脱・社内ニート! 出世する「キレ方」の身につけかた

仕事術

2012/11/20

 近頃、「会社に行っても仕事がない」という“社内ニート”とやらが、若い世代に増えているのだそう。職場の人間とうまく関係が構築できず、いわゆる“干された”状態になってしまうというのが原因のひとつ。

 無視されたままただ時間が過ぎていくのを待つというのは想像以上に辛い。それが20~30代の血気盛んなはずの若い世代に増えつつあるというのだから、なんだかもったいない気がしてならない。世代間のギャップ、性格の不一致……それはどうにもならないこと。それでも会社の人間とうまく仕事上の付き合いをするには、どうすればいいのだろうか。

 そんな時にオススメしたいのが、『出世するキレ方』(楠元博丈/文響社)だ。コミュニケーション術さえ習得すれば、出世も期待できてしまう。社内ニートたちにとっては朗報だ。

 この本を世に送り出した文響社は、200万部を売り上げた『夢をかなえるゾウ』(飛鳥新社)の著者である水野敬也さんが立ち上げた出版社。この出版社が22~35歳の若手男性会社員を対象に行った「出世」への意識に関する興味深い調査データがある。「出世したいと思うか」という問いに対して、「出世したいと思う」と答えたのが74%。「実際にどこまで出世したいか」という質問には、「部長・プロデューサー職」が24%、「役員」が21%、「社長」が14%という結果で、約4分の1の若手社員が、部長・プロデューサー職という、ある程度の出世を望んでいることが明らかに。目標があるのならなおさら、社内ニートなどといって甘んじている暇はない。

 同書は著者の経験に基づき、過去に出会った“嫌な人”を例に取ってタイプ別に21人挙げ、その人に自分の意思をうまく伝えて物事を円滑に進めるための「キレ方」を実践会話例とともに紹介している。「キレ方」といっても、怒りにまかせた発言や行動を取るのではなく、相手にその問題を気づいてもらうための方法論である。相手に気づかせる中にも、「キレ方」より少しトーンダウンした「いなし方」も記述されており、段階を踏んで実践することが可能だ。例えば、すぐに武勇伝を語るといった自慢する人や、なにかにつけて説教ばかりしてくる人など、身近によくいる苦手なタイプが網羅されており、自分のケースにあてはめやすい。“嫌な人”という漠然としたイメージを、言葉で具現化することによって対処法を考えることができる。そしてその“嫌な人”と円滑なコミュニケーションを取ることによって、「その人を好きになってもらいたい」という著者の想いがそこにはある。

 人によって立ち回り方を変えるなど「うまくやっている」人を見ると、なんだかうらやましく感じるもの。そして同時に、ズル賢いとさえも。ただ、やはり人間関係をうまく構築することは、仕事を得るチャンスにもつながっていくのはまぎれもない事実だろう。そんな“知恵”に関して、詳細が記述されているのが『僕たちは知恵を身につけるべきだと思う』(森田正康/クロスメディア・パブリッシング)である。

 人間同士が関わり合う以上、“義理人情”が仕事をする上で大事になってくる。目標に向かって最短距離を取ったり、物事を処理したりする“合理性”はもちろんビジネスに必要なことだが、それだけでは人は動かない。その一見相反する2つの要素を合わせたものこそが“知恵”であると説かれている。並外れた学歴を持つ学歴フェチの著者が、自らの経験則に基づいて、目標達成するためのコツや、上司との関わり方、ビジネス上の心構えといった“知恵”を授けてくれる。ビジネスで成功するための考え方を身に付けられる内容だ。

 また、各項目末に書かれた、エジソン、アントニオ猪木、ビル・ゲイツ、ボブ・ディラン、赤塚不二夫といった各界著名人の知恵がこの本に説得力を与えてくれている。偉人たちも、知恵について考えた結果成功しているのだ。

 世渡り上手は出世上手。能力や実力、才能よりも、出世に直結するのは、生活において根幹をなす人間関係なのかもしれない。社内ニートたちよ、立ち上がれ。

文=廣野順子(OfficeTi+)