見方を変えれば、すぺてがプラスに。「ネガポ辞典」著者2人に聞く、“ネガティブ思考”をポジティブに変換する方法

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2012/12/27

 「今どきの若者はネガティブ思考だ」などと言われる。“若者の○○離れ”といったニュースが数多く報じられたり、そのネガティブすぎる発言によって今年大ブレイクしたモデルの栗原類などはそのいい例かもしれない。そんな中、いま巷ではその若者自身が逆転の発想で考案したネガティブ克服方法が話題となっている。

 『ネガポ辞典―ネガティブな言葉をポジティブに変換』(ネガポ辞典製作委員会/主婦の友社)という本を知っているだろうか。もともとはネガティブな言葉をポジティブな言葉に言い換えてくれるという携帯電話向けのアプリで、計14万回ダウンロードされるほどの人気。約300語を追加した書籍版もヒット中だ。

 本書では、例えば「煮え切らない」は「仲介人になる素質がある」、「引きこもり」は「蝶になる前のさなぎ」「戦士の休息」、「死ね」は「死ぬ気で生きろの略」に言い換えている。

 中には「フンを踏んだ」は「靴を磨くいい機会だ」「韻も踏んだ」など、設定や言い換えに吹いてしまうようなものも多数あり、ページを進めるうちに徐々にネガティブとポジティブの境界線が見えにくくなっていく。

 短所と長所は実は表裏一体で、自分ではコンプレックスだと思っていることが、実は他人には魅力だということは少なくない。大切なのはそれに気づくか否かだ。本書のねらいはまさにここで、読んでいるうちにそれとなく気づくようになっているのだが、驚くべきはこのアイディアは札幌市内の女子大生2人が高校時代に発案したものだということ。

 彼女たちは「失われた20年」の真っ只中に生まれ、大震災や原発事故を経験した世代。だからこそ本書の等身大な「ネガ→ポジ思考」は妙に説得力があり、幅広い世代に支持されているのかもしれない。そこで今回、著者である蠣崎明香莉さんと萩野絢子さんのお2人に、制作のきっかけや“若者のネガティブ思考”について聞いた。

話題の『ネガポ辞典』誕生のきっかけは自分のネガティブ思考から――。

――まずは『ネガポ辞典』を制作したきっかけ・経緯を教えて下さい。

蠣崎 もともと、私自身がネガティブだったんです。だから、私自身を元気づけてくれるものを考えれば、私みたいに落ち込みやすい人も一緒に元気づけられてくれるのではないかなと思い、ネガポ辞典を制作しました。

 このアイデアが、全国高等学校デザイン選手権大会2010(通称デザセン2010)で第3位を受賞したことがきっかけで、ネガポ辞典はアプリとして形を成し、今回こうして出版させていただくことができたのです。

――制作する上で一番大変だったことは何ですか?

蠣崎 自分自身が偏見を持ってしまっている言葉を変換するのが一番大変でした。例えば「舌ったらず」という言葉に対して、私は「異性に媚びるときに使う、意図的に作られた声」というネガティブなイメージを抱いていました。でもそこから今度は、「じゃあなぜ、舌ったらずな話し方は異性に支持されるのだろう?」と考えてみました。そして最終的に「愛嬌があるからだろうな」という変換に行きつきました。

萩野 アプリ化の際も書籍化の際も、単語を考える作業はけっこう大変でした。なんといっても、個数のノルマがいつも1人100単語以上と多くて多くて!書籍に関しては、校正の作業も苦労しました!初体験で勝手がわからなかったですし、量も膨大で。

  • 左から蠣崎明香莉さんと萩野絢子さん。“若者のネガティブ思考”について聞いたところ、「悩みがない人などいないのだから、ネガティブ思考なのは若者だけじゃないと思う。若者の方がそういった面が目立つのは、SNSなどを介して分かりやすくネガティブな発言をするからではないか?」とするどく分析。

 
――約600語ある中で、お気に入りの「ネガ→ポジ変換」は何ですか?

