『ONE PIECE』の成功後活況な劇場版『ジャンプ』アニメ

マンガ

更新日:2012/12/11

 『おおかみこどもの雨と雪』『魔法少女まどか☆マギカ』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』といった、アニメ作品のヒットが目立った2012年の映画界。

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 そんななか、『週刊少年ジャンプ』『ジャンプスクエア』(ともに集英社)など、『ジャンプ』マンガを原作にした劇場版アニメの存在感が増している。09年末に公開された『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』は、マンガ原作のアニメ映画としては最高となる興行収入48億円を記録。『銀魂』『NARUTO』も10億超とヒットした。今後も、12月に『ONE PIECE FILM Z』『青の祓魔師(エクソシスト)』、13年には『HUNTER×HUNTER』『ドラゴンボールZ』、『銀魂』第2弾と続々と控えている。

 好調の背景には、原作者が製作に関わっていることが挙げられる。尾田栄一郎がストーリーを描き下ろし製作総指揮を務めた『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』の大ヒット以降、鉄板の手法となった。原作者がスタッフに入ることで、原作者の意図が反映された “オフィシャル作品”としてファンの心をとらえたのだ。これまでの集英社は、映像化の際も「コミックスが売れればOK」ぐらいのスタンスだった。それがコンテンツとしていかに広げるかにシフトチェンジしている。圧倒的に強い『ジャンプ』コンテンツを持っているだけに、『ドラえもん』『ポケットモンスター』『名探偵コナン』のような、興収20億円程度を毎年見込める劇場版の大シリーズも生まれてきそうだ。

文=平山ゆりの/日経エンタテインメント!
(ダ・ヴィンチ1月号「出版ニュースクリップ」より)