「浮気された」自分を裏切った相手と辛い現実…どう乗り越える? 不倫漫画で考える“浮気発覚時の対処法”

恋愛・結婚

公開日:2021/1/6

『旦那がマッチングアプリでやりとりしてる相手は嫁です』(もなか:原案、蒼衣ユノ:イラスト・漫画/KADOKAWA)
『旦那がマッチングアプリでやりとりしてる相手は嫁です』(KADOKAWA)より

 浮気は「よくないこと」である、にもかかわらず、芸能人の不倫スキャンダルや身近なゴシップなど、浮気の話題がなくなる日がないのはなぜだろう。

 何をもって浮気とするか、その基準は人それぞれである。ただ、浮気についてはっきりと言えることがあるとすれば、想像以上に“誰にでも起こりうる出来事である”ということだ。浮気は決して特別なことではない。

 例えば「自分は絶対にしない」「パートナーは浮気をするようなタイプじゃない」と思っていても、浮気とは心が浮つくことである。普通に生活をして、他者との交流があれば、パートナー以外の誰かに一瞬でも心が向いてしまう可能性はゼロではないのだ。

advertisement

 そこで本稿では「共感する」と話題の浮気・不倫をテーマにした漫画・エッセイ作品から、浮気する人の特徴や修羅場エピソード、別れや復縁に至る道のりなどを抜粋して紹介する。

 もしパートナーの裏切りに気づいてしまったら、どうするべきか…。浮気や不倫について、本稿でじっくりと考えてみよう。

不倫したく“なくなる”と話題の人気漫画『サレタガワのブルー』

 集英社が運営するマンガアプリMeeで、2018年から連載中の大人気コミック『サレタガワのブルー』(セモトちか)。不倫された側の視点から、ドロドロの人間ドラマや復讐劇を描いた作品である。

 タイトルの通り、本作からは不倫“された側”(サレタガワ)の悲しみや、やるせなさ、怒りなどのブルーな感情がダイレクトに伝わってくる。キャッチコピーに、不倫したく“なくなる”とあるように、サレタ側が受ける傷の深さ、シタ側が受ける罰など、誰が読んでも浮気の罪深さが骨身に染みる内容だ。

「メンタルが弱っている時は読まない方がいい」というレビューもあるくらい、不倫や浮気の恐ろしさを感じたい人におすすめの1冊である。

「3組に1組が離婚する」時代で浮気・不倫は他人事じゃない

サレタガワのブルー
(c)セモトちか/MIXER/集英社

 テレビから流れてくる芸能人の不倫スキャンダルを「またか…」と呆れて見ている人は多いだろう。本作の主人公・田川暢(たがわのぶる)もそのひとりだ。

「3組に1組が離婚する」と言われるこの時代で、暢は最高に可愛い妻・藍子(あいこ)と結ばれ、幸せな日々を送っている、…と思っていた。第1話では、藍子が職場の上司とW不倫中とはつゆ知らず、暢はテレビで不倫スキャンダルのニュースを見ながら「我が家は今日も平和だし、所詮他人事だ」と、妻の帰りを待っている。

 しかし暢は「急に残業が増えた」「お風呂にスマホを持って行くようになった」「新しい下着が増えていた」など、藍子の不審な変化には気づいていた。それでいながら“まさかうちの奥さんに限って”と自分の中に芽生えた疑惑を否定していたのだ。

 暢のように、どこかで「浮気や不倫はよくあることだけど、うちは別」と感じている人は多いはずだ。しかし「気のせい」と自分を誤魔化して、浮気の兆候を見逃しているうちに、パートナーとの関係はどんどんこじれてしまうかもしれない。

 確かに、愛する人を疑惑の目で見るのは辛いものだ。実は本当に仕事で忙しかったり、友人から深刻な相談を受けていたりなどの理由から、普段の様子と違うことも考えられる。パートナーの様子がいつもと違う時は、疑うというより、自分が感じた不審の原因を探ってみることが大切なのではないだろうか。

不倫と浮気の違いは「愛情の有無」と「継続期間」

サレタガワのブルー
(c)セモトちか/MIXER/集英社

 ここで浮気と不倫の定義について考えてみたい。どちらも、パートナーがいながら他の相手に心を移す・体の関係を結ぶという意味では同じである。

 この違いは曖昧であるが、配偶者がいながらの浮気を不倫と呼ぶ場合が多いようだ。実際に法律では、「配偶者以外の異性と肉体関係を持つこと」を不貞行為=不倫と定義している。