蠣崎 「三日坊主」と「穴のあいた靴下」です。三日坊主は、①三日間も集中して物事に取り組むことができる、②行動力がある、③切り替えが早いという変換になります。そして、穴のあいた靴下は、①見るだけで笑いがこみ上げる物体、②それだけ愛用した証、③チラリズムという変換が出てきます。ネガポ辞典には、性格などを表すネガティブな言葉の他に、この靴下のようなネガティブな物体や、シチュエーションなんかも収録されています。

萩野 お気に入りの単語は多々あるのですが、今特にお気に入りなのは「泣き虫→①感情を素直に表現できる、②素直に甘えられる、③涙の数だけ強くなれる」です。近頃本当に、気がついたらこぼれ落ちてるんです…涙が(笑)

――いろんな変換があるんですね。では、実生活で「ネガ→ポジ変換」することはありますか?

蠣崎 あります。バイトでミスをしてしまったときに「この反省を生かして、次にいってみよー!」と考えたり、言葉遣いが悪くて苦手だなぁと思う人とチームを組まなきゃいけなくなったときに「あの人ボキャブラリー豊富だなぁ」と考えてみたりしています。

萩野 ありまくりです!毎日してると思います。一番最近思いついたのは「手が冷たい」という単語です。ちなみにこれを変換すると「①心はあたたかい証拠」「②人肌のぬくもりをいつもより身にしみて感じられる」等になります。

――ちなみに、ご自身は「ネガティブ」か「ポジティブ」のどちらのタイプだと思いますか?

蠣崎 ネガティブ寄りですね。でもしいて言うなら、「ポジティブ思考になりたい派」です(笑)。同じ人生を歩むなら、一瞬一瞬がちょっとずつ幸せな方が楽しいよねって思います。

萩野 どちらとも言いがたいですね…。最近気がついたのですが、ネガポ辞典の単語を作るにあたりネガティブな発想でもポジティブな発想でもとことん物事を考えたからか、今の私は「些細なことでも簡単にネガティブな方向に考えるものの、いつのまにかポジティブな思考にきりかわる」という…強いて言うなら「ネガポジ思考派」なんです!

――なるほど。では最後に「若者の○○離れ」をポジティブな言葉に変換してください(笑)

蠣崎 ①自主性が高い(自分の意思で「○○をしない」という選択ができる)、②時代の流れに乗っている(ページをめくらなくても本は読める。机に向かわなくても勉強はできる)、③新しい発想が生まれる(「○○は必要だから頑張って身につけなければならない」という固定観念に縛られていないため、やわらかい発想ができる)
 
萩野 そうですね…それでは私は具体的に、この前ニュースで見た「若者のわさび離れ」をポジティブに変換します!「若者のわさび離れ→①わさびのききすぎで人前で泣く経験をせずにすむ、②ありのままの素材の味を楽しめる、③罰ゲームでわさび入りシュークリームを食べた時のリアクションが見物」

――お二人ともありがとうございました!さすが「ネガポジ変換」のエキスパートらしい、ひねりの効いた回答でした。現在お2人は大学での勉強に励みつつも収録語数を増やすべく計画中とのこと。すべての人が前向きになる新たな魔法、大いに期待しています!
 

ここで皆さんにもお題。ぜひ下記の「ネガポジ変換」にチャレンジしてみてください!

お題:「彼氏・彼女いない歴=年齢」をポジティブな言葉に変換してください

紙 『ネガポ辞典―ネガティブな言葉をポジティブに変換』

ネガポ辞典製作委員会/主婦の友社/1,050円(税込)

 

テレビ各局で紹介され話題のアプリが書籍になって登場。ネガティブワードをポジティブに言い換える辞典です。暗い言葉もビックりするほど明るく変身。書籍オリジナルコンテンツも満載です!