推理マンガのおすすめ10選!謎解きの快感が病みつきになる、誰もが知る名作から注目のミステリーまで一挙まとめ

マンガ

更新日:2018/7/23

ミステリーは、ドラマや映画、小説など、さまざまな媒体で人気のあるジャンル。その中でも「推理マンガ」の魅力といえば、個性的な探偵役による退屈しない推理と、視覚的にも分かりやすく、インパクトのあるトリックだろう。今回は、今読み返したい有名長寿マンガから、始まったばかりの話題の新作まで、おすすめの推理マンガを10作ご紹介したい。

■安定感抜群の長寿シリーズ! これを読んでおけば間違いなし!

名探偵コナン

『名探偵コナン』(青山剛昌/小学館)

“コナン女子”の増加で更なる人気を集める『名探偵コナン』(青山剛昌/小学館)。高校生名探偵・工藤新一が、事件を追っている最中に薬を飲まされ、子供に戻ってしまった…というあらすじを知らない人はいないだろう。テレビアニメや映画の大ヒットなどを受けて「原作も読みたい!」と思っている人はたくさんいそうだが、既に原作は90巻以上刊行されている。「今から揃えるのは大変!」というあなたには、テーマごとに発売されている総集編をすすめたい。黒の組織との重要なエピソードを集めた『名探偵コナンvs.黒ずくめの男達』や、安室透の活躍がみられる『名探偵コナン 安室透セレクション』などが発売されている。興味のある切り口から、原作コナンに入門してみては…?

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金田一少年の事件簿

『金田一少年の事件簿』(天樹征丸、金成陽三郎:原作、さとうふみや:漫画/講談社)

『金田一少年の事件簿』(天樹征丸、金成陽三郎:原作、さとうふみや:漫画/講談社)もコナンと並ぶ国民的な人気シリーズ。主人公・金田一一(きんだいちはじめ)は、遅刻・早退は当たり前、テストは赤点でスポーツもまるでだめ…という“問題児”だが、実は名探偵・金田一耕助の血を引き、IQ180の天才的な頭脳を持つ。その鋭い洞察力や「じっちゃん」に教わった手品などの特技を生かしながら、数々の難事件を解決していく…。連載開始から25年以上経っているが、近年もその勢いは衰えるどころか、新たな展開をみせている。金田一がしがないサラリーマンになった最新シリーズ『金田一37歳の事件簿』(天樹征丸:原著、さとうふみや:著・文・その他)や、人気エピソードを犯人側の視点でおもしろおかしく描くスピンオフ『金田一少年の事件簿 犯人たちの事件簿』(天樹征丸、金成陽三郎、さとうふみや:原作、船津紳平:漫画)なども連載中だ。

Q.E.D. 証明終了

『Q.E.D. 証明終了』(加藤元浩/講談社)

『コナン』や『金田一』ほどではないかもしれないが、『Q.E.D. 証明終了』(加藤元浩/講談社)も根強い人気を誇る名作だ。2009年にNHKでドラマ化された本作は、本編が全50巻で完結し、現在は続編『Q.E.D. iff-証明終了-』が連載中。MIT(マサチューセッツ工科大学)の数学科をわずか15歳で卒業した天才少年・燈馬想(とうま そう)は、ある理由から日本の高校に通っている。元気いっぱいの暴力系ヒロイン・水原可奈に連れられながら、身の周りで起こる事件に関わっていく…。基本的にひとつの事件が巻数をまたがない(1巻2話構成)ので、少しずつ読み進め、集めていくのもアリだろう。

C.M.B. 森羅博物館の事件目録

『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』(加藤元浩/講談社)

『Q.E.D. 証明終了』作者のもうひとつの推理マンガが『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』(加藤元浩/講談社)。『Q.E.D.』と世界観を共有しており、クロスオーバーしている話もある。主人公・榊森羅(さかき しんら)は、「知の守護者」の証である“C”“M”“R”と刻まれた3つの指輪を受け継いだ、世界中の珍しいものが集まる森羅博物館の館長。基本構成は『Q.E.D.』と変わらないが、こちらは人体発火現象や幽霊騒ぎなどの“怪奇現象”をメインに扱い、それらの謎を科学の範囲で解き明かしていく。

■10巻以下で読みやすい! 長すぎない推理マンガ

僕だけがいない街

『僕だけがいない街』(三部けい/KADOKAWA)

 2016年にアニメ化・映画化されたことでも話題となった『僕だけがいない街』(三部けい/KADOKAWA)。編集者からのダメ出しが続き、日々思い悩んでいる青年漫画家・藤沼悟には、事件や事故をきっかけに時間が巻き戻る“再上映(リバイバル)”という特殊能力があった。その影響から、彼は否応なく過去の“ある事件”と向き合うことになる…。サスペンス的な要素が強い作品だが、散りばめられたヒントから“犯人”を推理することも可能である。衝撃的な1巻の結末を読めば、おそらく最後まで一気読みしたくなるはず。外伝を含め全9巻で綺麗に完結しているので、休日にどっぷりハマってみては?

