ポエム上手は恋愛上手? 「ポエマー芸能人」が増殖中

芸能

2012/11/22

 いまやすっかり定着した、有名人が綴るブログ。気になる芸能人やあこがれのモデル、スポーツ選手によるブログは、テレビや舞台では見えてこない本音が窺い知れることで人気を博しているのは、みなさんご存じの通り。なかでも、何かと話題になることが多いのが、ブログにアップされたポエティックな文章だ。最近では、ロンドン五輪後に引退したバドミントン選手の潮田玲子や、いま、男性の熱烈なファンを増やす女優・石原さとみなどが「ポエマーすぎる!」と注目を集めたばかり。

 潮田の場合は、ロンドン五輪での試合を直前に控えた7月末に、「突然の私的メッセージをお許し下さい」と断り、恋人へ向けて「大切な君へ」と題した文章を掲載。「君の活躍は何よりも刺激になった。君の優しさは何よりも癒しになった。君の励ましは何よりも救いになった。」「良い時も悪い時もどんな時も心はいつも側に居たよね。」「時にはぶつかり大げんかする日もあったけどいつも君の存在が支えになってた。」と、まるで西野カナの歌のようなスイートな世界を展開した。その後、結婚報道を否定したことからブログ炎上騒動なども勃発したが、めでたく10月に入籍。案外、このラブレターのような文章が功を奏したのかもしれない。

 しかし、詩的度では石原はさらに上をいく。舞台『ロミオとジュリエット』が千秋楽を迎え綴ったのが、「ジュリエットが愛した人を思い出す 優しくてユーモアがある人だった」という言葉から始まる文章だ。「子犬のような顔をしたり 水分が出そうなくらいな色気顔したり」と、ロミオを演じた佐藤の魅力が伝わってくる比喩表現を繰り出し、「ボサボサの長い前髪眼鏡、スリッパ、首もとが緩いTシャツを着てあくびをしながらストレッチ」と情景描写も織り交ぜていく。“神は細部に宿る”というが、この石原目線の何気ない風景が親密感たっぷりで、なんともロマンティック。いかに石原がジュリエットになりきり、佐藤演じるロミオに恋をしていたかがよくわかるポエムだ。

 そして、ブログに留まらず、今度は本の世界でも芸能人ポエムが登場。10月に発売された藤本美貴の『First mama book』(セブン&アイ出版)では、夫の芸人・庄司智春が出産後の退院前にプレゼントしたというポエムを詰め込んだ手づくり本を公開。「奇跡が迫って来るね。ワクワク。ドキドキ。父と母になるんだね。」「好きって気持ちは変わらないよね? 俺は変わらないよ。」と、赤ちゃんの誕生に心躍る気持ちと、ミキティへの感謝と愛情を詩に託している。

 ときとしてポエジーな文章は「痛い」などと揶揄されがちだが、大切な人に思いを詩にして伝えるのは、万葉の時代から続く表現のひとつ。恥ずかしさや照れといった感情を乗り越えてこそ、相手に響く言葉は紡ぎだせるのではないだろうか。『大人のための恋歌の授業 “君”への想いを詩歌にのせて』(近藤 真/太郎次郎社エディタス)には、芥川龍之介や谷川俊太郎といった“言葉の達人”たちによる恋歌が数多く紹介されているので、参考にしてみてはいかがだろう。