白石麻衣「コナンくんと同じ世界を生きてるんだと、思えてわくわくした」劇場版『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』で声優初挑戦！

　佐藤刑事の美しい花嫁姿に、大人気スピンオフ『警察学校編 Wild Police Story』に登場した安室透とその同期・4人。予告が発表された際、ネット上が沸きに沸いた劇場版第25弾『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』がいよいよ公開！　その概要をチラ見せ&ゲスト声優の白石麻衣さんにお話をうかがった。

ハロウィンの渋谷を舞台にさまざまな過去と想いが混線！

　高木刑事と佐藤刑事がついに結婚!?　原作・第95話【本庁の刑事恋物語4】を機に、晴れて恋人同士となった二人。そして、コナンたちが招待されたとある結婚式に、ウェディングドレスに身を包んだ佐藤刑事の姿が。だが、式場に突如、暴漢が押し入り、その裏では、佐藤刑事のかつての想い人・松田刑事が殉職した原因である爆弾犯が脱獄する事件が起きていた――。と、序盤から不穏な劇場版第25弾。脚本は、推理ドラマとしての緻密な構成に原作者・青山さんも太鼓判を押す大倉崇裕さん。人波押し寄せるハロウィンの渋谷を舞台に、異国の暗殺者とその行き先を追う組織など、さまざまな過去と思惑が混線する大スペクタクル映画に仕上がっている。

　松田が登場するとなれば、警察学校時代に彼と同期だった降谷零こと安室透も無関係ではいられない。爆弾犯を追うさなか、何者かに首輪爆弾を装着され身動きの取れなくなった彼はコナンに協力を求める。同期4人に先立たれ、ひとり強くならざるをえなかった安室の過去と胸中をコナンが知る由もないが、言葉にはせずとも〝何か〟を受けとり、事件を解決に導くのが名探偵・江戸川コナンの本領。安室だけでなく、もう二度と大切な人を目の前で死なせたくない佐藤や、復讐を誓う人々の悲哀、そのすべてを背負ってコナンは事件に挑む。約110分、息つく暇もない怒涛の展開をぜひ劇場で見届けてほしい。

登場人物

高木 渉　捜査一課の刑事。お人好しだが正義感が強く、佐藤に恋心だけでなく刑事としての憧れも抱いている。目元を隠すと松田に似ている。

高木（佐藤）美和子　捜査一課の鑑のような刑事だが、かつてのバディで想いを寄せていた松田が目の前で殉職したことがトラウマで、高木を過度に心配する場面も。

諸伏景光　捜査一課の鑑のような刑事だが、かつてのバディで想いを寄せていた松田が目の前で殉職したことがトラウマで、高木を過度に心配する場面も。

松田陣平　元機動隊の爆発物処理班。捜査一課に異動し、萩原が殉職した事件の爆弾犯を追うも、観覧車に仕掛けられた爆弾を解体中に殉職。

伊達 航　捜査一課の刑事。高木の教育係で自ら「ワタル・ブラザーズ」と称するほど親しかった。張り込み中の交通事故で、高木の目の前で死亡。

萩原研二　機動隊の爆発物処理班。松田の幼なじみで親友。一度は止めたはずの爆弾が再起動し、殉職。松田の初恋は萩原の姉で、101巻に登場する。

江戸川コナン　“黒ずくめの組織”に飲まされた薬のせいで、小学生の姿になった高校生探偵・工藤新一。幼なじみで恋人の蘭の父親・小五郎にかわって、ひそかに事件を解決しながら、組織の行方を追う。

安室 透　バーボンと呼ばれる“黒ずくめの組織”の一味、と思いきや、その正体は潜入捜査中の公安警察・降谷零。ともに事件に遭遇するうち、コナンが只者でないことに気づき、しばしばタッグを組むことに。

コナンくんと私たちは同じ世界を生きてるんだ、と思えました

　白石さんが声を吹き込んだ今作のオリジナルキャラクター、エレニカ・ラブレンチエワは、爆弾犯に復讐を誓い、異国から日本にやってきた組織のリーダー。職務中にこの世を去った松田刑事の行方を探るため、警察と接触をしようとする謎の女性だ。

エレニカ・ラブレンチエワ　爆弾犯への復讐を誓う異国の組織のリーダー。顔に火傷の跡をもつ。松田刑事の行方を追い、警察に接触するが、なぜかコナンを気にする様子を見せる。

