なでしこ、リン…大人になったメンバーが再集結! 2022年夏、映画公開も話題のコミック『ゆるキャン△』絶対行きたいおすすめ聖地

マンガ

更新日:2022/4/19

 山梨県周辺を舞台とした女子高生のゆるやかなキャンプ漫画『ゆるキャン△』(あfろ/芳文社)。アニメでも大人気のこの作品のオリジナルストーリーが、2022年7月1日(金)より全国ロードショーされる。何でも、映画で描かれるのは、大人になったキャラクターたちの姿。なでしこ、リン、千明、あおい、斉藤がキャンプ場作りに奔走する姿が描かれるようだが、一体、どんな内容となるのだろうか。3月には、最新コミック13巻も発売され、『ゆるキャン△』の注目度はますます高まるばかり。一年中キャンプをする人も増えたが、暖かくなりますますキャンプ欲も高まりつつあるのではないだろうか。そこで、今回は、コミック内に登場してきた『ゆるキャン△』聖地をエピソードとともにご紹介する。

△『ゆるキャン△ 1巻』より

山梨県南巨摩郡身延町 浩庵キャンプ場、静岡県富士宮市 ふもとっぱらキャンプ場

advertisement

 山梨に引っ越してきたその日に本栖湖へやって来たなでしこと、ソロキャンをしていたリンが初めて出会ったのが浩庵キャンプ場。富士五湖で一番深く、透明度の高い本栖湖の畔から富士山を眼前に望むことができる贅沢なキャンプ場だ。本栖湖の北西岸にある展望地から眺める富士山は千円札の裏側のデザインに使われた絶景。さらには湖畔沿いから登ることのできる竜ヶ岳は、元旦に富士山頂から初日の出が昇る「ダイヤモンド富士」が見られる場所でもある。

 この後、ソロキャンをしていたリンの元を、なでしこが訪ね、恩返しの坦々餃子鍋を作った、ふもとっぱらキャンプ場は「解放感すげえ」とリンも思わず驚いた、富士山の麓に位置する広大なキャンプ場。富士の峰から昇る日の出は涙もの。こちらもまた壮大な景色を楽しめるオススメのスポットだ。

△『ゆるキャン△ 2巻』より

山梨県山梨市 ほったらかし温泉(作中では、ほっとけや温泉)、山梨県西八代郡市川三郷町 四尾連湖 水明荘(作中では、木明荘)

 富士山と甲府盆地を眼下に望める絶景露天風呂ほったらかし温泉(作中では、ほっとけや温泉)は、2巻でなでしこ、千明、あおいの3人が訪れた場所。初の野外活動サークル(通称:野クル)キャンプへと向かう途中で立ち寄った温泉だ。「温泉気持ちよすぎて思考停止しちゃったよ!!」という3人はこの後、驚愕の展開を迎えるのだが、それも納得の、体の芯まで温まる心地よさ。また、同巻では、初めてなでしことリンが2人キャンプに訪れたキャンプ場、水明荘(作中では、木明荘)の景色も圧巻だ。ここは、富士八湖のひとつである四尾連湖の畔にあるキャンプ場。四尾連湖は湧き水と雨水だけ形成される自然湖であり、山を登った先に突如、現れる神秘の湖だ。11月上旬~11月中旬には紅葉の名所になる他、丑三つ時には牛鬼の亡霊が湖面に現れるというちょっぴり怖い言い伝えも。美しい環境を守り続けるため、キャンプ場の利用には人数制限が。「なかなか予約の取れないキャンプ場」としてその秘境感を高めている。

△『ゆるキャン△ 3巻』より

長野県駒ケ根市 光前寺(わんこ寺)

 長野県駒ケ根市の光前寺は、3巻でリンが「か…かわええ」「負けたぜ この犬どもめ」などと、その可愛さに完敗しながら、犬の入れ物に入った「早太郎みくじ」を購入していたお寺。リンとなでしこでキャンプに行くはずが、なでしこが風邪をひき、家からナビをしていくなかで見つけたこのお寺には、昔、静岡のある村で悪さをしていた化け猿退治の依頼を受け、はるばる信州から倒しにいったという霊犬・早太郎が祀られている。静岡県磐田市の見付天神では「霊犬悉平太郎」という名で祀られており、5巻ではリンがそちらの「ワンコ寺」も参詣。光前寺の境内には70本ものしだれ桜が植えられ、複数の樹種があるため、4月中旬から3週間くらいは花見を楽しむこともできるのだそうだ。

