理想のカップル…「でも誰にも言えない秘密がある」青年誌掲載の恋愛マンガまとめ

アニメ・マンガ

2018/10/9

“恋愛マンガ”というと、主に女性が読むキラキラした少女マンガのイメージが強く、そういった雰囲気が苦手だという人もいると思う。そんな人には、“青年誌”に連載されている恋愛マンガをおすすめしたい。

 青年誌の恋愛マンガには、男女両側の目線から丁寧に感情を追っていく作品が多いから、男性でも女性でも分け隔てなく楽しめるはずだ。本稿では、そんな“青年誌”に掲載されている作品にスポットを当て、5作品を紹介する。

■片思いの相手は冴えないおじさん! 17歳の少女が秘めた恋心

 まずは、小松菜奈、大泉洋出演の映画でも話題となった『恋は雨上がりのように』(眉月じゅん/小学館)。本作は、いわゆる“歳の差恋愛”を扱ったマンガだ。しかも、主人公の橘あきらが高校2年生(17歳)なのに対して、彼女が恋をするバイト先の店長は、なんと45歳――その差は28歳である。

 彼は、他の店員からも「一生店長で終わるタイプよ」と言われてしまうような、冴えないおじさんで、しかも子持ちでバツイチ。それでも、あきらだけは彼の魅力を知っていて…。普段感情の表現の少ないあきらが、店長にまっすぐ思いをぶつけていく姿は、見ていて応援したくなる。

■私たちは付き合っている。でも、好きな人がいる。

『クズの本懐』(横槍メンゴ/スクウェア・エニックス)は、高校生らしからぬ衝撃的な設定で注目を集めた話題作。主人公の安良岡花火と栗屋麦は、ともに美男美女で、誰もが羨む理想の高校生カップルだ。だが、そんなふたりには、誰にも言えない秘密がある――。

 安良岡花火が本当に好きな相手は、クラス担任で昔から「お兄ちゃん」と呼んでいる鐘井鳴海だし、栗屋麦が本当に好きな相手は、清楚な出で立ちで生徒から人気のある音楽教師の皆川茜だ。彼らは、結ばれない思い人の代わりに、お互いを“かけがえのある恋人”だと認めて付き合っている。ふたりの関係は、一見あまりも歪んでいるように見えるが、彼らの内側にあるドロッとした感情は、決して他人事とは思えない生々しさがある。

■残念な住人ばかりの下宿先には、憧れの先輩もいて…?

 共同生活をすれば、自然と距離は縮まるもの。『僕らはみんな河合荘』(宮原るり/少年画報社)は、格安の古いアパート「河合荘」で繰り広げられる王道ラブコメだ。高校生の主人公・宇佐(うさ)は、親の転勤によって急遽一人暮らしをすることに。入居した「河合荘」には、憧れの先輩・律も住んでいたのだが、ドMで変態のシロや、とことん男運のない麻弓など、他の住人は残念な人たちばかりで…。

 住人たちによる下ネタ全開のドタバタ劇はもちろん、お互いに奥手&考えすぎな宇佐と律が、巻数を追うごとに少しずつ仲良くなっていく様子がたまらない。先日、全11巻で大団円を迎えた。

■もし、恋をする人から“光”が見えるとしたら…?

『恋は光』(秋★枝/集英社)の主人公・西条は、なんと恋する女の子からキラキラした“光”が見える体質の持ち主。だが、性格が理屈っぽいからか、自分に対して光っている女の子にはこれまで出会わず…。

 物語は、そんな彼が恋を探求する少女・東雲に恋をするところから始まる。ふたりは順調に仲を深めていくのだが、東雲から“光”は見えずに、西条はやきもきしてしまう。一方で、幼馴染の北代は、西条に密かな恋心を抱いているにもかかわらず、彼から見て北代は光っていない様子。西条が見ているのは本当に“恋の光”なのか? そもそも恋とは何なのか――? 全6巻でその正体に“理屈っぽく”迫る!

■告白した方が負け! 天才たちの“相手に告白させる”頭脳戦!

 最後は、今最も勢いがあり、TVアニメ化も決定している『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』(赤坂アカ/集英社)だ。ラブコメマンガといえば、主人公やヒロインが相手の気を引くために駆け引きをし、最後には勇気を出して告白…というのが定番の流れである。

 だが、本作の主人公とヒロインは、プライドが高すぎるが故に「恋愛は告白したほうが負け」という価値観を持ち、なんとか相手に告白させようと画策する…(笑)。毎回、名作ギャンブルマンガ『カイジ』ばりのナレーションとともに、お互いを罠にはめようようとするのだが、仕掛ける自分が恥ずかしくなってしまったり…。必死な思いが空回りしているふたりを見ているのが楽しい。

 本稿で紹介した恋愛マンガを読んでいると、「あぁ、自分と同じ感情だ」と思う場面が何度も訪れると思う。それは、“恋愛”という行為が万人にとって日常でなくとも、もっと根源的な“他人との関わり”を毎日行っているからだ。恋愛マンガは、私たちに人と深く関わることのむずかしさとすばらしさ、その両面を教えてくれる。

文=中川 凌