守屋亨香「声のお芝居は独学。必死だったけど楽しかったです」【声優図鑑】

アニメ

公開日:2022/1/17

守屋亨香

 キャラクターの裏に隠された自分自身をありのままに語る、ダ・ヴィンチニュースの恒例企画『声優図鑑』。第278回目に登場するのは、『CUE!』鹿野志穂役、『おちこぼれフルーツタルト』緑へも役などを演じ、声優ユニット「DIALOGUE+」のメンバーとしても活躍する守屋亨香(もりや きょうか)さんです。
コンプレックスだった声を褒められたことをきっかけに、子役から声優の道へ。推しのアイドルやご褒美スイーツ、プロレス観戦など、大好きなものをたくさん教えてもらいました!

声優の勉強は必死だったけど楽しかった

——撮影おつかれさまでした! 白いワンピースが爽やかでした。

守屋:普段は黒っぽいお洋服が多いので、今日は普段はあんまり着ることがない白に挑戦しました。なので、私のことをよく知ってくださる方には新鮮かもしれません。HONEY MI HONEYっていうブランドで、衣装っぽいお洋服が多いんですけど、今日は思い切って着てみました。

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——今年の10月から心機一転、フリーとして活動していますね。

守屋:そうなんです。子役から長く仕事をしてくる中で出会った方々にすごくお世話になっていて、ひとりじゃないんだなっていう安心感があったので、フリーランスになることを決意できました。実際に転身してみると、今までにないお仕事にも挑戦できていて、芸歴は長いんですけど新しい気持ちでがんばっています。

——子役としては小学6年生からお仕事を始められて。

守屋:お芝居や歌などマルチに活躍している女優さんに憧れて、看護師になりたい夢もありましたけど、芸能界に入りたい気持ちを諦めきれなくて。両親に反対されましたけど、一度だけオーディションを受けさせてもらい、そのまま事務所に入りました。高校生までは地元で学校に通いながら、東京でのお仕事を両立させていました。

——声優を目指すようになったのは、いつ頃ですか?

守屋:中学生の時、ひょんなことから初めて声優のオーディションを受けて、合格できなかったけど、声を褒められたのがすごくうれしかったんです。映像の仕事では声がコンプレックスだったので。それからは声優さんのことをすごく調べて、好きな声優さんが出ている作品を片っ端から観るようになりました。声優さんの道1本でいきたい、と決めたのは高校生です。

——どんな声優さんが好きでしたか?

守屋:釘宮理恵さん、田村ゆかりさん、悠木碧さん、日笠陽子さんです。声優さんになりたいと強く思ったのは『けいおん!』ですね。声優さんのお仕事をよく知ったのは高校生ですけど、もともとアニメは好きだったんです。中学生の頃から深夜アニメやギャグアニメにはまって、フィギュアなどのグッズも大好きで集めていたから、実家はアニメグッズだらけです(笑)。

——(笑)。高校を卒業してから上京して、お仕事の環境は変わりましたか?

守屋:家が遠いから諦めていたようなレギュラーのお仕事もできるようになりました。達成感があったのは、初めて体験したラジオのお仕事です。話すのが苦手で緊張しましたけど、まずはアシスタントから始めさせていただいて。アシスタント同士でお仕事仲間ができたのも、すごくうれしかったです。

——心強いですね。専門学校には通わず、声優の仕事は独学だったんですか?

守屋:独学でした。お小遣いでマイクを買って環境を整えてから、自分の好きな言葉をつなげたり、好きなアニメを参考にしながらセリフを録音して、それを何度も聴いたり録り直したりしながら学びました。必死だったし、大変だったけど、すごく楽しかったです。

推しアイドルに力をもらってます

——『CUE!』の鹿野志穂役は、とても共感できた役だったそうですね。

守屋:はい。オーディションで、主人公の陽菜ちゃんと志穂ちゃんのどちらを受けようか迷ったんです。志穂ちゃんが声にコンプレックスを抱えて声優になった経緯を知っていたし、声質を考えたら陽菜ちゃんだけど、志穂ちゃんに呼ばれているような気がして。だから、声質は合わないかもしれないけど挑戦したいと思って、当日急遽、志穂ちゃんを演じせていただきました。不安でしたけど「志穂ちゃん役がきょんちゃんで良かった」とみなさんに温かく受け入れてもらえて、自信がつきました。

——1月からはTVアニメも放送されていますが、収録はいかがでしたか?

守屋:キャラクターみんながそれぞれ葛藤を抱えていて、仲間と支えあいながらがんばる姿が好きなんですけど、それがアニメーションになるとより際立って見えるような気がしています。Flowerの4人がこれまでがんばってきたことを考えると、家で映像チェックをしながら泣いてしまったし、収録の時もみんなで泣いてしまいました。毎話感動できるストーリーなので、ゲームが好きな方も初めて触れる方にも喜んでもらえると思います。私自身も動いている志穂ちゃんを観られるのがうれしいですし、収録も楽しいです!