掟上今日子の備忘録(コミカライズ)

『掟上今日子の備忘録』(西尾維新:原作、浅見よう:漫画/講談社)

『掟上今日子の備忘録』(西尾維新:原作、浅見よう:漫画/講談社)は、2015年に新垣結衣・岡田将生主演でドラマ化された同名小説(西尾維新:著、VOFAN:イラスト/講談社)から始まる「忘却探偵シリーズ」のコミカライズ作品。幼いころから数々の事件に巻き込まれ、常に犯人扱いをされてきた不幸な青年・隠館厄介(かくしだてやくすけ)は、ことあるごとに忘却探偵・掟上今日子(おきてがみきょうこ)に事件の解決を依頼していた。彼女は1日しか記憶がもたない代わりに、どんな事件も1日で解決する“最速の探偵”でもあって…。ひとつひとつの事件がコンパクトにまとまっているうえ、原作では想像するしかなかった今日子さんのかわいい表情もみられるお得な作品だ。全5巻。

虚構推理(コミカライズ)

『虚構推理』(城平 京:原作、片瀬茶柴:漫画/講談社)

『虚構推理』(城平 京:原作、片瀬茶柴:漫画/講談社)は、『絶園のテンペスト』(左有秀:構成、彩崎廉:作画/スクウェア・エニックス)や『スパイラル~推理の絆~』(水野英多:画/スクウェア・エニックス)の原作者・城平京の小説をコミカライズしたもの。マンガ版の人気ゆえに、原作の続編も決定している。内容は、怪異や都市伝説の謎を解き明かしていく伝奇ミステリー。深夜に鉄骨を振るうという都市伝説“鋼人七瀬”に、怪異たちの“知恵の神”となった美少女・岩永琴子と、怪異すら恐れる異形の存在・桜川九郎が、“虚構の推理”によって立ち向かう。原作発売時に「これはミステリーなのか」と議論になった本作は、あなたの思う“推理”の概念を覆すかもしれない。

■始まったばかりの期待の新作たち! 追いかけるなら今!

ミステリと言う勿れ

『ミステリと言う勿れ』(田村由美/小学館)

『ミステリと言う勿れ』(田村由美/小学館)は、『BASARA』『7SEEDS』(同じく小学館)で知られる田村由美の最新作で、タイトルに思わずツッコミたくなるほど良くできた本格ミステリーだ。天然パーマが印象的な主人公・久能整(くのう ととのう)は、大学に友達がいない変わり者。しかし、気になることがあると口を挟まずにはいられず、いつも人をハッとさせるようなことを言う。Episode 1「容疑者は一人だけ」では、彼自身に殺人事件の容疑がかけられ、警察の取り調べをうけることになるのだが、逆に警官ひとりひとりの悩みを見抜き、的確なアドバイスをしてしまうほど…。次々と証拠があがる中、彼は自分の容疑を晴らせるのか。

二科てすらは推理しない

『二科てすらは推理しない』(PEACH-PIT/講談社)

『二科てすらは推理しない』(PEACH-PIT/講談社)は、『ローゼンメイデン』(集英社)『しゅごキャラ!』(講談社)のPEACH-PITが描く推理マンガ。厳密には、この作品は真相を証明するのではなく、あくまで思考実験によってありうる可能性を導き出しているにすぎないため、“推理をしない名探偵ミステリー”と銘打たれているが…推理マンガとして紹介する分には問題ないはず(笑)。ある日、サラリーマンの百地俊太(ももち しゅんた)は、満員電車で痴漢の疑いをかけられてしまう。そんな彼を救ったのは、謎の美少女・二科てすらの“思考実験”だった…。自らを「見た目は女子高生だが実はおっさんだ」という彼女とともに、百地はいくつかの“日常の謎”に行き当たる。厳密性の高い正確な論証よりも、手がかりから可能性を発想していく楽しさを重視する人におすすめ。

探偵ゼノと7つの殺人密室

『探偵ゼノと7つの殺人密室』(七月鏡一:原作、杉山鉄兵:作画/小学館)

『探偵ゼノと7つの殺人密室』(七月鏡一:原作、杉山鉄兵:作画/小学館)は、コナンを擁する『週刊少年サンデー』で連載が始まったばかりの推理マンガ。原作者の七月鏡一は、『ARMS』(皆川亮二/小学館)の原案協力や、『牙の旅商人 〜The Arms Peddler〜』(梟:作画/スクウェア・エニックス)の原作でも知られている。記憶のない名探偵・ゼノは、事件を通して人の心を知るために探偵になった。そんな彼のもとに、高名な建築家・甲斐七楼(かい しちろう)が現れる。甲斐は、失われたゼノの記憶を報酬に、自らが設計した7つの“殺人密室”を解き明かせと依頼し…という設定。マンガならではの大胆な“建物トリック”がふんだんに使われており、絵的なインパクトで読ませる作品だ。

 さて、気になるものはあっただろうか。推理マンガは、基本的にひとつひとつのエピソードは短いため、空いた時間に少しずつ読み進めていくこともできる。マンガの世界で、気軽に謎解きの快感を味わってみては?

文=中川 凌