 とはいえ、例えば夫の風俗通いが発覚した時、とっさに妻が発する言葉は「不倫」よりも「あなた、浮気していたのね!」のほうがしっくりくる気もする。そもそも間に金銭を挟む行為であれば見過ごす(=浮気とはみなさない)という夫婦もいるかもしれない。

 そこで愛情を伴わず、出来心や単発で結んだ配偶者以外との関係を浮気、同じ相手と長期間にわたり続いた関係を不倫と考えるのが自然ではないだろうか。

サレタガワのブルー
(c)セモトちか/MIXER/集英社

 そう考えると、『サレタガワのブルー』はまごうことなき“不倫”マンガだ。藍子とその不倫相手・森和正(もりかずまさ)は、互いに家庭がありながら刺激やオトコ・オンナとしての承認欲求を求めて不倫関係を楽しんでいる。

 しかも本作のシタガワは、パートナーの悪口をいって笑い合ったり、不倫相手と避妊しなかったことを隠すため直後に夫をベッドに誘ったりなど、とことん“ゲス”な人物だ。パートナーに対して悪びれる様子は、一切ない。

 和正の妻・梢(こずえ)はワンオペ育児で毎日手一杯のなか、夫がのうのうと浮気を楽しんでいる事実に苦しめられる。離婚をしたいが、収入面や親権のことで踏み切れない。なぜサレタガワがこんなにも苦しまなければならないのか、改めて不倫という裏切り行為の罪深さを感じさせられる内容である。

 もちろん本作で、サレタガワが泣き寝入りのまま終わるなんてことはない。裏切りを許さず、証拠を集めてシタガワの本性に迫っていく様子はサスペンスドラマそのものだ。

 ゲスな不倫の代償とは何か、本作でひとつの結末を見届けてみてはいかがだろう。

『サレタガワのブルー』を読む

サレ妻の体験談コミック『旦那がマッチングアプリでやりとりしてる相手は嫁です』

 最近では、安心して使えるマッチングアプリが増えてきた。それに伴い、ネットで真剣に出会いを求める男女も多い。しかし一夜限りの出会いや、浮気相手を求めて利用しているユーザーも少なからずいる。

『旦那がマッチングアプリでやりとりしてる相手は嫁です』(もなか:原案、蒼衣ユノ:イラスト・漫画/KADOKAWA)は、新婚1カ月目で夫がマッチングアプリを利用していると知ってしまった妻の体験談をもとにした作品だ。

 本作の浮気夫が使っていたアプリは、本人確認の必要がなく、まっとうな出会いを求める人なら選ばないようなもの。しかも主人公が確認できただけで、4種類のマッチングアプリを利用している。

 主人公は自らマッチングアプリに“潜入捜査”して、自分を裏切った夫へと反撃を開始。浮気男が読めばヒヤッ、サレ妻が読めば共感間違いなしの内容だ。

浮気する男の特徴「常にスマホを手放さない」の心理

旦那がマッチングアプリでやりとりしてる相手は嫁です

 浮気する人の特徴として「常にスマホを手放さない」「スマホを風呂場まで持っていく」というものがよく挙げられる。

 確かに浮気の証拠集めをするなら、相手の携帯電話を覗くのが一番手っ取り早い。それくらい、スマホの中には浮気相手とのやりとりや写真など、浮気の証拠が宝のように詰まっている。しかし浮気男が「スマホを手放さない」には、どうやら危機管理以外の理由があるようだ。

 本作の夫は風呂場まで持ち込むほどスマホをいじっている割に、スマホを主人公の目にも入るテーブルの上に放置していることも多く、あまりに無防備だ。実際に、主人公の目の前で夫のスマホ画面にマッチングアプリの通知が表示されたことが、浮気発覚のきっかけとなっている。

旦那がマッチングアプリでやりとりしてる相手は嫁です

 マッチングアプリで“パリピ女”に扮した主人公は、GPSを利用した検索機能で、あっけなく夫のアカウントを発見してしまう。と言うのも、夫はアプリ内で本名と顔写真を公開していたのだ。軽率とも思える行動は、この夫自身の性格に依るところが大きいだろう。

 主人公がアプリ内で夫にコンタクトをとってみたところ、驚くのがさっそく会う約束をとりつけようとする内容と、レスポンスの早さだ。明らかに“遊び目的”である。

 そして“パリピ女”に扮した主人公は、夫以外からの男性からも似たようなメッセージを数多く受け取り辟易する。アプリの男たちにとって、遊べそうな女の奪い合いに乗り遅れないためには、“即レス”が基本なのだろう。

 単純にスマホを手放さないという事実ではなく、頻繁に誰かとやりとりをしているような気配を感じたら、軟派な浮気の兆候を疑ってもいいかもしれない。

「どこからが浮気か」男性と女性で浮気の線引きは違う?