——『おちこぼれフルーツタルト』の緑へも役は、主人公の衣乃ちゃんのことが大好きな、とても特徴のある女の子で。

守屋:原作を読んだ時からへもちゃん推しだったんですけど、可愛い子が大好きなオタクの私にとって、へもちゃんは理想の女の子。こんなに可愛い女の子を演じさせていただいて光栄だなと思います。可愛いんだけど、好きな人のことになると行きすぎてしまう…という二面性を持つキャラクターなので、可愛い時はあざといくらい可愛く、そうじゃない時とのギャップが出るようにして、へもちゃんの可愛さを最大限生かせるように工夫しました。

——可愛い女の子が好きなんですね。

守屋:そうなんです。アニメのキャラクターもそうですし、アイドルだとハロプロさんが大好きで。今の推しは、モーニング娘。さんとアンジュルムさん。私の中では日本のアイドルのてっぺんだと思ってます! お仕事の前などにライブ映像をずっと流しているんですけど、すごく力をもらえるし、私もアーティスト活動をさせていただいているので参考になります。

——DIALOGUE+の活動ですね。どんなところを参考にしていますか?

守屋:とにかくパフォーマンスがすごいんです! 一人ひとりがすごいので、こんな子たちが集まったら最強だなと。DIALOGUE+も全力でパフォーマンスをするグループなので、学べるところは多いですね。歌もダンスも得意ではないので、ライブでうまくなかったところを改善したい時に参考にしたりとか。毎回歌やダンスで新しい挑戦ができるのは、ハロプロさんのおかげかもしれないです。

——ダンスが得意じゃないのはちょっと意外でした。

守屋:DIALOGUE+のデビュー曲でもちゃんと踊れるのか不安だったんです。実際に、振り付けを覚えるのにすごく時間がかかったりして。今はもう3年目を迎えて、振り付けを覚えるのがちょっとずつ早くなってきたし、踊るのが楽しいと思えるようになりました。

——お芝居だけではなく歌方面でも活動するという、幼い頃からの願いが叶っているのはすごいことですね。

守屋:ありがとうございます。人前で歌うような活動が私にできるとは思っていなかったので、自分が一番驚いていますけど、やっぱりうれしいです。最近ようやく実感が湧いてきて、これからも続けていきたいなという気持ちが大きくなっています。

——メンバーの間では「可愛いポジション」ということで、直接メンバーから言われることもありますか?

守屋:恥ずかしいんですけど、自分も可愛い女の子が好きなので、そういっていただけるのはうれしいです(笑)。メンバーはみんな根が優しい子ばかりで、一緒にいる時間が長くなるほど好きになるし、いつも一緒にいるから会えない時間が長いと寂しくなります。スタッフさんやチームのみなさんも含め、私にとっては第二の家族みたいな大好きな存在です。

初心を忘れず“お仕事命”でがんばりたい

——お休みの日はどのように過ごすことが多いですか?

守屋:昔からそうですけど、お仕事だけでもキャパオーバーしちゃうほうで、お仕事以外に労力を使えないんですよ(笑)。だからプライベートはひたすら寝ます。最近はDIALOGUE+でゲーム実況をさせていただいているので、ゲームをしたり、YouTubeを観たりしているうちに眠くなって寝る、という流れです。最近は食事も手軽に届けてもらえるからいいですよね。はじめて出前した時は「すごい!大人!」ってひとりで喜んでました(笑)。

——ひとり暮らしで大変なことはありますか?

守屋:全部、大変ですね(笑)。家族が大好きで、話ができないとつらいから、毎日電話してます。その日にあったことを報告する時間が昔からあって、お父さんお母さんとビデオ通話しながらご飯食べたり、土日は実家に遊びに来ている弟と話したり。驚かれるんですけど、本当に毎日なんですよ。

——ご家族の温かさが伝わりますね。では次に、最近食べて美味しかったものを教えてください。

守屋:最近、美味しいものを食べてお仕事をがんばるのが毎日の楽しみなんです。最近はセブンイレブンのモンブランにハマっていて、もう何個食べたかわからないくらい(笑)。トゥンカロンっていう韓国発信のマカロンも好きです。ちょっと高級だから、本当にがんばった時だけトゥンカロンを食べます。

——スイーツが元気の源なんですね。

守屋:そうですね。お肉も好きで、一人でもホットプレートで焼き肉をしたりします。プロレスも大好きなので観ると元気が出ます! 最近はDIALOGUE+のメンバーをプロレス沼に引きずりこんでいるんですけど、みんなハマってきてくれて。一緒に観に行けるようになったのがうれしいです。

——これから、どんな声優になっていきたいですか?

守屋:小さい頃からお仕事命でがんばってきているので、できるだけ長くこの世界で活躍し続けたいですね。声優としてもアーティストとしても、活躍していける存在でいたいです。それと、これは以前からお話しているんですけど、応援してくださる方を大切にして笑顔を届ける、という初心を忘れないでいたいです。

——最後に、読者さんへのメッセージをお願いします!

守屋:まだまだ声優としては新人で、うまくできないことも多いと思いますけど、いつもみなさんに元気をもらっています。これからもみなさんに喜んでいただけるようにがんばりますので、応援してくださるとうれしいです。

——守屋さん、ありがとうございました!

【声優図鑑】守屋亨香さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

守屋亨香

守屋亨香(もりや・きょうか)Twitter

◆撮影協力

撮影=山本哲也、取材・文=吉田あき、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト