「みんなと離れたくない」1stコンサートで確かめた、あたたかな気持ち――Liyuuインタビュー

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公開日:2022/3/11

Liyuu

『ラブライブ!スーパースター!!』で唐 可可役を担当し、Liella!の一員としてライブ活動も精力的に繰り広げている歌手・コスプレイヤーのLiyuu(りーゆう)さん。自身名義の音楽活動では、2020年に2枚のシングルを発表し、2月9日には待望の1stアルバム『Fo(u)r YuU』をリリース。その1stアルバムを引っ提げて、2月11日にはパシフィコ横浜国立大ホールにて、1stコンサートを開催。目撃したすべての人の心を動かすような、熱量が高く楽しいステージが印象的でした。一度だけの「初めてのコンサート」は、Liyuuさんにどんな気持ちをもたらしたのか――当日を振り返りながら、たくさん話を聞かせてくれました。

Liyuu

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気持ちを作って、覚悟して、「もうすぐ、もうすぐ」って思いながらステージに立ちました

――2月11日の1stコンサート、大成功でしたね。

Liyuu:ほんとですか? ありがとうございます。

――会場で目撃した人も、配信で観た人も、大成功だと感じたと思うし、誰もがLiyuuさんをもっと好きになった2時間だったと思いますよ。まずは、どんな1日だったか、振り返ってみてほしいんですけども。

Liyuu:う~ん、緊張しつつの感じで、1日が終わりました(笑)。

――どこから緊張したんですか?

Liyuu:会場に着いた瞬間から、緊張がだんだん増えていった感じでした。アルバムリリースの日(2月9日)がリハーサル、10日はオフですけど、朝から夜までずっと歌詞を確認していました。前日も眠れなくて、歌詞を脳内でずっとリピートしながら、寝た感じです。会場は横浜なので、けっこう距離があって、移動する途中は思ったより冷静ですけど、会場に着いた瞬間から緊張感があふれました。

――ステージに出る直前はどんな気持ちだったか覚えてますか。

Liyuu:出る直前は、オープニングでレーザーとか音楽で雰囲気を作ってもらってからステージに乗るので、そのときに覚悟をしていた感じです。気持ちを作って、覚悟して、「もうすぐ、もうすぐ」って思いながらステージに立ちました。

――なんの覚悟を決めたんでしょう?

Liyuu:本番は絶対、もうキメキメでいきたいなって思うので、そのキメキメをする前に覚悟、心の準備をしました。

――最初の2曲を終えた後のMCで、特にその2曲は緊張感があったと言ってましたね。で、そのあとの3,4曲目が“BLUE ROSE”と“Ambition”。アルバムのレコーディングに向けて曲を受け取ったときも、「今まで自分が歌ってこなかった強めの曲」という話をしていたけど、すごくよいパフォーマンスでしたね。

Liyuu:ありがとうございます。最初に緊張したのは、幕があって、ステージに立っても幕があるからみんなの姿が見えづらかったです。だから歌い出しも、幕は下がってからみんなの姿を見慣れてないの状態で歌が始まったので、より緊張感が増えました。

――逆に言うと、お客さんの姿をちゃんと自分の目で見てからは、わりと落ち着いたと。

Liyuu:そうですね。最初はステージが2階だし幕もあったし、下に降りてみんなの前に出たらさらにちょっと緊張があふれましたけど、1回目のMCでちょっと慣れてきたなって思いました。MCをする前のオープニングの2曲は、そんなに話をしてないの感じです。1回目のMCで、ちゃんとみんなと話ができて、「あっ、イケるな」って思いました。MCでみんなと話をして、雰囲気もわかったし、イメージも作られました。1stコンサートだから、来る人はどういう雰囲気なんだろう、どういう感じで見られてるんだろうって、ちょっとわからないから、最初は不安が多くて。だから、最初の2曲はちょっと緊張しながら歌いました。

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1stなので、やり切っただけで自分を褒めたい気持ちです(笑)

――1stコンサート前のインタビューで、「1曲歌うたびにみんなの反応が見られるのが楽しみ」と話してましたが、実際にお客さんのリアクションを見て印象的だったこと、応援してくれてることが伝わってきたときに、どんな気持ちになったのかを教えてください。

Liyuu:う~ん、不思議な気持ちと、嬉しい気持ちです。

――不思議?

Liyuu:うん。自分の1stソロコンサートなので、見たことない光景だから、自分もあまり想像できてないことで――驚きというか、ちょっと自分の心にバッて、ギュッて……という感じです。

――バッて、ギュッてした。そこをもうちょっと言葉にしてもらうと、どんな感じでしょう?

