下ネタ満載! 童心に帰って楽しめるギャグ漫画まとめ

マンガ

更新日:2018/11/12

 下ネタ系のギャグマンガは、対象の読者によってガラリと内容が変わる。小学生向けであれば、とりあえず「う○こ!」「ち○こ!」と叫ぶことが大事だし、中学生以上の読者を想定しているものはだんだんとオトナな雰囲気が漂ってくる。

 本稿では、主に前者――小学生でも笑える“健全な”ギャグマンガを中心に、10作品を紹介する。童心に帰って自分で楽しむのもいいし、「親戚の小学生の男の子にマンガをプレゼントしたい」なんてときにも参考になるはずだ。

■存在自体下ネタ!? 伝説のギャグ“ケツだけ星人”

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『クレヨンしんちゃん』(臼井儀人/双葉社)の主人公・野原しんのすけは、存在自体が下ネタだ。“クレヨンしんちゃん”と聞いて多くの人が思い出すのは、“嵐を呼ぶ幼稚園児”しんのすけがお尻を出して走り回る“ケツだけ星人”というギャグだろう。

 強烈なインパクトを持つこのギャグは、単純な下ネタが大好きな小学生たちにはおもしろくて仕方がない。原作終了後もTVアニメ・劇場版は製作が続いており、時代を超えて子供たちに愛されている。

■もうひとりの“まるだし”幼稚園児がいた…!

『いぬまるだしっ』(大石浩二/集英社)は、先述の『クレヨンしんちゃん』の跡を継ぐ“まるだし”マンガといっていいだろう。しんのすけといえばお尻だが、本作の主人公・いぬまるくんは、表紙の通り常に下半身を全部さらけ出している(笑)。

 ツッコミ役は、新人の幼稚園教師・山田たまこ(22)。初出勤の日、期待に胸を膨らませて幼稚園に向かった彼女は、超問題児・いぬまるくんの洗礼を受けることに。下ネタはもちろんのこと、時事ネタ、不条理ギャグなどなんでもありな、いぬまるくんにたまこ先生は翻弄されっぱなしだ。

■鼻毛真拳の使い手・ボーボボが立ち向かうのは…?

「毛」はなにかと笑いの種になる。特に子供は、いろんなところに生えている毛や、本来生えているはずのところにそれがない…ということに異様な興味を持つ。小学生に圧倒的に支持されてきた『ボボボーボ・ボーボボ』(沢井啓夫/集英社)は、そんな「毛」に注目したギャグマンガ。

 時は西暦300X年、全世界を支配するマルハーゲ帝国の皇帝は、その権威の象徴として全国民を坊主にするべく“毛狩り”を開始。だが、毛の自由と平和のために、鼻毛真拳の使い手・ボーボボが立ち上がる…。いくら馬鹿らしい設定に思えても、登場人物たちは真剣だ(笑)。

■おじいちゃんと孫のデンジャラスな日常!

 世の中には危険なものがたくさんある。『絶体絶命でんぢゃらすじーさん』(曽山一寿/小学館)の“じーさん”は、孫のためにその危険から助かる方法を教えてくれる…のだが、むしろその行為自体が危険すぎる(笑)。

 家の周りが突然がけになっていたり、冷蔵庫に急に時限爆弾が設置されていたり…。とにかくデンジャラスな状況に追い込まれ、そのたびにふたりでなんとかしようとするのだが…。現在なんと大人向けの『でんぢゃらすリーマン』も連載中。大人になってしまったあなたはこちらを読んでみてもいいかも?

■文房具好きの子供たちの心を捉えたギャグマンガ!

『ケシカスくん』(村瀬範行/小学館)は、子供にとって身近な“文房具”を擬人化したギャグマンガ。他の作品に比べると下ネタ度は下がるが、消しゴムであるケシカスくんにも、きちんと“ち○こ”がついている(笑)。

 ケシカスくんは、紙ケースの服を着て、頭にカスをつけたキャラクターで、「気に入らねぇやつは消す」と言いながらいろんなものを消そうとするが、消しゴムだから頭だけ取れちゃったり…なんてことも。現在も『月刊コロコロコミック』に掲載されており、変わらず子供たちから人気があるようだ。

■しゃべるペンギンが学校に侵入して大問題に…?

