好奇心を刺激する本がここに集結! 第15回文学フリマ開催

文芸・カルチャー

2012/11/21

 11月18日(日)東京流通センター第二展示場で、「第15回文学フリマ」が開催された。出展ブースは、約650ブースで、会場は多くの参加者でにぎわい、終了時間の17時まで活気に包まれていた。

 文学フリマとは、小説、詩といった文芸作品や評論作品を中心とした同人誌即売会だ。参加者は自分でつくった作品を自ら販売することができる。「自分が“文学”と信じるもの」であれば基本的にどのような作品でも自由に出展することができ、プロの小説家から詩人、文学研究者、大学の文芸サークルからごく普通の社会人まで幅広く参加している。

 そもそもは、漫画原作者で批評家の大塚英志氏が、『群像』誌2002年6月号(講談社)に掲載したエッセイ「不良債権としての『文学』」の中での呼びかけから始まったもの。同人誌即売会として有名なコミケのような形式で、文学作品を流通させることはできないかといった提案から、編集者の市川真人氏と共に立ち上がり、2002年の11月に青山ブックセンターから始まり、秋葉原、大田区と拠点をうつしながら、現在に至っている。

 今年は、電子書籍を販売するブースも数多く登場し、SNSサービス「LINE」や「アメーバピグ」を使う女の子たちの実情を調査した『ねとぽよ』や、漫画家の豊島ミホ氏が参加した『新古典派フィクションズ編集部』などが注目を集めていた。

 また、現役の書店員や編集者、ライターが集まり本の現場についての声を集めた『放課後 文芸部室号』や、婚活の仕組みと実情についてオタク婚活サービスの「アエルラ」の社長にインタビューした『奇刊クリルタイ』、様々な葬式のかたちについて紹介した『フリースタイルなお別れざっし 葬』、最近Twitterを中心に使われているワード「つらぽよ(つらいという意味)」をテーマに構成された文芸誌「つらぽよ」など、日常ではなかなか知ることのできない知識や見聞の含まれた本も出揃っており、参加者が買いにきた人たちと本を話題にして盛んに交流している様子があちらこちらで見られた。

 次の文学フリマは4月14日(日)大阪の堺市産業振興センターにて開催することが決定。
 また、2013年4月28日には、幕張メッセにて『文学フリマスピンアウトイベント(仮)』も行われるとのこと、イベントの詳細については12月以降に発表される予定だ。ますます規模が拡大し、参加者の出展する書籍のレベルも高まっていく中、ここから新しい文学シーンは誕生していくのか? あるいはもうすでに始まっているのか? 文学フリマに集まった一人ひとりの中から湧き上がってきているものに注目していきたい。