旦那がマッチングアプリでやりとりしてる相手は嫁です

 男性の場合は「出さなければ、溜まる」という身体的構造を言い訳に、女性よりも気軽に浮気の一線を越えやすい。どこからを浮気と認定するかは人それぞれで、ナイーヴな問題であるが、浮気男の中には「愛情があるわけでなく性欲処理が目的なら、浮気ではない」と考えている人も多いようだ。

 試しに浮気男の体験談をネットで調べてみると「ちょっとした浮気は風俗に行くのと同じ」「けど僕は、風俗が苦手だから…」など、女性側からすると呆れてしまいたくなるエピソードが並んでいる。

 もちろん浮気・不倫の問題は、サレタ側がどう感じているかが重要だ。いくらシタ側が浮気ではないと思っていても、サレタ側が不快に思っていたら関係継続のために行動を改める必要も出てくるだろう。

 そして浮気発覚によって失った信頼関係を取り戻すことは、とても難しい道のりだ。本作では浮気の証拠を突き付けた主人公に対し、旦那は「離婚はしたくない」と懇願する。しかし主人公は話し合ったあとも、旦那の何気ない言動をみては「怪しい…」と、不信感が拭いきれない。

 夫婦として再構築できるのか、むしろ潔く別れるほうがいいのではないか? サレ妻の苦悩と決断は、ぜひ本作を手に取って確かめてみてほしい。

『旦那がマッチングアプリでやりとりしてる相手は嫁です』を読む

浮気夫とサレ妻の離婚調停〜再構築までの実録エッセイ『カマかけたらクロでした』

 たとえ浮気や不倫をされている確信があったとしても、こちらが決定的な証拠を持っていなければ、相手はなんとか誤魔化そうとするだろう。自分に向いた疑いの目を悟って、暴かれる前に“証拠隠滅”をはかるかもしれない。

 サレタ側は相手に不信を抱きつつも、心のどこかでは「勘違いであってほしい」と願っているものだ。にもかかわらず、なんとか言い逃れようとする浮気男(女)の姿には、呆れるを通り越して、虚しくなってしまう。

『カマかけたらクロでした』(うえみあゆみ/メディアファクトリー)は夫の浮気を経て、離婚調停まで経験した夫婦が“再構築”するまでを描いたコミックエッセイだ。本作に描かれる修羅場エピソードや浮気夫の呆れた言動は、すべて実話である。

 タイトルの通り、本作の主人公は、カマをかけることで夫に浮気を認めさせることに成功する。もしも浮気夫がなかなか尻尾を出さず、やきもきしているサレ妻ならば、本作から学べることは多いかもしれない。

【夫の浮気を確かめる方法】いかにして自白させるか?

カマかけたらクロでした

“女の勘”は当たると言われているが、証拠がなければ夫から浮気の自白をとるのは難しいものだ。浮気をやめさせるためには、「シタ側に認めさせる」という難関を避けては通れない。

 もしも証拠もなく責めて、言い逃れられてしまったらどうだろう。その時だけは、危険を察して疑わしい行動をやめるかもしれない。

 しかし浮気の再開は、時間の問題だ。むしろ「なんとかなる」と学習して、もっと巧妙な手口で浮気に興じる可能性もある。辛いだろうが、浮気の疑いがあれば、あえて何食わぬ顔で、夫を泳がせておくことも大切だ。

 とはいえ、浮気の証拠を掴むために、四六時中夫の行動を観察したり、勝手に夫のスマホでLINEを覗いたりといった行為は現実的ではない。特に後者は「プライバシー権の侵害だ」と逆に訴えられ、信頼を失う可能性がある。

 また、例えば夫に無断で浮気調査アプリをダウンロードしたり、SNSにログインしたりして不正に入手した証拠は、離婚協議や慰謝料請求の場では認められないという。夫がそれで浮気を認めたとしても、もしもの裁判では役に立たないのだ。

カマかけたらクロでした

 本作では「200万払って探偵を雇って調査してもらったから、君たちのことは知っている」とカマをかけたことで、夫に浮気を認めさせる。主人公に探偵を雇った事実はなく、正真正銘の“カマかけ”だ。

 ただ、カマかけでは不貞行為の証拠にはならないので、主人公は夫に不倫を認める念書を書かせる。この念書は裁判でも証拠として扱えるからだ。

 もちろんカマかけは相手のことを試す行為のため、失敗した時のリスクを考えておく必要もあり、本作では、数々のカマかけ失敗エピソードも紹介されている。浮気を見破るためのカマかけは、イチかバチかの最終手段として考えておくといいだろう。

不倫相手は加害者であり「被害者」でもあるのか?