「どんな脅威にも困難にも屈せず、目的のためには立ち向かう凛とした女性なのだと監督から聞いていたので、なるべく声のトーンが高くならないよう、落ち着いて抑揚のない表現を心がけました。一方で、彼女の芯には激しい感情が秘められているというか、今でも乗り越え切れない悲しい過去を背負ってもいて、劇中には感情を爆発させるシーンも多々あります。基本的には冷静沈着な彼女が、なぜかコナンくんと相対したときには感情を揺さぶられ、子どものような一面が表に出てしまう……そんな彼女の葛藤がうまく表現できたらいいな、と」

　声優初挑戦に加え、異国の言葉を流暢に話さなくてはならないのも、難しかったことの一つ。

「英語とも違う、まったくなじみのない言語だったので、事前に練習しようにも一人ではどうにもならなくて。現場でネイティブの方の発音を聴かせてもらい、耳でコピーしながら一気に録ったのですが、乃木坂46時代、歌を耳で覚え、音をとらえてきた経験が生かされたのかもしれません。今作の舞台となった渋谷は、乃木坂46に入る前に通っていた専門学校のあった場所で、『世界で一番孤独なLover』などのミュージックビデオを撮影した場所でもある。いろんな意味で、過去が現在に繋がったような気もして、嬉しかったですね」

　思い出深い渋谷で、スクランブル交差点や渋谷ヒカリエなど現実と重なり合う風景のなか、コナンたちが生きている姿を見られたのが嬉しかったと、白石さんは言う。

「アニメの中に入り込んだ気分になれるというか、私たちは同じ世界を生きてるんだ、と思えてわくわくしました。今作では、警察学校の同期である5人の絆が感じられ、安室さんはあいかわらずオイシイところをもっていくし、ずるいなあという感じなんですが（笑）、私がカッコいいと思うのは、子どものころも今もずっとコナンくん。蘭に対する子どもっぽい姿と、鋭い推理力を展開していく姿のギャップがたまらないんですよね。今作では包容力を見せる場面もあって、やっぱり無敵だな、とドキドキしました。演じたエレニカも、もちろん、特別な存在。彼女と私は何もかもが違うけど、どんなことがあっても逃げずに責任をまっとうしようとする姿勢は、私もお仕事をするうえで見習いたい。かわいいとかきれいとか言われるのも嬉しいけど、かっこいいね、って言われるのが私はいちばん嬉しいので」

　劇中では、佐藤刑事が弱音を吐く場面がある。それに対する高木刑事のセリフがなんとも痺れるのだが、今作では登場する人物それぞれの仕事への向きあい方が真摯に描かれているのも見どころだ。

「高木刑事のあのセリフは、事件の本筋とは関係ないかもしれないけれど、そういう、さりげない場面にも突き刺さる名言がちりばめられているのが『名探偵コナン』ですよね。映画でしか味わえない大迫力のアクション、最後まで展開を読むことのできない事件の真相など、見どころしかない映画なので、絶対に、みなさんに楽しんでいただけると信じています」

取材・文＝立花もも、写真＝ただ（ゆかい）

ヘアメイク：PON　スタイリング：鬼束香奈子　衣装協力：トップス　3万4000円、パンツ　2万6000円（ともにBAUM UND PFERDGARTEN／S&T 03-4530-3240 〒150-0046 渋谷区松涛1-26-21 Ridge2F）靴　2万7500円（CORSO ROMA 9／TOMORROWLAND）ピアス　10万4500円、左手人差し指リング　14万8500円（ともにウノアエレ TEL0120-009-488 〒150-0002 渋谷区渋谷1-23-18）左手中指リング　1万8700円、右手人差し指リング　8800円（ともにVA Vendome Aoyama／ヴイエー ヴァンドーム 青山 有楽町マルイ店 TEL03-6738-3845 〒100-0006 千代田区有楽町2-7-1）＊すべて税込

劇場版『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』 原作：青山剛昌『名探偵コナン』（小学館『週刊少年サンデー』連載中）　監督：満仲 勧 脚本：大倉崇裕　音楽：菅野祐悟　声の出演：高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、古谷 徹、白石麻衣ほか 製作：小学館／読売テレビ／日本テレビ／ShoPro／東宝／トムス・エンタテインメント 配給：東宝　4月15日（金）より全国東宝系にて公開