Liyuu:なんか、こういう人あるんだ、実在しているんだって、ほんとにその瞬間でわかったので、すごくわたしの心が温められました。

――いろんな場面で「応援してるよ」「ライブ楽しみにしてるよ」と声をかけられてきたと思うけど、やっぱり目の前にすると全然気持ちが違いますか。

Liyuu:違いますね。1月10日に、カレンダーの特典お渡し会イベントがあって、そこで久しぶりに、みんなと近いの感じでやり取りをしました。コンサートを発表してから、初めてのリアルのイベントで「1stコンサート行きますよ」って言われたので、それがほんとに嬉しかったです。

――1stコンサートで披露した13曲、すべてよかったと思うんですけど、特に印象的だったシーンをふたつピックアップして話を聞いてみたいです。ひとつは“カラフルホライズン”。ダンス練習の動画も楽しかったし、相当しっかり準備したんだろうな、と思いました。

Liyuu:このライブの準備期間はそんなになかったですけど、最初は歌詞を覚えるために時間を作って、歌の練習だけ先にやりました。でも“カラフルホライズン”は、まったく何も覚えられないですね(笑)。

――(笑)。

Liyuu:なんかちょっと逃げてました。他の曲をとりあえず覚えようって思いながら、ちょっと“カラフルホライズン”はとりあえず置いといちゃおうって。

――難しいから、1回置いておく。

Liyuu:そう、置いちゃいます。他の曲を先にやろうかって感じになったんですけど、“カラフルホライズン”には振りがあるので、振り入れのときに、ダンサーさんから教えてもらった振りで、すごく歌詞が覚えやすくなりました。振りを頼って、だんだん歌詞が頭に入った感じです。実は“Reply”も、アンコールだからちょっと時間かかりました。

――へえ。“Reply”で時間がかかったのはなんでですか。

Liyuu:“Reply”の歌詞は、全部わたしが思ったことが伝わるんですけど、1番と2番が自分の中で一緒になりやすいというか。それがちょっと時間かかりました。アンコールで、絶対絶対この歌詞の内容、歌詞の思いを伝えたかったので。

――なるほど。“カラフルホライズン”は、映像を通してみんなで振りを練習して、一緒に踊ったことで、ステージ上と客席の一体感が増した感じがありましたね。

Liyuu:特に、けっこう前のほうはすごく見やすくて。みんな頑張って踊ってるの姿を見て、楽しそうだなって思いました。なんか、歌いながらこういう余裕の考えがあるのって、今思い出すとちょっと怖いなって思います(笑)。でも、思ったよりステージでいろんなことを考えてたなって、改めて思います。

――そしてさっき話してくれた“Reply”が、もうひとつの印象的だったシーンです。直前のMCも含めて、観た人たち人がとても心を動かされた場面だったと思うんですけど、“Reply”を歌ったときの気持ちを教えてほしいです。

Liyuu:はい。直前に泣いたので、テンションと歌的に、ちょっと心配がありました。でも逆に、あの場の気持ちが一番だなって思って、最後までちゃんと歌うことができたので、よかったです。MCのとき、なんか一気に、気持ちがあふれてわ~って、何かぼわ~ってなりました(笑)。最後の1曲だから、伝えたかった気持ちも含めて、もうキメるって感じで歌いたいなって思いました。もともと泣かないのつもりなんですね、ちゃんと歌えるようにしたいので。本番は泣いてしまったけど、歌は絶対にキメたいと思いました。

――そういう意味ではとてもカッコよかったですね。MCでは、けっこう泣いたじゃないですか(笑)。

Liyuu:(笑)そうです、もう号泣です。

――号泣したけど、歌はとてもよかったし、安定していたし。まさに「決まった!」って感じでしたね。

Liyuu:はい(笑)。

――前回、アルバムのインタビューでも、「ステージではできるだけ涙を見せたくない、ほんとは我慢したい」という話をしてましたね。つまり、泣いてしまうことは予定通りではないですよね。だけど、どうしても気持ちがあふれてきてしまった。そのとき、心を動かしたものってなんだったんでしょう。

Liyuu:泣かないようにしようねって思ったんですけど、みんなをリアルで見て、ライブの最初から最後までずっと一緒に楽しんで作ったので、あの場で自分が感動したんですね。みんなの行動を見て感動しました。配信のほうも、観てくれる人をちょっと想像しただけで、感動しました。配信も、最初に予想したよりたくさん観てもらって、ビックリしました。最初のMCで、中国で配信を観ている人への挨拶があって、たぶん1年くらい帰れなかったもあるんですけど、普通に中国語を話すだけでちょっと泣きそうになっちゃいました。

――実は最初のMCでも涙があふれそうになってしまった。

Liyuu:そうです。でも、それはいけないんです(笑)。

――(笑)こちらが挙げた“カラフルホライズン”と“Reply”以外で、「これはいいパフォーマンスができたな」と思っている曲はありますか。

Liyuu:え~、なんだろう? う~~~ん、いやあ、でも、全部いいですね(笑)。

――(笑)そう、全部いいんですよ。なかなかないですよね、全部いいって。

Liyuu:あの、自分的に、ほんとに1stなので、やり切っただけで自分を褒めたい気持ちです(笑)。

――(笑)ステージを降りる前も、とても名残惜しそうにしていたけど、まだ帰りたくない気持ちが強かったんですか?

Liyuu:う~ん、このライブが終わりたくないの感じが、ずっとありまして。やっぱりステージにいるときは、ちょっと夢みたいだし、終わりたくないですね。

――終わりたくないと思うのはなぜ?