カマかけたらクロでした

 男性が不倫を後悔した瞬間に「相手の女性が本気になってしまった」という体験エピソードがある。パートナーとの関係を崩すつもりのない男性にとって、本気になってしまった浮気相手は脅威でしかない。

 本作では、夫の不倫相手と主人公がメールで交わす修羅場エピソードがある。はじまりは主人公が夫になりすまして、彼女にメールを送ったことだったが、あっさり「あなた、奥さんでしょ?」と見破られてしまう。

 と、言うのも、夫は浮気相手の彼女に「電話もメールの返信も絶対しない」というのだ。「こんなことしている間に別れてよ!」と怒りの文章を送ってくる浮気相手に対して、主人公は「まだ若いのに愛する人に愛されず…」と同情してしまうのである。

 とはいえ、相手が既婚者と知りながら深い関係になってしまった彼女は、れっきとした加害者だ。サレ妻から慰謝料を請求されれば応じる必要がある立場だし、どんなに苦しくなっても自業自得としか言いようがない。やはり妻の立場からすれば、隠れて自分の夫と親密に過ごす女が被害者とは思えないだろう。

 しかし、やはり浮気相手の気持ちを汲まず、都合よく扱った夫の罪が一番重いのは確かだ。愛情がない故に、調子のいいことを言って、浮気相手を喜ばせたのかもしれない。“その場さえ楽しければいい”という浮気の代償は、かなり大きくつきそうだ。

懲りずに浮気を繰り返す人の見分け方

カマかけたらクロでした

 なぜだか、何度浮気が発覚しようと、懲りずに繰り返してしまう人たちが一定数いる。自分に甘いのか、目の前の誘惑に流されやすいのか、浮気に手を出さずにはいられない人たちだ。彼らのような人をパートナーに選んでしまったら、浮気をやめさせるのは容易ではないだろう。

 本作の浮気夫も、まさにそんな人物だ。本作で数々の修羅場を経験しながら夫婦として再構築を目指したものの、本書の刊行から10年後に発売された書籍タイトルが『マタしてもクロでした』(電書バト)なのだから。

 浮気をしやすい人の見分け方があればいいが、なかなか初対面で見破るのは難しいものだ。とはいえ、繰り返すほど浮気をやめられない人には、行動の節々から兆候が見えることもある。

 例えば、本作には主人公が飲みに出かける時に限って、夫から「男ですか?」というネチネチとした連絡が頻繁にくるエピソードがある。一見、奥さんのことを取られたくなくて、束縛しているようであるが、普段は仕事のために平気で何日も家を空け、連絡もよこさないような夫である。

 結論から言うと、この場合の「男ですか?」の裏には、自分が外に飲みに行く時は異性と会っている時だから、妻も浮気に出かけるのでは? という思考回路がある可能性が高い。人の意識は自分の行動パターンや経験による影響が大きいと言われているからだ。

 勘違いしやすいが、ネチネチとした束縛や過度な依存は、愛情ではなく不安や不信など別のところから生まれてくるものである。自分の浮気を心配したり、疑ったりするパートナーには「自分がそうだから、相手もきっと…」という思考のクセができているのかもしれない。

『カマかけたらクロでした』を読む

夫の浮気に“備える”実録マンガ『平凡な主婦 浮気に完全勝利する』

 信じていたパートナーが浮気をしていた。その事実だけでもショックだが、さらに辛いのが「これから先、どうするか」という選択を迫られることだ。なかなか人に相談できる問題でもなく、答えを出すまで辛い時間を過ごすことになるサレタ側も多いだろう。

『平凡な主婦 浮気に完全勝利する』(ゆむい:マンガ、SOMAN:原案/ワニブックス)は、サレタ側の“勝利条件”について考えさせられる1冊だ。元刑事の探偵が教える証拠の見つけ方や浮気調査の手順など、プロならではのテクニックも紹介されており、パートナーの浮気を“知ってしまった”時に備えておいて損はないハウツー本である。

