「ネット婚活」の実態がわかるコミックエッセイが人気

コミックエッセイ

更新日:2012/11/26

 「婚活」と聞いて、まず最初に思い浮かべるのはどんなことだろう? お見合いや合コン、婚活パーティーに友達の紹介……。ハードルの低さで最近人気なのが、婚活サイトなどに登録することで気軽に始められるネットでの婚活。ネットで登録しても、何をすればいいかわからないという人に、おすすめのコミックエッセイが登場した。イラスト投稿サイトpixivに掲載時は200万PVを超えた話題作『31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる』(御手洗直子/新書館)だ。これを読めば、ネットで婚活するということがどういうことか面白おかしく知ることができる。

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 まず最初にすることは、プロフィールを作成すること。参考までにと思い、作者は他の人のプロフィールも見に行ってみるのだが「容姿に自信のある方。ブスはお断り」「頭の悪い人は苦手なので学歴の無い方お断りです」などなど、とんでも条件がズラリ。他にも自らキングを名乗る男性や堂々とセフレを募集する人など、いろんな人がいるようだ。最初からあまりにも高すぎる条件を出すと、チャンスをみすみす逃すことになるかもしれない。だから、絶対に譲れない条件をいくつか選ぶことは大事だろう。また、正直に書きすぎると相手にどん引かれると思うかもしれないが、あとでつじつま合わせに苦労したり、相手に幻滅されるくらいならここで少しくらいぶっちゃけておいたほうがいいのかもしれない。

 そして、ようやくプロフィールの公開。初めは誰かから連絡が来ればいいなーぐらいに思っていたが、翌日サイトへ行くとなんと100通ものメールが! 人によっては1000通を超える人もいるらしく、その人のプロフィールを見て返信するだけで一苦労なんだとか。無職、金髪、最初の条件に一致しない人をどんどん省いて、人数を絞っていく。ここである程度の数に絞っておかないと、その後メールのやりとりや実際に会うことになったときが大変なのだ。ここではさながら「アイドルの第一次審査員」のように、心を無にしてひたすら年収、外見、趣味嗜好やメールの文面を見て選抜していく。そして、その中で残ったメンツを見てみると、今まで気付かなかった好みのタイプにも気づけるかも?

 一度に大勢の男性とメールのやりとりをするので、誰にどんな内容を送ったか。誰がどんな人だかわからなくなることがある。それに、嘘で固めたとまではいかなくても、多少の見栄や誇張をしてしまうこともあるだろう。でも、気を付けないと自分のキャラ設定までもがブレてしまって大変なことに。婚活サイトでのやりとりには、恋のときめきよりも打算や計算が渦巻いているのだ。

 そんな苦労を経て、いよいよ実際に会う段階まで進む。最初のお相手は年収1千万の男だったのだが、いきなり前の彼女の悪口を言い出す彼。さらに、父親の職業を聞かれた作者が「公務員です」と答えると「あー…公務員って給料安いですよねー」「給料安くても税金のムダって思いますよねー」などと親の職業までバカにし出したのだ。いくらお金持ちでも、元カノの話題を出したり、親の悪口を言ってくるヤツなんてこちらからお断りだろう。その空気の読めなさや内面は、やはりメールだけでは伝わらない。こんなふうに、会ってみなければわからないこともあるだろう。

 そうやって時間とお金をかけて続けた婚活。最終的に、彼女は誰を選んだのか? その成果はどうなったのか? 気になる結果は、ぜひ本を読んで確かめて欲しい。