仁と陽介は、本当によくケンカしてました。昔の将綺は、感情を表に出さないタイプだったので、ケンカにならなくて。蓮は諦めちゃうタイプなんですよね、「言っても意味ない」って。でも僕と勇仁と陽介は、感情が言葉に出るタイプなので。それに、以前はお互いにしょうもないプライドがあったんでしょうね。練習中に「ここの振りがズレてるよ」とアドバイスすると、雰囲気が悪くなることもありました。

 今もぶつかる瞬間は時々ありますけど、昔と違うのはケンカが長引かなくなったこと。その日のうちに話し合ったり、夜に「感情的になって申し訳なかったと思ってる」「こういうことが言いたかっただけなんだけど、伝え方が悪くてごめん」って謝りに行ったりするようになりました。

──座談会で「家族」というワードが出ましたが、やっぱり他のメンバーは家族のような存在なのでしょうか。

優輝:そうですね。ただ、家族と違うのは、みんな個性が立ちすぎてること(笑)。でも、家族のような信頼関係は生まれていると思います。

──来年は4thツアーも控えています。どんなパフォーマンスを見せたいですか?

優輝:2ndアルバムを引っ提げてのツアーなので、今までになかった音楽性の楽曲も増えると思います。特にデュオ曲は今までになかったバラードもあるので、ライブの緩急もついてお客さんもすごく楽しめるのではないかと思います。

 これはあくまで僕の妄想ですけど、僕と勇仁の曲は2次元でパフォーマンス、蓮と陽介の曲は3次元でパフォーマンスということもできると思うんですよ。僕と将綺の曲は、将綺は2次元で僕は3次元って見せ方もできるかもしれない。僕たちは次元を超えられるしので、「次は何が来るんだろう」っていうワクワク感はほかのアーティストの倍くらいあるのかなと思っています。僕たち自身も、新しい見せ方を考えるのが楽しみです。

──「僕たちは次元を超えられる」って、超パワーワードですね。

優輝:それが武器ですから。そういった強みが表れたのが“Sugar”のMVなのかなと思います。少しずつ自分たちがやりたいことが、形にできるようになってきていますね。

──前回のツアーを経て、じゅねフレ(学芸大青春ファンの愛称)に対する思いに変化はありましたか?

優輝:勇仁は昔から「ファンの子を喜ばせたい」って言ってましたよね。ほかにも、アイドルの方が「ファンの笑顔が見たくて」みたいなことを言うのをよく聞いていて。でも、正直僕はそういう思いが元々はあんまりなくて。音楽が好きで、ダンスが好きで、自分の理想像に近づきたいから活動していると思ってきました。それが自分の原動力だったし、ブレない軸になっていたんです。

 でも、今回のツアーで勇仁やみんなが言っていることが初めてわかった気がします。ファンの皆さんも、自分の生活や日常、それぞれの幸せがあるはずです。そんな中、僕らのことを応援してくれて、僕らを見て幸せになってくれる。それってすごいことだなと思うんですよね。しかも、そういったファンのおかげで僕は理想の自分に近づけています。だからその分、自分もちゃんと返さないとダメだなと思って。応援してくれてる方たちに、僕からも「幸せにしてあげたい」「もっと元気にしてあげたい」と思いを返すことが自分の使命だし、そのために頑張ろうと思えるんですよね。頑張るための軸が、「理想の自分になるために」と「応援してくれる人たちを元気にしたい」というふたつになりました。それが一番大きな変化ですね。

──本当に大きな変化を遂げた1年だったんですね。あらためて、優輝君にとって学芸大青春はどんな魅力のあるグループですか?

優輝:ふたつあると思っています。ひとつは、次元を超えられること。今までになかった立ち位置だと思います。やっぱり2次元と3次元って、今でも少し境目があるような気がしていて。2次元が好きな子は、いわゆる、ちょっとオタク的な要素があるのかも。3次元が好きな人はテレビっ子とかアイドルファン……みたいな感じでしょうか。その境界をなくせるのが、僕たちじゃないかと思っていて。それは大きな武器ですし、どちらを好きな人にも見ていただけるチャンスがあると感じています。

 もうひとつは、やっぱり青春感。もう4年くらい5人でずっと一緒に住んでいますが、それってなかなかないこと。一緒に住んでいるからこそにじみ出る空気感、しゃべる時のテンポがあると思うんですよね。お互いの安心感なのかな。そういうものが自分たちの武器じゃないかと思います。パフォーマンスに限らず、普段のトークでもそういう青春感を味わっていただけたらうれしいです。

──では最後に、次に登場する蓮君に向けてメッセージを。

優輝:「インタビュアーさんを困らせないように! ボケすぎないようにお願いします」と伝えてください(笑)。

取材・文=野本由起  写真=中野敬久
ヘアメイク=yuto

学芸大青春4th LIVE TOUR「PUMP ME UP!!」開催
2022年3月から5月にかけて、全国7都市で4th LIVE TOUR「PUMP ME UP!!」が開催。

2022年3月19日(土) 宮城県・Sendai Rensa
2022年3月26日(土) 広島県・HIROSHIMA CLUB QUATTRO
2022年4月9日(土) 北海道・Zepp Sapporo
2022年4月24日(日) 福岡県・Zepp Fukuoka
2022年5月8日(日) 大阪府・Zepp Osaka Bayside
2022年5月15日(日) 愛知県・Zepp Nagoya
2022年5月27日(金) 東京都・Zepp Haneda

詳細は、学芸大青春 公式ホームページまで。

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※各形態の初回仕様に4thツアー最速先行抽選販売などに申し込み可能なシリアルコードを封入