さびしいクリスマスに癒されたい! “対話系”動物写真集

文芸・カルチャー

2012/12/19

 クリスマスを間近に控え、街が華やいでいる今日この頃。寒さも一段と厳しくなり、身も心も冷え込んでいるサビシイ独身者も少なくないはず。幸せそうなカップルやファミリーを見ていると、ついつい「リア充爆発しろ!」なんてささくれだった気持ちになってしまうけど…ここはひとつ、動物たちに癒しを求めてみるのはいかがだろう。

 動物モノは癒し系の王道であり、さまざまな写真集が出版されているが、なかでも最近の変わり種は、動物たちの“声”に耳を傾けるというもの。例えば表紙のキリンが印象的な『どうぶつぶつ』(パルコ出版)は、写真家・たちばなれんじが撮影した“カメラ目線”の動物たちに、リリー・フランキーが味わい深いコメントをつけた、世にも奇妙な写真集だ。

 今流行りの写真で一言ボケるウェブサービス「ボケて(bokete)」のようでもあり、動物で人間を風刺した深い哲学書のようでもあり、これがなかなか味わい深い。中身をちょっとのぞいてみよう。

 例えば、木にもたれかかり、ダルそうな表情で「結局、会社泊まっちゃったよー…」とぼやくコアラ。その姿は、みんなの出社時に疲労がピークに達している徹夜明けの同僚を思い起こさせる。

 また、遠くからカメラ目線で叫ぶアムールトラには、「こらー!! 休み時間終わってるぞっ!!」なんて吹き出しがついている。そういえば小学校にいたな~こんな先生。怖かったあの先生を思い出し、何だか懐かしい気持ちがよみがえる。

 真っ赤なトサカを立てて「ロック、ナメんなよ、マジで。」とカメラをにらみつけるオナガドリは、友達が少なかった音楽好きのクラスメイトに酷似している。

 このように、人間くさいセリフを絶妙な表情で放つ動物たちを見ていると、知り合いのあの人やこの人の顔をふいに思い出させてくれるからおもしろい。その姿は最高にさみしいものかもしれないが…心はジワジワ癒されているから不思議だ。

 この他、不思議な生態の動物に脱力系のコメントがついた『生きづらい世界で自由に生きる方法』(宝島社)なんて写真集も。「ペットを飼うと婚期が遅れる」なんて格言もあるけれど…写真で癒される分には問題なし!?

文=清田隆之