「記憶喪失の私が恋した相手はお兄ちゃん」——兄妹愛や不倫禁断の恋愛漫画まとめ

マンガ

更新日:2018/7/23

「絶対にこの一線は超えてはいけない…」そう分かっているのに、想いが止められず、そんな相手を好きになってしまった経験がある方もいるのではないだろうか。恋愛中は心にブレーキがかけられないため、禁断の恋に落ちてしまうことだってある。そこで本稿では、兄妹、先生×生徒、不倫などといった禁断の恋をテーマにした恋愛漫画をいくつかご紹介していきたい。いけない恋は果たして、どんなラストを迎えるのだろうか。

■私は私が分からない…記憶喪失後の妹が恋をしたのはお兄ちゃん

 兄妹の恋愛漫画は定番中の定番だ。しかし、『シックスハーフ』(池谷理香子/集英社)は、一味違った兄妹愛を見せつけてくれる。物語は、主人公である詩織のバイク事故から幕を開ける。詩織は運よく一命を取り留めたが、なんと記憶喪失に陥っており、自分の名前すらも分からなくなっていた。そんな中、詩織は自分が一体どういう人間だったのかを知ろうと奮闘する。しかし、記憶喪失になる前の自分はどうやらロクでもない人間だったよう。詩織の耳には自分の悪い噂ばかりが飛び込んでくる。そんな中、唯一の味方となってくれた兄の明夫に詩織は自然と恋心を抱くようになる。記憶喪失によって新しい価値観を手に入れた詩織は、自分の人生をどう彩っていくのだろうか。

■作品の空気感に脱帽! 女性同士の性愛を真正面から描いた百合漫画

 もし、同性を好きになったら、どうすればいいのだろう…。そんなことを考えさせてくれるのが、女の子同士の恋愛を描いた『青い花』(志村貴子/太田出版)である。物語の舞台は、鎌倉のお嬢様学校と進学女子高。高校1年生になって数年ぶりに再会した幼馴染の万城目ふみと奥平あきらが繰り広げる恋は美しく、深い。百合漫画は性的な表現がなされているものも数多くあるが、本作には直接的な性描写はない。しかし、思春期の少女たちが抱える繊細さを含ませながら、女性同士の性愛を真正面から描いている。文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品アニメーション部門・長編に選出もされた本作なら、一般的な百合漫画が苦手な方でも楽しんで読めるはずだ。

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■「同情するなら結婚して」先生×女子高生が繰り広げる秘密の新婚生活

 先生と生徒の間で芽生える禁断の恋は、スリリングでドラマチックである。そんなドキドキ感をたっぷりと味わわせてくれるのが『キスよりも早く』(田中メカ/白泉社)だ。主人公の女子高生・梶文乃は幼い頃に両親を亡くしたため、弟の鉄兵と共に親戚の家をたらいまわしにされる日々を送っていた。そんな状況に嫌気が差し、ある日家出を決行したが、路頭に迷ってしまう。そんなときに出会ったのが担任教師の尾白一馬だった。優しさを見せる尾白に投げつけた「同情するなら結婚して」という言葉がきっかけとなり、秘密の新婚生活が始まる。キスすらもせず、お互いのことをよく知らないまま夫婦となった2人は果たして、どう愛を育んでいくのだろうか。

■警察×女子高生の禁断愛! ピュアな想いが溢れた歳の差恋愛漫画

 20代と未成年との歳の差恋愛を描いた『PとJK』(三次マキ/講談社)は、年上男性に恋をしたことがある女性の心に染みる作品だ。高校1年生の本谷歌子は友達の姉が企画した合コンに人数合わせとして駆り出されたため、年齢と身分を偽って参加をした。すると、合コンで魅力的な男性・功太と出会い、歌子は恋心を抱くようになる。しかし、その後、功太が警察官であることが判明! 歌子の恋は思わぬ方向へ転がっていくのだ。10代の頃は自分よりも年上の相手を好きになると諦めようと思ってしまうことも多い。職業が絡んでくると、なおさらその思いは色濃くなるかもしれない。だが、本作は自分の気持ちをまっすぐ相手に伝えることの大切さを教えてくれる。

■ドラマ化も大反響! 強引なイケメンといけない不倫関係に…

 武井咲×滝沢秀明というタッグで話題となった『せいせいするほど、愛してる』(北川みゆき/小学館)は、不倫という禁断の恋をテーマにした恋愛漫画だ。化粧品会社の広報部で働いていた主人公・未亜は、彼氏の山下から突然プロポーズをされた。しかし、仕事に理解を示してくれない山下に冷めてしまい、別れを告げることに。すると、山下からストーカーをされ始めるようになり、未亜は困惑する。そんな彼女に救いの手を差しのべたのは、出会ったばかりのイケメン・海里。彼の登場により、未亜はいけない恋に堕ちていってしまう。本作では、ちょっぴり強引な海里のドS言動にもドキっとさせられる。既婚女性にもぜひチェックしてほしい1冊だ。

 禁断の恋を描いた漫画はスリリングで、ドキドキ感を与えてくれる。ピュアな恋愛漫画や王道のストーリー展開に飽き飽きしている方は、ぜひこれを機に先の見えない恋愛にハラハラしてみてはいかがだろうか。

文=古川諭香