『ペンギンの問題』(永井ゆうじ/小学館)に登場する謎のペンギン・木下ベッカムのインパクトは絶大だ。そもそも、ペンギンなのに名前が「木下」で「ベッカム」なところからおかしいが、態度はふてぶてしく、平気でうそをつき、女子の前では可愛い子ぶる…。

 そんなベッカムくんにはどうやらさらなる秘密があるようで…。ツッコミ役・山田なおとくんと一緒に、そんな予測不可能な行動をとるベッカムくんに振り回されよう。本編が15巻、続編の『ペンギンの問題+』が4巻で完結している。

■江戸時代でも思春期男子の脳内は変わらない? ダメダメ武士の日常生活!

 江戸時代を舞台にした『磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~』(仲間りょう/集英社)の主人公・磯部磯兵衛は、とても人間味のある武士の青年である。口では「立派な武士になりたい」と言いながらも、部屋では買ってきた“春画”をじっくりと眺めている。そこに変なタイミングで母親が入ってきて…というのは、男なら“あるある”の展開だろう。

 武士とは思えない磯兵衛のグダグダな生活は、同じような気持を抱いている小中学生には響くはずだ。先日、本作は全16巻で完結した。

■酷すぎる『西遊記』パロディ! 漫☆画太郎の連載デビュー作!

 タイトルからして“いかにも”な雰囲気が漂う『珍遊記~太郎とゆかいな仲間たち~』(漫☆画太郎/集英社)。本作は、中国の『西遊記』を元ネタにしたパロディギャグマンガだ。史上最強のサル&天下無法の暴れん坊・山田太郎に困らされていたジジイとババアの元に、旅の僧・玄じょうが現れる。人智を超えた戦いの末、玄じょうは山田太郎を調教することに成功し、彼は少年の姿になるのだが…。

 破天荒すぎて先の読めない展開と、キャラクターの強烈な顔芸が読者の笑いを誘う。20年以上前に完結した作品だが、全4巻の新装版が発売されており、今もなお読み継がれている。

■「あの顔はセクハラだった」 生まれながらにオッサン顔のたけしが作る伝説!

 グルメバトルマンガ『トリコ』(集英社)で人気を博した島袋光年氏のギャグ漫画『世紀末リーダー伝たけし!』(集英社)。生まれならにオッサン顔で、当時の看護師に「あの顔はセクハラだった」と言われたという「たけし」は、父親譲りのリーダー魂を持っていた。

 誰かが困っていれば必ず助けに行く…そんなたけしはたちまち学校中の人気者に。まっすぐなたけしの言動に笑えるのはもちろん、人生において大切なこともこっそり教えてくれる…そんな作品だ。

■ギャグマンガなのにまじめキャラ!? でもそれがおもしろい!

 これまで紹介してきたギャグマンガの主人公は、たいていふざけたキャラクターばかりだった。しかし『マジで!! まじめくん!』(土田しんのすけ/小学館)の主人公・まじめくんは、マジでまじめだ。

 おしっこをするときにも「トイレにはしっかり近づいて!!」と書いてあれば、小便器にすっぽり入る勢いで近づき、ビショビショになってしまう…。道端に犬のフンが落ちていれば、落とし物として交番に届ける…(笑)。まじめくんのそんな“いきすぎた”まじめぶりを楽しんでほしい。

 小学生をターゲットにしたギャグマンガを読んでいると、彼らの興味をうまくマンガの中に取り入れていることがわかる。おしり、う○こ、ち○こ、毛、文房具…などなど、どれもが彼らの身近にある“ちょっとヘンで気になるもの”だ。だからこそ、そこからおもしろい笑いを作り出せるマンガは、たとえ読者が入れ替わったとしても、また次の子供たちに受け入れられるのだろう。

文=中川 凌