Liyuu:楽しいもあるんですけど、「次回はいつだろう?」ってすごく思いました。まだわからないだから、ちょっと別れたくないなって思いました。

――ステージを降りたあとのことも聞きたいです。緊張はしていたので、プレッシャーから解放されたところはあったんじゃないですか。

Liyuu:そうです、すごくテンション高いです。今までの心配、不安とか、全部解放されて、ほんとにテンションが高かったです(笑)。わたしにとって1stコンサートだけど、みんなにとってもわたしの1stはこの日で、1stだからこそ今後のことが決まるって感じかな。この1stでみんなが感じたものを、今後もずっと続く感じにできるかなって思いました。自分が伝えたい雰囲気が、2時間くらいの空間でみんなに伝わって、一緒に1stコンサートをやり切って、来てくれたみなさん全員に全部伝わったので、笑顔でいられたのかなって思います。そんなに伝わってないと思ったら、アンコール前にも泣かないかもしれないです。できたからこそ、泣きました。

――素敵なことですね。今回の1stコンサートで感じた一番大きな気持ちってなんでしたか?

Liyuu:一番思ったのは、これからまだまだだなって思いました。これからの道が、まだ長いんだなって思います。どんどんいろんな曲を歌いたいなって思いました。

――音楽活動への気持ちがより高まった、強くなった。

Liyuu:はい、そうですね。実は、デビューするときも「何がやりたいですか」って聞かれて、「ライブをやりたい」って言ったけど、そのときは、本心から言えてなかったかもしれないですね。自分のライブはすっごく遠いのことかなって思っていました。ほんとにやりたいかなって迷いました。今の自分にはできないかなって、ライブを想像したら、怖い気持ちしかなかったかもしれないです。ステージで何もできなくなるかもしれないし、まだまだ早いって思いました。でも、今の気持ちは、またやりたい。ちょっと変化がありました。

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(ファンの人たちは)ちょっと離れたくない存在になったかも

――今回の1stコンサートはアルバムが出て2日後というなかなかなタイミングで(笑)、それこそ会場にいた人は相当聴き込んで来たと思うんですけど。

Liyuu:いやあ、これはほんとに、ありがたいことです(笑)。

――アルバムについて、「成長するための階段のようなアルバム」という話をしていたけど、ステージでしっかりパフォーマンスができたことで、アルバムへの印象は少し変わったりしましたか。

Liyuu:本番は、曲が身体に入れ込んでたかなって思います。レコーディングのときは、ちょっとバタバタのときもあったので、まずはこの作品を作ろうって感じですね。で、ライブは、曲が全部身体に入って、気持ちをちゃんと伝えられました。

――コンサートはファンの方もたくさん観てくれたわけですが、アルバムとコンサートを経て、より絆が深まったんじゃないかと思います。応援してくれる人たちは、どんな存在になりましたか。

Liyuu:なんていうか……ちょっと離れたくない存在になったかもしれない。いろんな人のファンになった人もいっぱいあるんですけど、「この人にハマった時期」とかあって、それが終わって、そろそろ他の人にハマろうとかあると思っていて、あの、もちろん理解するんですけど、やっぱり今思うのが、離れたらちょっと悲しいなって。離れることに、怖い気持ちになるんですね。

――なるほど。その離れたくない人たちに、今後の音楽活動でどんな自分を見せていきたいですか。

Liyuu:なんか、自分の特徴的なものが欲しいなあって思います。ちょっと今はまだできてないですけど、「Liyuuといえばこれ」って感じの、自分だけの特別な雰囲気が作りたいなって思います。

――いいですね。そして、次にみなさんの前に出るのが、5月のファンクラブイベントということで。

Liyuu:はい。〈YuU Koi Days〉のイベントが2回目ですけど。ファンクラブが立ち上がる前も、ファンミーティングみたいなイベントがあって、その雰囲気にしたいです。みんな一緒にワイワイしたい感じ。ゲームをするとか、ほんとに近めな雰囲気でやりたいなって思います。コンサートは歌が中心なので、逆にファンイベントは、ちょっと軽めな雰囲気で楽しんでいきたいです(笑)。

取材・文=清水大輔
撮影:AZUSA TAKADA/Kawado
写真提供:HoriPro International

●Liyuu(りーゆう)
1997年、中国・上海生まれ。コスプレイヤーとしての活動を通して、ホリプロインターナショナルのスカウトを受け、2019年より日本での活動をスタート。歌手としては、2020年1月に1stシングル『Magic Words』でデビュー。『ラブライブ!スーパースター!!』で、唐 可可役を担当。2022年に2月9日に1stアルバム『Fo(u)r YuU』をリリース、2月11日にはパシフィコ横浜国立大ホールにて1stコンサートを開催した。

Liyuuオフィシャルサイト https://liyuu0109.com/
【LiyuuオフィシャルTwitter】https://twitter.com/liyu0109
【LiyuuオフィシャルInstagram】https://www.instagram.com/koi_liyuu/

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