探偵が浮気の証拠を掴んだ依頼者の8割は「関係の修復・維持」の道を選択

平凡な主婦 浮気に完全勝利する

 本作に出てくる探偵の話によると、たとえ調査で浮気の証拠が出てきても依頼者の8割が修復や維持の道を選ぶという。例えば「据え膳食わぬは男の恥」と気軽に一線を越えてしまった男性の浮気の場合は、実は修復がしやすいのだとか。

 ただ、依頼者が育児中や専業主婦の場合は、経済的に別れられないケースも多い。「夫のことをATMと考える」とまで割り切れる人はまだいいが、中には“泣き寝入り”してしまう人も決して少なくはないというのだ。

平凡な主婦 浮気に完全勝利する

 そんな中で、本作のサレ妻主人公は「不倫の代償はしっかり払ってもらう」と確固たる信念をもって行動を起こす。浮気の証拠集め、不倫相手との直接対決、慰謝料の請求、公正証書の作成など、具体的な手順をクリアしていく。着実に“完全勝利”を掴もうとする姿は、多くのサレタ側を勇気づけるだろう。

「念書」「内容証明」「公正証書」の違いとは

 ここで、本作を含む浮気・不倫をテーマにした作品に出てくる「不貞の発覚後、シタ側に書かせる文書」について触れておきたい。約束を破られないために「一筆書く」という言葉があるが、パートナーが浮気を認めた時にも「一筆書かせておく」ことは極めて大切だ。

●念書・誓約書

 念書とは、後の証拠になるように「浮気をしました」と認める内容をシタ側に書かせた文書のこと。例えば「次、浮気をしたら離婚に応じます」「不倫相手に今後一切会いません」という誓約書のような内容も念書のうちに入る。

 しかし念書には“落とし穴”がある。裁判で浮気を認めたという証拠にはなるが、法的な拘束力は持たないのだ。もし不倫相手に「次に夫と会ったら、慰謝料を支払う」といった念書を書かせたとして、それが浮気再発の抑止力になっても、いざという時には支払いを踏み倒されてしまう可能性は十分にある。

●内容証明郵便

 念書の内容が破られた時、場合によっては裁判で争うことになるが、そんな時に出番となるのが「内容証明」だ。

 内容証明は、正しくは内容証明郵便といって「いつ、だれが、どのような内容の文章を、だれに宛てて出したか」を証明する郵便のことである。支払いに応じない相手に対して内容証明を送っておくことで、裁判で「約束が守られていない」ことを主張できるのだ。

 ただし、内容証明も念書と同じく「浮気をした」「こんな約束を取り交わした」という証拠にはなるが、文書の内容を実現させる効力は持たない。そこで本作の主人公が選んだのが「公正証書」だ。

●公正証書

 公正証書とは、国内の約300箇所に設置された公証役場で作成される“公文書”のことで、法律上で有効になることしか記載できない特徴がある。多くはお金を支払う契約で利用され、もし相手が支払いを怠った場合は、裁判を起こさずとも強制執行することができる。

「それなら、不倫相手からの慰謝料も公正証書で…」と言いたいところだが、法的拘束力を持ち、一度作成してしまうと修正ができない公正証書は、申し込みから完成までに時間がかかるというデメリットがある。

 そのため、サレタ側は辛い状況や精神的な苦痛から早く逃げ出したいと願い、示談で済ませてしまうケースも多いという。また、本作のベテラン探偵いわく「そんな面倒くさいものにサインする浮気相手はまずいない」そうだ。

『平凡な主婦 浮気に完全勝利する』を読む

 本稿では浮気や不倫について、それらを題材にした作品を通して考えてきた。人の心は、自分ですら思い通りにはできないものだ。本稿のはじめで言ったように、浮気や不倫は特別なことではなく、いつか自分に起こってもおかしくはない出来事である。

 しかしだからこそ、浮気の修羅場をなんとかくぐり抜け、今は幸せに過ごしている人だって多くいるはずだ。もしくは痛い目を見た人もいるだろう。辛い裏切りの乗り越え方は、無数に見つけられるはずなのだ。

 ひとまず本稿で紹介した作品をモデルケースとして、もし自分が当事者になった時に浮気やパートナーとどう向き合うか、考えてみてはどうだろうか。

あわせて読みたい

この記事で紹介した書籍ほか

旦那がマッチングアプリでやりとりしてる相手は嫁です

企画・原案:
イラスト:
著:
出版社:
KADOKAWA
発売日:
ISBN:
9784046046406

カマかけたらクロでした

著:
出版社:
メディアファクトリー
発売日:
ISBN:
9784840124690

平凡な主婦 浮気に完全勝利する

著:
その他:
出版社:
ワニブックス
発売日:
ISBN:
9784847099274