言葉を楽しむ! 小型国語辞典ランキング

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/25

 言葉の意味を調べるにもインターネットですぐ検索できてしまう時代。そんな今だからこそ、自分にあった国語辞典を探して、本を読むように1枚1枚ぱらぱらとめくり、言葉の深み・面白さにじっくり触れてみるのもいいかもしれない。とはいえ、国語辞典の特徴は、辞典ごとにさまざま。そこで今回は、一橋大学で非常勤講師として教壇に立ちながら、お笑いコンビ・米粒写経としても活躍中のサンキュータツオさんに言葉を楽しむための小型国語辞典を紹介してもらった。

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【1位】『岩波 国語辞典 第七版 新版』 西尾 実、岩淵悦太郎、水谷静夫/編 岩波書店 3150円
「一時的な流行や不安定な誤用は追わない」という立場の国語辞典。ランキングの選者、サンキュータツオ氏は「それゆえ、本書に載った言葉は100年先まで使われる」と語る。

【2位】『新明解国語辞典 第七版』 山田忠雄、柴田 武、酒井憲二、倉持保男、山田明雄、上野善道、井島正博、笹原宏之/編 三省堂 3150円
シャープな語釈が人気で、国内シェアナンバー1を誇る。最新の第7版の編集には、漢字研究の権威・笹原宏之が参加。国語辞典と漢和辞典の垣根を越えた編集方針が注目された。

【3位】『三省堂国語辞典 第六版』 見坊豪紀、金田一京助、金田一春彦、柴田 武、市川 孝、飛田良文/編 三省堂 2835円
やばい(味)、オール(する)、デトックス、アフィリエイトなど、新用法や新語を積極的に取り入れていく方針が特徴的な国語辞典。「現代語辞典」のような側面を持っている。

【4位】『ベネッセ 表現読解国語辞典』 沖森卓也、中村幸弘/編 ベネッセコーポレーション 2940円
語釈に加え、派生語の解説や、使い手による言葉の選び方なども紹介。日本語表現や文章読解に役立つ図や表、コラムなどを掲載しており、電子辞書には真似できない構成が魅力。

【5位】『基礎日本語辞典』 森田良行 角川書店 5040円
「思う」と「考える」の違い、「このごろ」と「最近」の違いなど、日本人が何気なく使っている言葉の意味を丁寧に解説。日本語を学ぶ外国人にも評判の、じっくり読む国語辞典。

【6位】『日本語 語感の辞典』 中村 明 岩波書店 3150円
「感激・感動・感銘」といった、似ている言葉のニュアンスの違いの解説に特化した辞典。サンキュータツオ氏は「5位の『基礎日本語辞典』と合わせて使うとベスト」と語る。

【7位】『明鏡国語辞典 第二版』 北原保雄/編 大修館書店 3045円
問題な日本語』の編者・北原保雄が手掛けた国語辞典で、言葉の適切な使い方や、気をつけるべき誤用を細かく解説。そのための別冊「明鏡 問題なことば索引」も重宝する。

【8位】『集英社国語辞典 第二版[横組版]』 森岡健二、徳川宗賢、川端善明、中村 明、星野晃一/編 集英社 3675円
文字の「縦組み」が主流の国語辞典の世界で、横組み版が出版されている国語辞典。横組み版は、外来語や英略語などの原語表記が読みやすく、使い慣れると手放せなくなると評判。

【9位】『新選国語辞典 第九版 二色刷』 金田一京助、佐伯梅友、大石初太郎、野村雅昭、木村義之/編 小学館 2730円
全13巻+別巻からなる『日本国語大辞典』を出版している小学館が発行。巻末に掲載語句の分類がパーセント表示されていて、旧版と見比べると日本語の変遷や現状が見えてくる。

【10位】『新潮現代国語辞典 第二版』 山田俊雄、築島 裕、白藤禮幸、奥田 勲/編 新潮社 3045円
名作小説や詩などから引用された文章が、用例として掲載されている国語辞典。作家や詩人たちが実際に作中で使った、生き生きした文章で、言葉の意味を追える。

取材・文(ランキング部分)=澤井 一
ダ・ヴィンチ1月号 「その道のプロに聞く! ダ・ヴィンチなんでもランキング」より)