△『ゆるキャン△ 4巻』より

静岡県富士宮市 富士山YMCAグローバル・エコ・ヴィレッジ

 あおいが懸賞で当てた黒毛和牛肉で、キャンプご飯は豪華にすき焼き! なでしこ、千明、あおい、リン、恵那+ちくわ、鳥羽先生で、1泊2日のクリスマスキャンプに出かけたのが、朝霧高原にある、芝生・大浴場つきのキャンプ場・富士山YMCAグローバル・エコ・ヴィレッジ だ。いつもグーグルマップで「キャンプ場」と検索をしては情報収集しているリン曰く、「研修施設だから検索には引っかからなかったりするけど」(7巻)というこの場所は、宿泊キャビン棟も備えている施設。夕刻には真っ赤に染まる富士山を望むことができ、遠く伊豆半島や駿河湾まで見渡すことができる。贅沢な気分に浸れる癒しのキャンプ場だ。

△『ゆるキャン△ 9巻』より

静岡県西伊豆町 三四郎島、静岡県伊東市 大室山

 春休みに2泊3日のキャンプで伊豆を訪れたオールメンバーたち。伊豆のジオスポット巡りをするなか、やって来たのは、干潮時になると海の中に道が現れて陸とつながる三四郎島だ。タイミングが良ければ、足をぬらさずに歩いて島まで渡れる「トンボロ渡り」をすることもできる。さらに、メンバーが伊豆キャン最終日に訪れた大室山も、忘れずに観光しておきたい。

 景色を楽しみながらリフトで登る標高580mの山頂には、直径300m、周囲1000mの噴火口跡があり、山頂を周遊する遊歩道がある。天気のいい日には大室山山頂から望むことのできる富士山とは祀られている神様が姉妹なのだというが、「大室山の上で富士山をほめるとたたりがある」との言い伝えもあり…。麓には約9カ月間、様々な種類の桜を楽しめる桜園もあるから、こちらも訪れてみるといいかもしれない。

△『ゆるキャン△ 11巻』より

静岡県 大井川鉄道アプト式列車に乗って、アプトいちしろ駅まで
静岡県静岡市 畑薙大吊橋

 大井川へキャンプに出かけることになった、リンとなでしこ、そして、なでしこの浜松に住んでいた頃からの友人のアヤ。リンとアヤがキャンプ場までツーリングを楽しむ一方、なでしこは電車でソロ旅を満喫した。その時乗ったのが、大井川鉄道アプト式列車。3人が泊まるアプトいちしろキャンプ場の最寄り駅・大井川鐵道井川線「アプトいちしろ駅」では、急坂を進むためのアプト式機関車と列車との連結を見ることができるのだそうだ。この合体を見られるのは、なんと日本でここだけなのだというから、鉄道好きにはたまらないだろう。

 一方の、リンとアヤのツーリング組が目指したのは、奥静岡、畑薙湖にかけられた畑薙大吊橋。大井川流域は吊橋の名所として名高く、中でも畑薙大吊橋は、南アルプス茶臼岳への登山口にあたる秘境の吊橋として知られているのだ。30mの高さを誇る橋は足場が狭く、手すりはスカスカ、かなり揺れるので、スリル満点。吊橋から眺める美しさはまさに絶景で、紅葉の名所としても知られている。吊橋を渡ったあとは温泉へ。リンとアヤが訪れた、南アルプス赤石温泉「白樺荘」(作中では畑薙荘)では、ぬるめのお湯が疲れた体を優しく癒してくれるだろう。

△『ゆるキャン△ 12巻』より

山梨県北杜市 みずがき山自然公園キャンプ場(作中では瑞牆山キャンプ場)

 埼玉、東京、山梨、長野をまたぐ広大な国立公園の一角にあるキャンプ場、みずがき山自然公園キャンプ場(作中では瑞牆山キャンプ場)は、なでしことリンが大井川キャンプへ行ってしまった後、千明、あおい、恵那の3人が向かった場所だ。ここは、百名山のひとつ、瑞牆山を目の前に望めるキャンプ場で、「やっぱり眺める物のあるキャンプ場っていいよなぁ」と千明が言う言葉も納得の、壮大な風景が魅力のスポット。瑞牆山は登山が楽しめる他、ロッククライミングでも人気があり、山頂近くのちょこんと飛び出た岩「大ヤスリ岩」の壁面を登る人もいるのだという。天体観測にも最高の自然豊かな場所だ。

 この他にも『ゆるキャン△』には、山梨だけでなく、静岡や長野などのあらゆる場所のキャンプ場も登場する。どのキャンプ場も絶景揃い。漫画やアニメで楽しむだけでなく、実際にその大自然の中で、キャンプを楽しみたくてたまらなくなってしまう。コロナ対策に気を配りつつ、『ゆるキャン△』を参考に、次の目的地を決めてみてはいかがだろうか。

文=アサトーミナミ